“舟を編む”
前々から読みたくて、ブックオフに行った時に見つけて即買いした本を、今回はご紹介します!
とは言え、読んだ人も多いだろうし、映画化もされてるから、俺はかなり後乗りです…。
三浦しをんの“舟を編む”です。
最初はタイトルの意味もわかんないし、勉強不足で作者の三浦しをんも知らなかったから、ヒットしてるって知っててもあんまり興味なかった。
でも、主人公が辞書作りをしてるってのと、CMでチラッと本編が流れ主人公が「右」の説明を「体を北に向けた時の東」と説明してるのを観て、興味持っちゃいました。
さて内容は、出版社に勤める変わり者の主人公・馬締光也(まじめみつや)が「大渡海」という辞書作りに携わるって話。
面白いのが、馬締が中心なのは変わりないんだけど、色んな人の目線で話が進んでいくところ。
最初は、馬締を辞書作りにスカウトした・荒木目線。
次に、主人公・馬締目線。
次が、馬締と同期入社した、性格も見た目も違う軽い男・西岡目線。
物語が進んでいき、馬締の部下になる、元ファッション雑誌を作っていた女性・岸辺目線。
そして、最後に馬締目線に戻ってくる。
変わり者の馬締にみんな最初は戸惑うんだけど、馬締の辞書に対する熱意を間近に見ていて、徐々にみんなが変わっていくんだねぇ。
あと、忘れちゃならないのが馬締と同じ下宿に引っ越してくるヒロインの香具矢(かぐや)。
もう映画の影響からか、宮崎あおいを想像しながら読んでったんだけど、香具矢もイイのよねぇ~。
しかも、馬締と香具矢の恋愛がメインじゃないから、本編のスパイスになっていてバランスが丁度良い。
本編はあくまでも、辞書作り。
辞書作りの話だから、日本語について色々勉強になるのよ。
例えば「あがる」と「のぼる」の違い。
普段、何の気なしに使ってるけど、確かに何が違うんだ?
この“舟を編む”では…
「あがる」は、目的に重点を置く事と言っている。要は「あがってお茶でも飲んでいって。」は、お茶を飲む事が目的で、そこに行く行程はさほど重要ではないと言う事。
逆に「のぼる」は、そこに行くまでの行程が重要視されるとされている。「富士山にのぼる」。これは、富士山にのぼる行程が大事で、頂上に行く事だけが全てではない…って事かな。
まっ、俺の説明が下手くそなんだけど…。
学生時代、勉強が嫌いで勉強しなかったから、こんな歳になって知識欲ってのが出てきちゃって、知らない事を知る楽しさがこの本には詰まってる、特に「言葉」については…。
だから、タイトルの「舟を編む」も最初は意味がわかんなかったけど「編む」ってのは“いろいろな文章を集めて書物を作る”って意味があって、辞書作りの事。
「舟」は言葉という海を、辞書という舟で渡るという事。
だから「言葉の海を渡る舟(辞書)を作る。」という意味になる。
なんか意味を知ると素敵なタイトルだなぁ~って思うよね。
そんな言葉のお勉強にもなるし、馬締の愛すべきキャラクターとそれを取り巻く魅力的な人々のお話。
俺は読み始めてすぐに「おっ、良い本に出会ったな!」と思いました。
よかったら、読書の参考にしてください。