『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の定時放送4回目は「「ひどい失恋をした時に読む本」」です。
ひどい失恋をした直後の落ち込んだ時期よりも、そこから持ち直してきた頃に読む本かな~と思われる選書。
(NHKの『「ひどい失恋をした時に読む本」 - 理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の3冊(C)NHK)
「ひどい失恋をした時に読む本」
ブックディレクターの幅允孝さんが選書したのは、以下の3冊です。
1冊目:『お目出たき人』武者小路実篤
2冊目:『くまちゃん』角田光代
3冊目:『掌の小説より「写真」』川端康成
1冊目:『お目出たき人』武者小路実篤
(NHKの『「ひどい失恋をした時に読む本」』より1冊目(C)NHK)
お目出たき人/世間知らず (岩波文庫 緑 50-1) Amazon
お目出たき人/世間知らず (岩波文庫) [ 武者小路実篤 ] 楽天
幅允孝さんによると
思いを募らせ過ぎて
空想の袋小路に迷い込んだ男
と、この本のことを評されていました。
著者の武者小路実篤(1885~1976)さんは、小説家で『友情』『或る男』などの作品を執筆された方です。ロシアの大文豪トルストイに傾倒し、日本を代表するトルストイアン(トルストイを信奉する人)なんだそうです。そんな言葉があるとは知りませんでした。人間賛歌や人間愛を描いた作家だそうです。
映像の帯による紹介では、男性が話したこともないが見かけて思いを寄せた女性が、女性も自分に思いを寄せてくれるに違いないと何年も思い込み、知人に仲介をお願いするも、その女性が他の男性と結婚したことを知らされるも、それは親のために望まぬ結婚をしたとこじらせ空想を展開するというどんな状況でも自己肯定的に居続けられる男の姿を見る滑稽な感じをもたらす不思議な恋愛小説。
2冊目:『くまちゃん』角田光代
(NHKの『「ひどい失恋をした時に読む本」』より2冊目(C)NHK)
くまちゃん(新潮文庫) Amazon
本書について、幅允孝さんによると
人の数だけ失恋がある
と評されています。
著者の角田光代(1967~)さんは、著書が多数ある小説家で、最近は『源氏物語』を現代語訳をされたことが話題になられた方です。私も角田さんの訳の『源氏物語 上中下合本版【電子書籍】[ 角田光代 ]』を3年前くらいに買って読みました。
本書は、さまざまなタイプの失恋を集めた小説なんだそうで、振った誰かが次に誰かに振られるという感じでつながっていく形式の小説とのこと
映像の帯では、そのタイトルとなっている「くまちゃん」が紹介され、最後の部分については吉岡里帆さんが朗読されました。
(NHKの『「ひどい失恋をした時に読む本」』より3冊目(C)NHK)
掌の小説 (新潮文庫) Amazon
本書について、幅允孝さんによると
大作家の一筆書き
と評されています。
著者の川端康成(1899~1972)さんは、ノーベル文学賞を受賞された世界的大作家。
掌の小説=掌編小説というのが、小説を長さで分類したときに、長編小説、短編小説、さらに短い小説ものをいうそうです。本書は122編の掌編小説が収められているそうで、本当に短いものが2ページ、長くても10ページ程度のものだそうです。2ページなんて本当に小説書けるんですか⁉って驚きです。
映像の帯では、その中の「写真」が紹介されました。
「ひどい失恋をした時に読む」というのが、失恋のどの時なのかと考えたときに、失恋直後ではさすがに本を読む気にならないだろうし、今回の本についても直後とか、まだ大きく傷ついている時は無理かなと、ただ、ひどい失恋の大きな痛手から回復していき始まるところで読むといいのかもしれないと思える3冊でした。