アラフォー世代の記憶に残る? かこさとし『どろぼうがっこう』はドリフみたいだ。
どろぼうがっこう (かこさとしおはなしのほん 4)著者:加古 里子
販売元:偕成社
発売日:1973-01
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アラフォー世代にとって、一番記憶に残っている絵本作家はだれでしょう?
わたしの場合、
長男が産まれたばかりの頃、まだ言葉もわからんというのに、「絵本を選んでやらねば!」と妙な使命感に駆られ、はじめての絵本を買いに向かったとき、頭の中には、おぼろげに
「KAKOSATOSI」という変な名前の音が思い浮かんでいた。
幼稚園のころ、このひとの本をよく読んでいたはず‥
そして、なにやらドロボウのオモシロい絵本があったはずじゃ‥と、ヨコハマは伊勢佐木町の有隣堂の売り場を探したが、どこにも「KAKOSATOSI」というひとの絵本はない。
たまたま品切れだったのか、その後復刻したのか、1年後の2005年にようやく、
KAKOSATOSI=かこさとし=加古里子の『どろぼうがっこう』に再会した。
1973年初版ということで、昭和のにおいプンプン、アラフォー世代ドンピシャ。
こうちょうせんせいの くまさか とらえもん せんせいは、ドリフターズのいかりや長介としか思えないほどだ。
「おっほん、
どろぼうがっこうの せいとは、いっしょうけんめい せいだして、はやく いちばん わるい どろぼうに なるよう、うんと べんきょうしなければ いかんぞ。いいか わかったか。」
せんせいが こういうと、
「はーい。」「へーい。」「ほーい。」「わかりやしたー。」
「がってんで ござんす。」
かわいい どろぼうがっこうの せいとたちが、げんきに こたえます。
志村けんやカトちゃんがでてきそうでしょ。
こどもたちも、まねをして楽しそうです。
お父ちゃん自身も、これで爆笑していたのかぁ?と少し感慨深くなってきます。おそらく3~4歳の頃に読んだのかしら。
40年近く経過した、古い記憶。
いったい、どこまで遡れるのか?
あの頃の光、空気、音‥
そんな、はっきりとは思い出せない「原風景」のようなものについて記した、すばらしいエッセイがあります。
犬の記憶 (河出文庫)著者:森山 大道
販売元:河出書房新社
発売日:2001-05
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森山大道さんは、知る人ぞ知るカリスマ写真家ですが、文章の方も一流で、『犬の記憶』のように独特の文章と写真が組み合わされた作品は、何とも言えない人生の深みを感じるというか、写真のネガのようなもうひとつの裏の人生に迷い込んだように感じにさせられます。
お父ちゃんも、プー太郎時代によく読みました。
はぐれものにもひとつの心地よい場所を、フィクションだけど、提供してくれました。
ところで、この本は、書き出しからして引き込まれる。
僕の兄の名前は一道といった。数えの二歳で世を去っている。兄と僕とは双子である。むろん兄を憶えてはいない。兄を森山家のコピイだとするならば、僕は兄のリコピイである。兄の名の一の字に人の字が割って入って、僕は生きのびることになった。
そして、森山大道はいかにして、2人が生まれた大阪府下池田町字保を訪れ、原風景=幻風景を撮影しようとしたのか?
失われた時を求めて、というのではない。僕はそのかぎりにおいて、池田の町にいささかの感傷の覚えもなければ望郷の念もないのだ。照合すべき過去が見えないとき、幻想に心情を寄せることは詮ないし、幻影に向けてシャッターを切ることもできない。さらに、過去を現在に、現在を過去に重ね合わせて見ることが記憶を検証することではない。もとより記憶とは、自身の内部に懐かしく立ち現れる、かく在りきイメージの再現行為などではなく、現在を分水嶺として、はるか前後へと連なっていく大いなる時間に向けて、したたかにかかわっていく心の領域のことだと思うからである。僕のすべきことといえば、ひとまず池田の地に立つことと、そこで見えてくる光景にレンズを向けることより他にはない。そして、もしかしたら、つと指先を伝わって知覚されてくるかもしれない記憶の覚醒に期待することである。僕はカメラを持って生地の在る町に出掛けた。
ああ、ひさしぶりに森山大道さんの文章に触れた。
明日にでも白黒フィルムを買って、リコーGR21に装填しようかしら。
長谷川集平『トリゴラス』 ちょっと心配な男の子。やはり男は、できそこないなのか?
