DVD
僕が4年ほど前に見た映画の話をします。
と言っても、映画館で観たわけではなく、BS放送で見たのですが、
それは、宮沢賢治原作の『銀河鉄道の夜』しかもかなり古いアニメ映画です。
夜11時くらいからやっていて、うとうとしながら(途中何回か寝ました)観ていたのですが、非常に印象に残る映画でした。何回か寝たので断片的にしか観ていませんでしたが、原作は知っていたので、話は分かりました。
半年くらい前、ふとその映画のことを思い出し、観てみました。
話の内容はいいか悪いか判断できないのですが、映像、音楽、作品全体に漂う重く不思議な雰囲気など秀逸でした。大好きな映画となりました。
特に音楽があまりにもマッチしすぎていて、調べてみると元YMOの細野晴臣さんでした。
なるほど、あ~なるほど、あぁなるほど、あぁなるほど
すごく納得しました。次にサントラも買いました。たまに聞いています。
あの映画は、ハラハラする場面もなく、派手さも、恋愛要素もアクション要素もないですし、観ていると眠っていしまいそうになりますが、何故かいい。
僕が好きな場面は
鳥を捕る人がサギ(鳥)を捕まえるところ
天国でドヴォルザーク交響曲が流れるところ
などなど他にもたくさんあります。
僕が天寿を全うした時には葬式で『鳥を捕る人』を流してもらいたいほどにあの曲が好きです。
昭和16年夏の敗戦
猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』についての感想を書きます。
この本は少し前の国会討論にて石破茂さんが言及していたもので興味がわいて読んでみました。
あらすじ
日米戦争開戦の7か月前、現在の首相官邸の裏あたりに、総力戦研究所という施設が開設した。
そこには全国から将来を有望視される官僚、軍人、銀行員、果てはマスコミ等様々な分野で活躍する比較的若年のエリートたち20人余りが集められた。
彼らは総力戦研究所で、日米が戦えばその結果はどのようになるのか、またその過程を、各々が専門とする観点を結集させシミュレートした。その結果は実際の結果とほぼ変わらないものであり、彼らは広島、長崎への原爆投下以外ほぼ的中させた。
彼らは自分たちの研究成果を開戦前に軍の幹部や閣僚の前で発表するが、戦争に向かう日本を止めることはできなかった。
感想
上ではさらっとあらすじだけ書きましたが、この本は総力戦研究所に関する事柄以外にも、なぜ日本が戦争に踏み切ったのか、学校の歴史の教科書ではぼかされていた部分が書かれており、近代史を知るためにも重要な文献であると思います。この点だけをとっても非常に価値ある本だと思いますが、メインテーマとしては日本人の意思決定を取り扱っています。
総力戦研究所所員が出したシミュレーションの結果では日本は必敗、それを軍部や閣僚は知りつつ、さらに、天皇陛下をはじめ戦争に反対する一派も多数おり、国力の差で日本はアメリカに対して大きなビハインドがあることもほとんどの人が常識的に分かっていたにもかかわらず、戦争を始めてしまった。
これに、日本人が今も昔も持ち続ける意思決定の方法を見ている。その方法は、分かりやすく言うと空気で物事を決めてしまうということです。日本が負けることは、石油の保有量などの数字から見ても明らかでした。数字は通常は客観的なものであり、その石油等の計算書もまた客観的なものでした。しかし、その計算書が出るころには、全員が戦争が始まるのは仕方がないと感じており、計算書を見てもその場の空気を変えるどころか、逆に後押しする形に使われてしまいました。
主観によって客観性、普遍性が捻じ曲げられると言うのは、良くないことだと思います。全ての原因とは言いませんが、それで戦争まで引き起こしてしまったんですから。
僕は空気を読むというのは人付き合いの上では重要なことだと思います。集団でいる場合は、その空気を壊してまで自分の意思を突き通すということは、やめた方がいいケースが多いとは思いますが、自分ひとりで何かを決意する場合は、まず自分で作ってしまった空気、例えば固定概念や偏見、思い込みみたいなものを取っ払って、確かな事実に基づいて答えを導き出す必要もありそうですね。まあ、そんなに単純な問題でもないとも思いますが、考え方の一つとして絶対もっておいた方がいいとは思います。

