5月から不登校になった娘。
ほぼ毎日泣いて、その日どうするか決まるまでは、不機嫌で不安定な娘でした。

 そんな娘に変化があらわれたのは、7月。

 今までは、
行けない理由がわからない
怖い
行きたくない
授業がうるさい

などなど毎日理由をつけて、学校から逃げていた。

 でもある日、
お母さん、○○が学校に行けないのは、○○が弱いからなんだよ
と。

 弱いの?と聞くと、うん、逃げているだけだから○○は弱い、と。

 そっかー、弱いのかー、でも弱い○○もお母さんは大好きだよ!
虫に触れるし、強いところもあるよー、と訳の分からない返事をしてしまいました。

 夜、仕事から帰ってきた旦那にその話をすると、
自分の弱さに気付いたのなら、何かが変わるかも、と。

 それがある金曜日の夜でした。





 私は思えなかった。
娘が完全に、学校に行かない、と宣言したら、思うしかなかったと思うが、娘もそこまでの覚悟はなかったようだった。

 行きたいのに行けない
 行きたくない
 行きたいけど怖い
 行きたくない

 そんな繰り返しの毎日。

 私は、行きたいけど、があるうちは諦められなかった。
 中3の大切な時期に休み、今まで高校受検のために頑張ってきたこと、それが水の泡になるかもしれない、それで良いのか?

 いま学校に行こうと声をかけて、行かせたら、娘に恨まれるかもしれない。
もう信じてもらえないかもしれない。
そうも考えた。

 でも、いまの娘に恨まれても、未来の娘には、あの時行ってよかった、と思ってもらえるかもしれない。

 命の大切さ、娘の大切さ、大好きなことをきちんと伝わるようにしながら、私は憎まれ役にもなった。

 行きたい気持ちがあった娘には、それがよかったようだ。

 けんかもした、不安にもなった、一緒に泣いた、本当にいろいろあった、

 向き合ってよかった。

 


 不登校になったとき、今まで頑張ってきたから、不機嫌だろうが、八つ当たりされようが、すべてを受け入れてあげるのが良いのか。

 不登校といつもの生活とは関係ないから、だめなことはだめ、と伝え、いつも通り厳しさを持って接するべきか。

 不登校の本や気持ちを学ぶことが出来るものはたくさんあった。
 でも娘の取り扱い説明書はないし、私が見つめて接してきた娘が、知らない部分があったとしても、それが合っていると思った。

 だから私は本などで学ばなかった。
スクールカウンセラーとも話さなかった。

 ただただ娘とだけ、家族とだけ向き合った。

 不機嫌な時は、まずは火に油を注がないよう見守るけど、落ち着いた時に、自分の機嫌は少しずつ自分で取れるようにしよう、と話した。

 お母さんが不機嫌で、意味もなく娘に強く当たったら娘も嫌でしょう?、と。

 反抗期や不登校の不安定な気持ちもあるから、受け入れることの方が多かったけど、八つ当たりの10回に1回、次は2回、と増やして、こちらの思いも伝えるようにした。

 お母さんは○○の気持ちなんかわからない、と叫ばれたときは、冷静に、
そうだね、わからないと思う、
でも
こんなふうに思っているのかな、こんなことに怒って、あんなことが不安で、だからそういう態度になるのかな、

と、親として見つめて思ったこと、泣いている娘に伝えました。

 黙って泣きながら聞いていた娘。

 思っていたより○○の気持ち、わかっていてくれてるんだね。考えてくれているんだね。

 そう言ってくれた。

 その日から、娘は、ちょっと部屋にこもる、落ち着いたら降りてくるから、
と、不機嫌な気持ちと少しずつ向き合い、自分の中で消化しようとしたり、落ち着いてから、思いや考えを少し優しく話せるようになった。