いつも、エコノミライ研究所のブログをご覧下さり、誠にありがとうございます。
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電気自動車EV(Electric Viecle)の普及・促進を第1目標として掲げ、2015年2月16日から活動開始をしています。
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エコノミライ研究所は、カーライフのEVシフトを、推奨しています。
推奨するに至った切欠は、2011年3月12日の福島第一原発メルトダウン事故により、従来からの原油・天然ガス依存問題だけでなく、原子力エネルギー依存問題も顕在化し、我が国のエネルギー問題が、深刻な局面に立たされているからです。
<ひと>や<もの>の移動手段である自動車を動かすためのエネルギー消費を節約できれば、
その節約されたエネルギーを、<ひと>にとっての他の生活手段へと充当することが可能となり、限られた資源を1秒でも長く利用することへと結びつきます。
このことに加えて、再生可能エネルギー社会が更に浸透すれば、<ひと>地球との共存関係は良好となり、地球環境の安定化にも寄与すると考えます。
エコノミライ研究所が考える、「カーライフのEV化推進と地球環境との共生」というビジョンに親和性のある世界が、
「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」様が生み出し続けている、数々の
NEDOプロジェクト
であることに気づきましたので、NEDO様の御了解の元、目下、100件の公開済のプロジェクトを紹介させて戴きました。
とはいえ、週に1件だけの紹介に止めましたので、都合、100週間もの「刻(とき)を超えて」しましました。
第1回目の紹介は、実に2年前のもので、NEDOさんとしても公開から10年以上もの歳月が経過しています。
そこで、先回より、エコノミライ研究所が掲げる、上述した「ビジョン」と親和性のあるプロジェクトに絞り、
[再掲]
というスタイルで、再び、お届けし始めています。
ただ、全てを再掲することは、エコノミライ研究所の掲げる上記ビジョンとの整合性に、ズレが生じてしまいますから、関連性のある記事のみを抜粋させて戴きます。
つきましては、医薬品関連などのプロジェクトにつきましては、再掲を差し控えさせて戴くことを、お許し下さい。
また、先回もお伝えしましたが、NEDO実用化プロジェクトで公開されているプロジェクトは、100件を超えましたので、当該超えたプロジェクトの記事化が出来次第、挿入の形となりますが、お届けしたいと思います。
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それでは、NEDO実用化プロジェクトの[再掲]記事を、ご覧頂くこととなります。
今回[再掲]致します記事は、
【NEDO実用化ドキュメント009】太陽電池市場の有望技術「新ハイブリッド」型太陽電池(NEDO実用化プロジェクト2009年3月公開記事)
です。
選定理由は、次のとおりです。
太陽電池を自動車の屋根など、陽の当たる部分に設置することで電動モーターのエネルギーとなる電気を発電することで走ることのできる、
ソーラーカー
がブームとなった時期がありました。しかしながら、不思議なことに、突然のように、このブームは下火となり、芦屋大学様などが日々鍛錬を続けて居られる、チームレースで速さを競う競技用車両の発達や、トヨタ・プリウスPHVなどの屋根に搭載される程度に留まる実用性しか実績が残っていません。
実は、2億年程度もの「時」が経てば、太陽は膨張し、地球との距離が狭まり、地球環境は猛烈な暑さで生物の存続が必ずしも安泰ではなくなるのですが、
人類社会が始まり、数百万年に過ぎないことを鑑みれば、最低でも、もう数百万年の人類反映を保障するためにも、再生可能エネルギー生産手段に関するテクノロジーは、必要不可欠です。
2020年段階での、太陽光発電の発電効率は、研究レベルでは、40%台となる発電パネルもあるようですが、家庭用発電パネルの主流は、高額・高効率な製品で20%台であり、このような発電効率では、ソーラーカーレースでは、とても使い物にはならないと云われます。
(2018年11月、エコ&セーフティカーライフ神戸にて、M先生へのインタビューにより聞き取れたお話に基づく。)
<参考:ウィキペディア「太陽電池」>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%9B%BB%E6%B1%A0
太陽電池の性能向上が実現すれば、リチウムイオン電池など二次電池の性能向上を待つまでもなく、EVの走行可能距離を延長させることも可能なのですから、この方面での性能向上は、