トリゴラス (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)
著者:長谷川 集平
販売元:文研出版
発売日:2003-11
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嵐の夜。少年の頭の中で妄想が膨らんでいく。
いや、実は、嵐というほどのものではない強い風が吹いているにすぎないのだが、4人家族が質素に暮らす賃貸アパートの2階の部屋では、それなりの音が反響し、次第に怪物化しているようなのだ。
とぼけんといてか、おとうちゃん。
ぼくは ほんまのことが ききたい。
少年は意を決して問う。
そらで びゅわん びゅわん ゆう、あの音のことや。
あれは かいじゅうにちがいない。そうやろ、おとうちゃん。
これを聞く「おとうちゃん」は、眉間にしわを寄せた黒ぶちメガネの堅物サラリーマンのようだ。
なまえは、トリゴラス。そうや、鳥のかいじゅうなんやで。
少年の独白は続いていく。
長谷川集平さんお得意の「ちょっと心配な男の子もの」である。
こどもに読み聞かせるのは楽しい。大阪弁のリズムの良い独白スタイルは、読んでいる方も心地よくなってしまう。
しかし、お父ちゃんとしては、どんな気持ちだろう?
なんというか、男であることの哀愁というか、不憫というか、悲哀を感じさせられないか?
そんな哀愁を、科学的に解説する本を読んでしまった。
できそこないの男たち (光文社新書)
著者:福岡伸一
販売元:光文社
発売日:2008-10-17
おすすめ度:
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この本の最後で、「男とは?」を簡潔にまとめている。
これまで見てきたとおり、生物の基本仕様としての女性を無理やり作りかえたものが男であり、そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある。
つまり生物学的には、男は女のできそこないだといってよい。
だから男は、寿命が短く、病気にかかりやすく、精神的にも弱い。しかし、できそこないでもよかったのである。所期の用途を果たす点においては。
必要な時期に、縦糸で紡がれてきた女系の遺伝子を混合するための横糸。遺伝子の使い走りとしての用途である。
フーム。やはり。男って‥ 哀愁の存在でした。
長谷川集平さんの絵本って、そんな男の子の弱さと哀愁、そしてけなげさ?(アホらしさ?)が、直感的に描かれている。
ところで、『できそこないの男たち』は、ただの科学的な解説の本ではなく、著者の類い稀なるテクニックによって書かれた、ぐいぐい引き込まれる本だ。たとえば、こんな部分‥
人をして全く別の何者かに変化させてしまう、そんな書物がある。
心と姿を変えられた者は、その書物について固く口を閉ざして何も語ろうとしない。あるいは言葉そのものを失う。それゆえ、その書物がどのようなもので、いかにして人に作用をもたらすのか、はっきりした証言はどこにもない。断片的な伝聞があるだけだ。しかしそれは実在し、密やかに受け渡されている。
その書物には人を抱えて離さない強い力が内包されている。書物を手にした者は寝食を忘れて読みふける。そこに記されていることを、それがどんなに些細なことであろうとも細大漏らさず読みとろうと。
これは遺伝子情報を、書物に喩えた部分。
精子および卵子によって運ばれた23巻ずつふたそろえの百科事典は受精卵の中で合一され、全46巻の一大叢書となる。
迫力があるし、専門知識がなくても、読ませる工夫がされている。
それにしても、こんなブログ書いてるお父ちゃんも、つくづくできそこないですなぁ‥
著者:長谷川 集平
販売元:文研出版
発売日:2003-11
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嵐の夜。少年の頭の中で妄想が膨らんでいく。
いや、実は、嵐というほどのものではない強い風が吹いているにすぎないのだが、4人家族が質素に暮らす賃貸アパートの2階の部屋では、それなりの音が反響し、次第に怪物化しているようなのだ。
とぼけんといてか、おとうちゃん。
ぼくは ほんまのことが ききたい。
少年は意を決して問う。
そらで びゅわん びゅわん ゆう、あの音のことや。
あれは かいじゅうにちがいない。そうやろ、おとうちゃん。
これを聞く「おとうちゃん」は、眉間にしわを寄せた黒ぶちメガネの堅物サラリーマンのようだ。
なまえは、トリゴラス。そうや、鳥のかいじゅうなんやで。
少年の独白は続いていく。
長谷川集平さんお得意の「ちょっと心配な男の子もの」である。
こどもに読み聞かせるのは楽しい。大阪弁のリズムの良い独白スタイルは、読んでいる方も心地よくなってしまう。
しかし、お父ちゃんとしては、どんな気持ちだろう?
