『愛国百人一首』の選定された41首目は藤原為定です。これより吉野(南北朝)時代の歌となります。
(著者所持の『愛国百人一首』の藤原為定の絵札)
限 り な き
恵 を 四 方(よも) に
し き 島 の
大 和 島 根 は
今 さ か ゆ な り
歌の意(こころ)
天皇の無限の御恩恵が、日本の隅々に及んで、弥栄えに栄えています。
藤原為定は、藤原定家の6世の孫で、後村上天皇の時代に正二位の権大納言にまで昇進した人で、歌人としてその時代に重んじられていた人です。
この歌は、我が国が盛んなのも衰えるのも、天皇の御政治次第であるとし、今盛んなのは、天皇の御恩恵のおかげであると感激を詠ったものです。
しき島の(敷島の)は、大和を讃える言葉で、ここではその大和の古い呼び方として「大和島根」という言葉が使われています。
(著者所持の『愛国百人一首』の藤原為定の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について