♪ 物語を作りましょう
あなたと私の二人で~♪
画像を、クリックすると少し大きな絵が見られます。
アフリカの伝承民話『キリクと魔女』 を、色鮮やかな画面で映し出したミッシェル・オスロ監督が、続いて発表した作品は、美しい影絵の世界だった。もともとは”Chine si(もしもの映画)”というテレビシリーズとして製作されたものから、ベスト版として6話をチョイスしたものが本作品の『プリンス & プリンセス』 だ。
第1話の『プリンセスとダイアモンド』 が一番好き。呪いをかけられたお姫様が閉じ込められた神殿、忌まわしくも美しいことといったら!本当は閉じ込められたそのお姫様をトップのイラストに描きたかったけど、キレイな神殿を描くのがしんどそうだったので、断念した。
{おはなし}
2人の王子が草原を歩いている。後ろからついてくる王子は、足元の蟻に注意を払いながら歩みをすすめる。先に進んだ王子が道に落ちているダイヤを見つけて拾い上げると、突如、神殿が現れる。中には動きを封じられた美しい姫が、魔物に囚われていた。
姫は「私が持っている砂時計の砂が全て零れ落ちる前に、草むらに落ちている111個のダイヤモンドを全て拾い集めて首飾りにして首にかけてほしい。そうすれば私の呪いはとける」と言う。まず試みた王子は時間内に集めることが出来ずに蟻に姿を変えられてしまう。その様子を見ていたもう一人の王子は、姫が止めるのを聞かずにこの賭けに挑戦しようとするが、やはり集めることができない。あきらめかけたそのときに奇跡が起こった。
第2話の『少年といちじく』 は、エジプトのピラミッドの壁画のようなエッセンスが含まれた影絵で、第1話に比べて絵がかなりスッキリとした印象だ。
{おはなし}
舞台はファラオが統治する古代エジプト。心優しき少年が女王のために季節外れの無花果を奉仕する。その味の美味しさに女王は喜び、多くの褒美を出す。それから少年は毎日、熟れた無花果を奉仕しては豪華な褒美をいただく。そんな少年に行政官は嫉妬し、褒美を横取りしようと企む。
この話については、最後に「この書簡を持ってきた者の首をはねよ」と命令しておきながら、翌日少年がやってこないことにひどく悲しむ女王の考えが、よく分からない・・・。
第3話の『魔女』 は、魔女の棲む城が凝っている。城の中に咲く花は、押し花からインスピレーションを受けたのかな。
{おはなし}
中世のある国。魔女を退治すれば姫の婿に迎えられると言われて、国の男たちは決起するが、場外からどんなに攻撃をしても頑丈な城壁に弾かれてしまう。国の男たちの様子を伺っていた主人公の少年は、魔女の城の門を叩き、あっさりと入城してみせる。
なんとなく『キリク』を思い起こされるお話。
第4話の『泥棒と老婆』 は、監督が好きだという葛飾北斎の浮世絵からイメージしたと思われる。赤富士もモチーフとして登場している。
{おはなし}
江戸時代の日本。肩掛けを掛けた老婆がひとり夜道を歩くと、後ろからやってきた男が老婆に優しげに声をかける。力自慢をした男が老婆を背負い、人気のないところへ出た途端、態度を一変させ、老婆から肩掛けを奪おうとする。だが、老婆も負けずに健脚で男の胸を締め付け、逆に脅し返す。老婆はそのまま男から降りようとはせず、男と老婆はこのまま一夜を過ごすことになる。
第5話は遠い未来を舞台にした『冷酷なプリンセス』 。カッキンと尖った髪型がプリンセスの冷酷さと未来を表しているのか。ウタドリのもっさりとした風体は「イマイチ」だと思っていたが、お話の結末を知ってちょっと納得した。でもやっぱり、もう少しスマートな風体にしてほしいな。あんなにキレイな声(口笛?)なんだからさ。
{おはなし}
男を次々とレーダー光線で殺していく冷酷なプリンセスは、不思議なウタドリの声に魅了される。ウタドリを譲ってくれと飼い主の男に命じると、男はそれを「僕と結婚するか、僕を殺すか」と賭けを持ち出す。日没までに飼い主の男を見つけて殺そうとレーダーを作動させるプリンセス。だが、レーダーは見つけられずに「男は自殺をしてしまった」とプリンセスは泣き出す。実はプリンセスは孤独に耐えかねていたのだった。ウタドリの前に泣き崩れたプリンセスの耳に、飼い主の男の声が聞こえてきた。
表題でもある第6話の『プリンス & プリンセス』 を、上のイラストで描いてみた。これってベクター線で描くのが一番キレイなんだろうけど、私はそのアプリケーションソフトを使うのが苦手なので、ドット絵にしてみた。これはこれで、色がキレーよね。ね?(と、同意を求める)
{おはなし}
ヨーロッパのおとぎばなしに出てくるような、とある庭園での話。王子と姫は結婚が決まって、お互いに永遠の愛を誓い合う。だがキスを交わすと、王子の姿はヒキガエルに変身してしまう。「ヒキガエルなんて嫌だ!」という姫に、なんとかお願いしてもう一度キスをしてもらうと、今度は姫がナメクジの姿になってしまう。「吐き気がする」と王子が言いながらもう一度キスをすると、再び王子の姿が変わり蝶になり、続いて姫はカマキリに・・・。
こうしてキスを繰り返しては様々な昆虫や動物に姿を変える2人は、いつのまにかお互いへの愛情を忘れて、利己的な態度を見せ始める。
***
この映画では、キャラクターの顔がアップになるところがたまにあるが、ズームインするよりもズームアウトして常に繊細な背景を映しこむ方がいいな。アップのシーンのほとんどは「お口あんぐり」を表しててなんか可愛いので、いいと言えばいいのかもしれないけど。
> 『プリンス&プリンセス』
映画公式サイト
> 『キリクと魔女』
映画公式サイト