『愛国百人一首』の選定された37首目は宏覚禅師です。これより鎌倉時代の歌となります。
(著者所持の『愛国百人一首』の宏覚禅師の絵札)
末 の 世 の
末 の 末 ま で
我 が 國 は
よ ろ づ の 國 に
す ぐ れ た る 國
この歌は、1270(文永7)年の亀山天皇時代に詠まれた歌です。
歌の意(こころ)
世界が悪くなる末世のそのまた末の末のときであろうとも、わが国は万国どの国に比べても優れた立派な国です。
宏覚禅師は、播磨国で生まれ、はじめは天台宗を学んだが、のちに禅宗に帰依され、その学徳を慕う人があって、京都の西賀茂に正伝寺を建てて住まわれました。
この歌は、中国に起こった元王朝が日本に攻めてきたときに、宏覚禅師は蒙古襲来を退けるべく祈願を行い、その際に詠われたものとのことです。
(著者所持の『愛国百人一首』の宏覚禅師の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について