『愛国百人一首』の選定された38首目は中臣祐春です。これより鎌倉時代の歌となります。
(著者所持の『愛国百人一首』の中臣祐春の絵札)
西 の 海
よ せ く る 波 も
心 せ よ
神 の 守 れ る
や ま と 島 根 ぞ
この歌は、文永・弘安の頃に詠まれたものです。こちらも蒙古襲来に対しての歌です。
歌の意(こころ)
西の海のかなたから、我が国に寄せてくる波のような元軍よ。心得違いをするなよ。こちらは神々が守っていらせられるやまとの国だぞ
中臣祐春は、奈良の春日若宮の神職で、神代から祭祀を司る中臣家のもので、歌道も練達の士の人です。
この歌は、元寇が日本にやってくる前に詠んだ歌で、国難に直面している中で詠まれたものです。
(著者所持の『愛国百人一首』の中臣祐春の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について