『愛国百人一首』の選定された20首目は大舎人部千文(おほとねりべのちふみ)です。こちらも奈良時代の歌です。
(著者所持の『愛国百人一首』の大舎人部千文の絵札)
霰(あられ) 降 り
鹿 島 の 神 を
祈 り つ つ
皇 御 軍(すめらみくさ) に
吾 は 来 に し を
※「霰降り」は、鹿島を飾る言葉
この歌は、755(天平勝7)年に詠まれた歌です。
歌の意(こころ)
武神のタケミカヅチを祭祀し奉っている鹿島神宮に、武運長久をお祈りし、皇軍の一員となったことことは、とても感激に堪えない
※タケミカヅチは、天孫降臨の時の武将
大舎人部千文も、坂田部麻呂、丈部人麻呂と同時代の人で、常陸国(茨城県)の人で、同じく防人に命じられた人。
この歌は、大舎人部千文が故郷の常陸国(茨城県)を出発して、難波(大阪府)まで行く途中に詠んだ歌です。
(著者所持の『愛国百人一首』の大舎人部千文の読札・取札)
歌の解説は、『國魂 愛国百人一首の解説』著:西内雅と、愛国百人一首の12人の選定委員の一人である窪田空穂による『愛国百人一首』によって行っています。
『愛国百人一首』とは
『伊勢物語』を読む上で、和歌の理解のために読んだ本について