これまでも何度か触れてきたが、「終活」に真剣に取り組んでいる。
身の回りの品は、戸建てからマンションへの引越を繰り返して大方片付いた。
延命処置拒否書も訪問医に証人になって貰い、家族全員の署名も取り付けた。
残るは遺産相続。
家族に集まって貰って相続方針については納得して貰っているが、相続税を如何に抑えるかが問題だ。
なるべく現金を不動産に換えたりはしているが、タワマン節税が難しくなったり(依然大きな節税になっていたのが更に見直される方向)、相続人への生前贈与の非課税対象が相続発生の3年前から7年前になるなど、相続税の節税は日に日に難しくなってきている。
そんな中で、生命保険金の受け取りについては、保険金の受取人数には関係なく、相続人数 X 5百万円の合計額まで非課税という制度は変わっていない(いつ税制変更があるかは分からないが)。
だが、神経難病患者で癌まで患っていては入れる保険はないだろうと諦めていた。
某メガバンク系の証券会社から、一時払い終身保険の提案があった。しかも病気の告知は無しで、死亡時は払い込んだ保険料の2倍以上の保険金が受け取れるという。
そんなうまい話があるわけ無い、としばらく放っておいたのだが、過去に保険ブローカーとして働いていたという知り合いに尋ねると、普通に存在していて引き受け保険会社は誰もが知る有名保険会社の一部門だと言う。
それならば、と改めてその証券会社に話を聞くと、円建て、米ドル建て、豪ドル建て、の3種類があり、それぞれの金利水準で死亡保険金の額は変わるとのこと。
また、性別や年齢によっても変わるが、受け取り保険金額は保険契約時に確定するという。
その仕組みは、保険会社が保険者の平均余命と同等期間の国債を購入して、複利で運用した結果算出される額から保険会社の手数料を引いたものが死亡時に支払われる保険金となるというもの。(私の試算によると保険会社の手数料はそれほど高くない)
だから単純化して言うと、平均余命より早く死んだ場合は、自分で保険料と同額の国債を買って死亡時まで運用した場合より多くの保険金を受け取ることが出来、遅く死んだ場合は、自分で国債を買って死ぬまで運用していた方が得だったという結果になる。
しかしながら、この保険の最大のメリットは相続税の非課税枠が適用になることだ。
男性より女性の方が、そして年齢が低い方が平均余命は長いから運用期間も長く、死亡保険金/保険料比率は高くなる。
国債の金利が高い通貨建ての方が死亡保険金/保険料比率は高い。
但し、円建て以外は為替リスクを負うことになるが、円建て国債の金利は低いから善し悪しではある。
65歳の女性ならドル建ての保険を買えば(その時の金利水準に依るが)3倍近くの保険金がもらえる計算になる。
告知有りと告知無しが選べるが、死亡保険金/保険料比率に大きな違いは無い。
私には相続人が4人いて、非課税枠は2千万円なので死亡保険金/保険料比率 約2.2倍のドル建ての保険を1千万円分購入して、子供達3人を受取人にした。

円安になると非課税枠をオーバーしてしまうが、それは嬉しい悩みなので非課税枠超過分の 相続税を払って貰うとして、円高になったら非課税額を下回ってしまうので、また買い増しをしておく予定。