なんというか、男であることの哀愁というか、不憫というか、悲哀を感じさせられないか?
そんな哀愁を、科学的に解説する本を読んでしまった。
できそこないの男たち (光文社新書)著者:福岡伸一
販売元:光文社
発売日:2008-10-17
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この本の最後で、「男とは?」を簡潔にまとめている。
これまで見てきたとおり、生物の基本仕様としての女性を無理やり作りかえたものが男であり、そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある。
つまり生物学的には、男は女のできそこないだといってよい。
だから男は、寿命が短く、病気にかかりやすく、精神的にも弱い。しかし、できそこないでもよかったのである。所期の用途を果たす点においては。
必要な時期に、縦糸で紡がれてきた女系の遺伝子を混合するための横糸。遺伝子の使い走りとしての用途である。
フーム。やはり。男って‥ 哀愁の存在でした。
長谷川集平さんの絵本って、そんな男の子の弱さと哀愁、そしてけなげさ?(アホらしさ?)が、直感的に描かれている。
ところで、『できそこないの男たち』は、ただの科学的な解説の本ではなく、著者の類い稀なるテクニックによって書かれた、ぐいぐい引き込まれる本だ。たとえば、こんな部分‥
人をして全く別の何者かに変化させてしまう、そんな書物がある。
心と姿を変えられた者は、その書物について固く口を閉ざして何も語ろうとしない。あるいは言葉そのものを失う。それゆえ、その書物がどのようなもので、いかにして人に作用をもたらすのか、はっきりした証言はどこにもない。断片的な伝聞があるだけだ。しかしそれは実在し、密やかに受け渡されている。
その書物には人を抱えて離さない強い力が内包されている。書物を手にした者は寝食を忘れて読みふける。そこに記されていることを、それがどんなに些細なことであろうとも細大漏らさず読みとろうと。
これは遺伝子情報を、書物に喩えた部分。
精子および卵子によって運ばれた23巻ずつふたそろえの百科事典は受精卵の中で合一され、全46巻の一大叢書となる。
迫力があるし、専門知識がなくても、読ませる工夫がされている。
それにしても、こんなブログ書いてるお父ちゃんも、つくづくできそこないですなぁ‥
『うちのパパってかっこいい』を読んで気分を害したお父ちゃんは、ダンディズムを目指すべし!
