『愛国百人一首』の選定された40首目は源致雄です。これより鎌倉時代の歌となります。
(著者所持の『愛国百人一首』の源致雄の絵札)
命 を ば
軽 き に な し て
武 士(もののふ) の
道 よ り お も き
道 あ ら め や は
歌の意(こころ)
いろいろ道があるが、何よりも重い命をば軽くみなしているあの武士の道よりも重い道が他にあろうか、いや、ありはしません。
源致雄は、源氏の流れをくむ朝廷の武士で、名のある歌人で、五位の位を賜ったものであることくらいしか分からない人物です。
この歌は、武士道を讃えたもので、武士道を詠んだ歌としては最初のものという評価を受けています。国に久しく戦争が絶えているうちに、大昔からあった武士の道が忘れられていたのが、元寇に蘇り、その本質を”道”として源致雄が詠みました。
(著者所持の『愛国百人一首』の源致雄の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について