「クルマのミライ」
においても、必須要素であると言えます。
以上のような理由で、
エコノミライ研究所のブログ掲載に相応しい記事であるという判断をさせて戴きました。
それでは、記事をご覧下さい。
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・・・・・以下、再掲記事・・・・・
9、新エネルギー_太陽光発電システム普及加速型技術開発_太陽電池市場の有望技術「新ハイブリッド」型太陽電池_株式会社カネカ_取材:March2009:http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/200809kaneka/index.html
加速する太陽電池の普及
私たちがこれから築き上げていかなければならない低炭素社会において、化石燃料に代わるエネルギー源として期待されているのが太陽電池です。ほとんど無限に等しい太陽光エネルギーを使った発電は、環境に配慮した持続可能な社会の象徴として大きな注目を集めています。2007年の太陽電池生産量は、日本は911MW*、世界全体では、約4000MWに達しています。2003年以降は年率30%~50%の急激な伸び率を示し、それは今後も続くと予想されています。とくに、多くの国で太陽電池導入に優遇措置がとられている欧州では、その伸びはめざましく、2007年には、これまでトップを走ってきた日本の生産量を追い抜きました。(*出典:PV Report 2008)
日本でも太陽光発電の導入量を大幅に増やすとの方針の下、2009年から、家庭用太陽光発電の設置に関わる補助金が復活しました。また、都道府県や市区町村から助成が受けられる場合もあり、東京都杉並区を例にとると、1kWあたり60~70万円といわれる設置費用のうち、国7万円、都10万円、区5万円、合計22万円の補助金を受け取ることができるのです。
こうした太陽電池市場の規模拡大が期待される中、株式会社カネカは、社をあげて太陽電池開発に力を注ぎ、独自の技術を盛り込んだ「新ハイブリッド」太陽電池モジュールの開発に成功しました。これは、「アモルファス」と「薄膜多結晶」という太陽電池の2つの代表的な技術を高いレベルで融合させたものです。
NEDOとともに歩んだ太陽電池開発
太陽電池に使われる材料には大きく分けて2つ、アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコン*があります。アモルファスシリコンは波長の短い青い光(300~600nm)を、薄膜多結晶シリコンは波長の長い赤色の光(600~1100 nm)を効率よく吸収します。
有効な波長域や使用条件が異なるこの2つの長所を生かすために開発されたのが、アモルファスと薄膜多結晶を積み重ねたタンデム型の太陽電池です。カネカの「新ハイブリッド」型太陽電池は、さらにこの2層の間に透明中間層をはさみ込むことで、単に積み重ねただけのタンデム型を上回る変換効率を達成したので す。
カネカの太陽電池開発は、NEDOプロジェクトと共にあったといっても過言ではありません。始まりは1987年、カネカはNEDOの支援を受けて太陽電池の研究開発に着手。アモルファス、薄膜多結晶、タンデム型と順調に成果をあげる間もNEDOとの二人三脚は続きました。
2001年、これらの研究成果を受け、事業化に向けて髙橋武良さん(現生産技術本部生産技術研究所プロセス開発グループ上席幹部)が生産設備開発プロジェクトリーダーに指名されます。「本社に呼ばれて『何とかせい』と言われたんです」と髙橋さん。高橋さんはそれまで2つの大きなプロジェクトを成功させており、その手腕を買われ社運をかけた事業に取り組むことになったのです。
また、研究の立場からは福田 丞(すすむ)さん(現 ソーラーエネルギー事業部デバイス開発グループ研究チームリーダー)が加わり、ここから事業化に向けて一気に加速します。2005年に「新ハイブリッド」型太陽電池が完成し、その後、本生産に向けた実機評価を終え、2007年にはついに市場に出ることになったのです。
*アモルファスと多結晶は、原子の並び方が異なる。多結晶は原子が規則正しく並んでいるのに対して、アモルファスは原子が無秩序に並んでいる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「
※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。
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