うちのパパってかっこいい (評論社の児童図書館・絵本の部屋)著者:アンソニー・ブラウン
販売元:評論社
発売日:2000-06
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こどもたちは『うちのパパってかっこいい』を読んでもらうのがとても好きだ。
しかし、お父ちゃんとしてはちっとも面白くない。むしろ不快な気分さえする。
内容的には、パパのことをベタ褒めなのだが‥ 例えば、
うちの パパって かっこいい
パパの おおきさは いえぐらい。
でも くまちゃんみたく かわいいよ
ふくろうみたいに かしこくて
ほうきみたいに きれいずき
こどもたちはゲラゲラ笑いながらこの絵本を読む。
つまり、ほめ殺しってことですわ。
その証拠に、このパパはどんな場面でもむさ苦しいパジャマにガウンという姿で描かれている。その真の姿と、ベタ褒めのテキストとの乖離が笑いを誘うという仕掛けなのです。
とは言え、実際、冴えない顔をしてむさ苦しいパジャマで過ごす私は、それに対して何も文句言える立場ではありませんが、
「男はダンディズム」という妄想を持っていなくもなかったのです。
じゃあ、「ダンディズム」ってなによ?
それにズバリ?答える本が最近出ました。
ダンディズムの系譜―男が憧れた男たち (新潮選書)著者:中野 香織
販売元:新潮社
発売日:2009-02
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「なにーっ、中野香織だと?女に男のダンディズムがわかるわきゃない」とおっしゃるダンディーの皆様、ちょっと騙されたと思ってこの本を読んで下され。
ダンディズム列伝に登場する人物たちも、ボー・ブランメル、ディズレイリ、オスカー・ワイルド、エドワード8世、ジェームズ・ボンドなど興味深い逸話の持ち主ばかり。
しかも筆者の愛情がよく伝わってくる書きぶり。
ブランメルがもうどうしたってかっこいいのは、人間のあらゆる情熱や好奇心や放縦を、淡々と冷めた態度で一蹴してしまうからである。経済力や権力に対しても、その価値を絶対と信じ、恥ずかしげもなく振りかざす人を、あっさりと見下し、鋭く軽蔑を表明した(国王に対しても貫いたがために、社交界から追放されることになるのだが、そんな危険すら辞さなかった)。
思いや信念や行動が、全く無批判に、単純な太い一方向に向かうことに対して、ささやかに優雅に抵抗する(シュプレヒコールを上げるのではなく)。私がダンディズムに深い共感をおぼえてやまないのは、まさにこの点である。
まさにダンディズムも命がけ。
個人的には、この本に出てくるプリンス・マイケル・オブ・ケントのファッションに憧れを感じたのでした。
しかし、どうあがいても私は中途半端ですなぁ。
うちだりんたろう『おいでおいでおいで』を読み聞かせると、こどもと幸せな一体感!!
おいでおいでおいで (ほっぺっぺえほん)著者:うちだ りんたろう
販売元:童心社
発売日:1996-07
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うちだりんたろう『おいでおいでおいで』は、このブログ推奨の読み聞かせスタイル(お父ちゃんがあぐらをかき、その上に子供を乗せる読み方)が、ぴったりと合っている。
このスタイルが、世界一、こどもと一体感を得られる読み方なのだ!
この絵本は、実に簡潔な自己紹介ではじまる。
さっちゃんです
こんな清々しいスタートのあとは、おなじフレーズが繰り返される。
おいで おいで
さっちゃんは おいでおいで します
ここで、父子でおいでおいでと、ページのはじっこに現れた物体を呼び寄せる。(金魚鉢だったり、傘だったり、恐竜だったり)
まだ幼い子供は、おいでおいでをするのもぎこちなく、それがまたホントにかわいかったりする。
ことばが片言の時期には、こんな身体表現が入った絵本を一緒に読むと、お互い楽しめるんですよね。
5歳の長男はもうこの絵本は見向きもしませんが、2歳の次男はいまが旬なのです。
成長のはやい子供の各段階で、なにがそのとき一番フィットしているのか?それをソムリエのように探るのも、ひとつの楽しみです。
と、以上の文章を書いているうちに、今日電車で読んでいた本の一節を思い出しました。
経営者に贈る5つの質問著者:P.F.ドラッカー
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-02-20
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このなかで、フィリップ・コトラーが「顧客の満足にどれだけ貢献するか」という文章を寄せている。
中国の古い諺も、「喜ばせられなければ店を開くな」と言う。
つまることろ、対象とすべき顧客が誰かを知らなければならない。何が彼らに影響を与えるか、何が彼らを喜ばせるかを知る必要がある。今日の顧客は商品の価値を買う。あなたの成功は顧客の満足にどれだけ貢献するかによって決まる。
「顧客」を「子供」に、「商品」を「絵本」に読み替えれば、読み聞かせ父ちゃんの、絵本ソムリエ術の極意のヒントになるかも?
