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今回は、エラスティック(顎間ゴム)の意味について書きます。
エラスティックは、歯列矯正において非常に重要な役割をします。
歯を動かすことはもとより、対顎(上下反対側の顎)を歯を動かすための固定源として利用する顎間固定のため、或いは顎の位置の補正や成長発育の誘導、緊密な噛み合わせを獲得するなど、多くの目的があります。
わずか数ミリであっても、違う場所にゴムをかけただけで、ゴムの作用は全く異なります。
ゴムのかけ方の違いによって、その目的は全く異なる。上顎の犬歯にゴムをかけると、犬歯の後方移動が起こり、フックにゴムをかけると、前歯4本の後方移動が起こる。
エラスティックは、かけ方によって歯や顎にかかる力のベクトルが異なり、力の水平成分と垂直成分をうまく使い分けるようにゴムをかける部位を設定しています。
一般的に、水平ゴムでは、歯そのものの移動や顎の位置の誘導、正中合わせ、固定源の強化などを行い、垂直ゴムでは、噛み合わせ高さや前歯の被蓋(ひがい;上下的な重なり)の調整、噛み合わせの緊密化、歯の頬舌的な移動などを行います。
したがって、ゴムの位置や使い方を誤ると、思わぬ方向に歯が動いたり、全く意図しない作用を生ずるので、くれぐれもエラスティックのかけ方を間違えないようにしましょう。