『愛国百人一首』の選定された45首目は北畠親房です。『神皇正統記』を書いた方です。
(著者所持の『愛国百人一首』の北畠親房の絵札)
鶏 の 音 に
な ほ ぞ お ど ろ く
仕 ふ と て
心 の た ゆ む
ひ ま は な け れ ど
この歌は、正平年間(1346~1370)の間に詠まれた歌です。
歌の意(こころ)
天皇にお仕えして、心のすきも油断もないと思っていたのに、ウトウトと眠ったようで、夜明けを知らせ鶏の鳴き声で起きるようでは、心のゆるみがあったのでしょうか
北畠親房は、村上天皇の皇子具平親王から始まる源氏の家柄で、南朝を代表するような忠臣で、『神皇正統記』という我が国の国体を明らかにした歴史の書物を著した方です。
この歌は、天皇にお仕えしながら、夜眠ってしまったのか、鶏の声で目を覚ましてしまい、眠りなどせずお仕えするはずが、それができずに申し訳ないという心を詠った歌とのことです。
(著者所持の『愛国百人一首』の北畠親房の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について