長谷川集平『パイルドライバー』 プロレス技は恋の味? 格闘技好きお父ちゃん向け
パイルドライバー (fukkan.com)著者:長谷川 集平
販売元:ブッキング
発売日:2004-03
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2年前、上野の国立科学博物館(http://www.kahaku.go.jp/)に、当時3歳くらいだった息子と、恐竜の骨を見にいったら、昔の博物館がガラリとリニューアルされていて、一気にノスタルジーが吹き飛んでしまったことがある。
クラッシックなドームのある洋館の中に、巨大なティラノサウルスの骨格が雄々しく鎮座しているという私の記憶とは、まったく別物の現代的なビルディングがそこにあった。
でも、博物館の展示自体は、非常に面白くて、期待を裏切らなかった。(オススメです。)
その帰り、上野で巨大な絵本市が開催されていたので、息子とふらふらしながら物色したのだが、そのとき、我々の目にとまったのが長谷川集平のコーナーでした。
「なんじゃあ、こりゃぁあ??」
まったく、道徳的なことやら、常識的な絵本の枠組みを無視した、へんてこな作品なのである。
作者の長谷川集平さんの頭の中は、いまだにオトコノコが生き続けていて、いたずらを考えたり、制御不能の暴走をはじめたりしているのでしょう。
ところで、『パイルドライバー』という危険なプロレス技を題名にしたワケはなんだと思いますか?
それは、この絵本の主人公ブンくんが、エッちゃんという同級生に恋をするからなんです。恋は危険だ。ダイナマイトだ!
エッちゃんの卍固めや、腕ひしぎ逆十字固め、そしてもちろんパイルドライバーが炸裂するシーン、かなり見物です。
そういえば、プロレス大好き少年だった私が、その情熱をぶり返しそうになった本に出会いました。
サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍 (白夜ライブラリー001) (白夜ライブラリー 1)著者:菊地 成孔
販売元:白夜書房
発売日:2008-07-23
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この菊地成孔さんはミュージシャンであり、マイルスデイビスについての批評本も出している注目のひとです。(すごく変人ですけど)
菊地さんは、熱烈な格闘技ファンなのだが、どういうわけか5年間だけ格闘技から遠ざかった空白期間があった。その空白期間が解凍する経過を記した部分がある‥
まるで恋が冷めるようにして(とはいえその恋は30年以上にわたる熱烈なものだったのだが)、或いはホルマリンを嗅がされたようにして僕は眠ってしまい、5年後の今日、大晦日の朝に起こされたのである。
何故そんなことになったのかは正直なところ僕自身にもわからない。「チョークスリーパー」という、当時を象徴する流行技が、何かを通じて僕にかかってしまったのかもしれない。だとしたら、誰がそれをかけ、はずしたのだろうか。
ここを読んだだけでも、『パイルドライバー』同様、プロレス技と恋愛に相関関係があるらしいことが、よくわかるでしょ??
言うまでもないけど、僕は女の子に顔を殴られたことは一度や二度じゃない。カラス口とかいうイラストの道具で後頭部を刺されたこともある(苦笑)。
とういうところもブンくんみたいだ。
格闘技好きのお父ちゃん、ぜひ読んでみて。
ティム・バートン『ビッグフィッシュ』は、全国の絵本読み聞かせホラ吹きオヤジ必見の傑作だ!
