#713 関白になるも病に倒れた道兼の明暗 from『大鏡』 ~『光る君へ』を楽しむため | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史をもっと知りたい!
本を読めば広がる光と闇を楽しんでいます。
歴史と読書記録。積読などをアップしながら、日本史や世界史を問わず歴史の考察などを発信します。

道兼さん、関白宣旨が下り、周囲の者も大喜びであったのに、疫病に倒れてしなったことついて『大鏡 全現代語訳 (講談社学術文庫)』での記述です

大喜びのはずが、一転して病に倒れてしまった道兼さんの参内前と参内後の明暗の記録

 

  関白になるも病に倒れた道兼の明暗

大河ドラマ『光る君へ』の第18回で関白となった道兼さんですが、喜び勇んでお礼の言上に参内するも疫病に倒れてしまうその明翫が『大鏡』でも記録されています。

 

大鏡』によると

道兼さんに関白の宣旨が下ります。二条の道兼さんの本邸でも人々が大喜びしていたそうです。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』で、お礼の言上で参内する道兼と(C)NHK)

その喜び振りは、さすがに、あんまり騒ぎがひどすぎると、眉をひそめてみている人もあるくらいだったそうです。

 

そんな喜びあふれる中、道兼さんは少し不快気味だとお感じになられたそうですが、「このめでたい今日のお礼の言上を中止するなんて不吉なことはしない」と我慢して参内して、一条天皇にお礼の言上を行いますが、大変苦しくなって、正式に殿上の間を通て御退出できなくなり、御前駆の者を呼んで、その方に寄りかかってどうにか二条の本邸に帰りました。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』で、疫病に倒れた道兼(C)NHK)

二条の本邸では、関白になった道兼さんがお礼の言上の参内から帰ってくるとのことで、いつもよりもとくに心をとめて、あれこれ準備をしてお待ちしていました。

 

そこに、道兼さんが、人々の肩に寄りかかり、御冠もだらしなくゆるみ、御装束も紐を解いていて、まったくひどく苦しそうな様子でお車から降りてきました。

 

近親の方々のお気持ちは先刻(出発前)のお出ましの折とはまったく雲泥の違いでした。

 

御殿の人々は「いくらなんでも、よもやのこともおありなさるまい」と、しきりにひそひそと話し合って、心配で胸はふさがりながらも、表面はお互いに愉快そうなふりをしていたのでした。

 

と記録されています。

 

明暗ぶりに驚きの展開ですが、道兼さんも関白になって、これからやるぞ!っていうときに疫病に倒れてしまうので大変残念なことだったろうと思います。

 

関白になるも疫病に倒れた道兼について

 

 

 

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村