監督:ティム・バートン
収録時間:125分
レンタル開始日:2004-10-27
Story
『PLANET OF THE APES 猿の惑星』のティム・バートン監督が贈る心暖まるファンタジードラマ。妻と暮らすウィルはホラ吹きの父と喧嘩して以来、不和が続いていた。そんなある日、彼は父の病状が悪化したことを知る。(詳細こちら)
ティム・バートンの『ビッグフィッシュ』を、どうしても家族と見たいと思っていた。
自分としても、数年前、映画館で観てからというもの、もう一度その素晴らしさを確認する必要があった。
この映画は、父親と息子の「ホラ話」伝承が主題だ。
寝る前、父親が幼い息子にオリジナルのホラ話をベッドで語り聞かせる。
ワクワクドキドキの奇妙奇天烈なそのホラ話は、語る父親の話術の巧みさだけでなく、人間の懐の深さ、たどってきた人生の豊かさが滲み出る。(そんなホラ話をいくつも繋ぎ合わせてひとつの映画に編集するティム・バートン組の技術には、ただただ圧倒される。ホント‥)
ところが、器量の狭い?息子殿は成長するにつれ、そんな魅力的なホラ話が許せなくなってしまう。
ホラ話が許せないということは、ホラ話そのものである父親を受け入れることができないということでもある。
それがこの映画の葛藤なのだ。
しかし、ティム・バートン曰く
人生には、事実と虚構が重なり合うときがあるものだよ
との深いお言葉。まったくの現実やまったくの真実なんて、それ自体がフィクションにすぎない。
だから、フィクション=ホラ話を肯定的にとらえるかどうかが、人間の豊かさを決めるのでは? なんちゃって。
ティム・バートン先生も、メイキングビデオで、神話やおとぎ話の重要性について語っていたのでした。
全国の絵本読み聞かせ父ちゃん、盛大にホラ吹きましょうか!
「お前さんが産まれるときは、そりゃあ大変だったさ。なかなか出てこないもんだから、300人の看護婦が綱引きみたいにお前さんの足を引っ張って、うんとこしょどっこいしょって‥‥」
さとうわきこ『せんたくかあちゃん」の深層心理って、いったいどうなってんだ?
せんたくかあちゃん(こどものとも絵本) (こどものとも傑作集 (54))著者:さとう わきこ
販売元:福音館書店
発売日:1982-08-31
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せんたくかあちゃんは、世の中のものならなんでも洗濯してしまう。
洋服、下着はもちろん、時計やねずみや傘や靴や、はてまて自分の子供まで洗濯する。
しかも、森の中にせんたくひもをクモの巣状に張り渡し、洗い上げたものを、なにからなにまでぶら下げて干してしまう。(もちろん、子供も素っ裸のまま、洗濯バサミでぶら下げられる。)
いったい、なにが彼女をそこまで洗濯に駆り立てるのか?
潔癖性?強迫神経症?性的異常者による収集癖?
いやいや、彼女にそんな病的な感じはなく、むしろカラリとしている。
言ってみれば、人間を超えた仕事完遂能力があるのだ。
それは、母性というよりも、
制御不能になった洗濯ロボットというべき徹底ぶりだ。
ところで、この絵本には「鬼」が出てくる。
かあちゃんに簡単にやられてしまうのだが、
「鬼」が出てくると、絵本でも2歳の次男は怖がる。
(怖くてもすぐに、「もういっかい読んで」とせがむけどね。)
「鬼」ってなんだろう?なぜ「恐怖」を感じるのか?
最近、「鬼」について考えさせられる本を読んだ。
怨霊になった天皇著者:竹田 恒泰
販売元:小学館
発売日:2009-01-30
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失意のうちに憤死した貴人たちが、怨霊(魔王、天狗、鬼)となって祟りを発動し、生きるものを恐怖のどん底に落とし込んだ歴史を振り返る‥‥という、事実とフィクションがごちゃ混ぜになったような本だ。
太宰府で、今は学問の神様として信仰されている菅原道真も、失意のうちに憤死し、鬼(雷神)となって藤原時平に襲いかかったそうな。
筆者によると、
もともとは「物の怪」を総じて鬼(「鬼」と書いて「もの」と読んでいた)と考えていた
現在の日本には、鬼や天狗、そして怨霊や妖怪たちが足りない。そしてそれは死者と大自然への畏敬の念が足りないことにほかならない。現代人が、本書で示してきた「本当にあった恐怖の物語」を認識することは、日本社会が忘れてきた、日本人にとって大切なことを気づかせてくれると思うのである。
『せんたくかあちゃん』には、それほど恐ろしい鬼が出てくるわけではないが、絵本に「鬼」が登場するのはホントに貴重なことなんだと思う。
「鬼」について語るなんて、いまや絵本を読み聞かせている時くらいしかないものね。
荒井良二『バスにのって』は、お父ちゃんのバックパッカー時代を思い起こさせる
バスにのって著者:荒井 良二
販売元:偕成社
発売日:1992-05
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『バスにのって』は、なにも起こらない絵本だ。
旅人が、ただただバスを待っている。
しかし、バスはいっこうに来ない。(題名は『バスにのって』のはずなのに、バスには乗ることができない)
そうは言っても、バスがほんとうに来ないわけではない。(そういう意味では、ベケットの『ゴドーを待ちながら』のような哲学的な 重さもない)
言ってみれば『バスにのって』は、バックパッカーの日常のような、すがすがしさがある。
ここでは、移動することだけが目的なのだ。観光には興味がない。
話は変わるが、「旅」は頭を良くするらしい。
海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (ほぼ日ブックス)著者:池谷 裕二
販売元:朝日出版社
発売日:2002-07-10
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『海馬』~脳は疲れない~ 池谷裕二 糸井重里著によると、
旅が頭をよくするという可能性はありえる。
海馬にとって一番刺激になるのがまさに「空間の情報」なのです。
ここから部屋の隅に移動するというだけでも、空間的な概念が海馬に刺激を与える。
おもしろいことに、実際には動かなくても、頭の中で移動を刺激するだけでもちゃんと刺激になる。
まあ、べつに、だからってわけではなく、この絵本は長男に幾度となくリクエストされて、読み聞かせた。
そして、現在は2歳の次男がリクエストするようになった。
お父ちゃんは、あぐらをかいて、そのうえに子供が座る、というスタイルで読むと、エセバーチャルリアリティーのシートのようになる。
馬が通り過ぎると、パッカパッカと、シート(わたし)が揺れ、
トラックが通過すると、ゴぉーッと振動する。
自転車がやってくると、チリンチリンと効果音が鳴る。
そして、バスがとうとう現れる瞬間は、シートごとひっくり返って、バス(絵本だけど)が、子供の顔に衝突するほど接近する。
そんな読み聞かせを飽きずに繰り返せるのは、私のバックパッカー時代の記憶をくすぐるものがあるからではないか。
なんだか、モロッコ旅行を思い出させる本なのだ。
水木しげる『妖怪画談』でコドモのイマジネーション100倍アップ
大きなマスクをした女が薄暗がりに立っていて、通りがかりの者に振り向きざまにつぶやくように言う。
「ねえ、私、きれい?」
マスクをはずすと、そこには耳まで裂けた大きな口があった。
口裂け女って、怖いですか?
いま、妖怪としてどのくらい存在感がありますか?
先日、TVで水木しげる先生が口裂け女について語っていました。
戦後の食べ物もなく、飢えてギラギラした時勢には、口裂け女はいつ現れてもおかしくないほどリアリティーがあったとのこと。
彼女はなぜ現れるのか?
口裂け女とは、過酷な時代において、「生きるか死ぬか」を問いかける妖怪ではないでしょうか。
そうすると、口裂け女がふたたび出現する日は近いかもしれません。
水木しげる『愛蔵版 妖怪画談』には、深い問いかけを持った妖怪から、ただただ可愛らしい妖怪、意味不明な妖怪まで、どっさり集めてあります。
「ぬらりひょん」「こなきじじい」などのスター妖怪はもちろん、風呂桶の掃除をしないと夜中に現れ、垢を舐める「あかなめ」など、子供のイマジネーションを刺激するキャラクター満載。
我が家では時折、この本を子供と一緒に眺めながら、「妖怪教育」をするのです。
特に地獄の絵がとても怖くていいです。
「ウソをついたら地獄で閻魔様に舌をぬかれるぞぉ!」
愛蔵版 妖怪画談
著者:水木 しげる
販売元:岩波書店
発売日:2002-03-08
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「ねえ、私、きれい?」
マスクをはずすと、そこには耳まで裂けた大きな口があった。
口裂け女って、怖いですか?
いま、妖怪としてどのくらい存在感がありますか?
先日、TVで水木しげる先生が口裂け女について語っていました。
戦後の食べ物もなく、飢えてギラギラした時勢には、口裂け女はいつ現れてもおかしくないほどリアリティーがあったとのこと。
彼女はなぜ現れるのか?
口裂け女とは、過酷な時代において、「生きるか死ぬか」を問いかける妖怪ではないでしょうか。
そうすると、口裂け女がふたたび出現する日は近いかもしれません。
水木しげる『愛蔵版 妖怪画談』には、深い問いかけを持った妖怪から、ただただ可愛らしい妖怪、意味不明な妖怪まで、どっさり集めてあります。
「ぬらりひょん」「こなきじじい」などのスター妖怪はもちろん、風呂桶の掃除をしないと夜中に現れ、垢を舐める「あかなめ」など、子供のイマジネーションを刺激するキャラクター満載。
我が家では時折、この本を子供と一緒に眺めながら、「妖怪教育」をするのです。
特に地獄の絵がとても怖くていいです。
「ウソをついたら地獄で閻魔様に舌をぬかれるぞぉ!」
愛蔵版 妖怪画談著者:水木 しげる
販売元:岩波書店
発売日:2002-03-08
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『ジャリおじさん』のウルトラマリンブルーは脳に効く!
その絵本を開くと、海の青が溢れ出す。ウルトラマリンブルー!
冷たく速い波がうねり、上空の大気でエレキギターが反響する。
ジャーン!!ギュワワーン!!!キュイーィィン! ???
ある冬、自由が丘の青山ブックセンターで、初めて大竹伸朗さんの 『ジャリおじさん』に出会ったとき、ホントに衝撃をくらった。
脳に直接、色や音が流れ込んできたようで、 呆然。しばらく立ちすくんだ後、ようやくレジに向かったのでした。
絵本のテーマは、「旅」でしょうか?(ムズカシくいうと自己探求の)。大竹伸朗さんの好きなモロッコを想起させる風景が展開していきます。
まさにモロッコの脳内仮想旅行が、ヴィヴィットに体験できます。
「こんなヘンなのコドモに読ませていいの?」という失礼な友人もいましたが、もちろんいーんです!息子たちも結構、気に入りましたよ。
冷たく速い波がうねり、上空の大気でエレキギターが反響する。
ジャーン!!ギュワワーン!!!キュイーィィン! ???
ある冬、自由が丘の青山ブックセンターで、初めて大竹伸朗さんの 『ジャリおじさん』に出会ったとき、ホントに衝撃をくらった。
脳に直接、色や音が流れ込んできたようで、 呆然。しばらく立ちすくんだ後、ようやくレジに向かったのでした。
絵本のテーマは、「旅」でしょうか?(ムズカシくいうと自己探求の)。大竹伸朗さんの好きなモロッコを想起させる風景が展開していきます。
まさにモロッコの脳内仮想旅行が、ヴィヴィットに体験できます。
「こんなヘンなのコドモに読ませていいの?」という失礼な友人もいましたが、もちろんいーんです!息子たちも結構、気に入りましたよ。

ジャリおじさん (日本傑作絵本シリーズ)著者:大竹 伸朗
販売元:福音館書店
発売日:1994-11
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