入門 東南アジア近現代史(岩崎育夫)
東南アジアは、はじまりである各民族の土着国家から、欧米の植民地化による国の設立、その後の独立と大きく分けて3つに分けられる。
土着国家の民族は数多く、欧米の植民地化により一つの国となったが、その中に多くの民族が暮らしているのが、多民族国家の所以。
植民地の当事国の宗教等、その後の成長にも大きな影響を及ぼした。多くの東南アジアの国は石油、パーム油等、多くの一次産品が豊富で、そこに目をつけた欧米各国かプランテーションをつくり、一次製品を欧米各国へ輸出、欧米各国から製品を輸入という産業がうまれた。
ただ、一次産業の雇用は限られており、その後は工業化を果たして、製品を輸出する、輸出型産業型になった。ベトナムは、ベトナム戦争、ミャンマー、カンボジアは、欧米各国に反発している時期もあり、発展が遅れて今に至っている。
なぜ、東南アジアはEUのように共同体にならないのか、宗教、土着国家、統一された統治経験がない等、いろいろな視点を提起してくれた本でした。
日本人が海外で最高の仕事をする方法 糸木公廣
20年9か国を渡り歩いた著者。
一貫していえるのが、その国々の人、文化、言葉を理解しようとする貪欲な姿勢は非常に印象的であった。
また海外で仕事をするにあたって、心がける中で
・現地の文化で何か一つ気に入ったものを極めてみる。せっかく海外に行くのだから。
・困難な状況でも現地の人と戦う気持ちを大切に。日本人だけで考えない。
・社内・社外x公式・非公式の多角的なコミュニケーション。自分を知ってもらう。
コミュニケーションの方法は一つでない、セールスも同じ
・人志向は長期的に必ず報われる。結局は人。
武器になる哲学 山口 周
哲学のエッセンスを実学に手軽に活用できる本。
組織運営にあたり印象に残ったものを2点か紹介。
アリストテレス:ロゴス、エトス、パトス
組織を運営するにあたって、論理的であるのか、ただし倫理的でなければならない、
最後に重要なのが、パトス=情熱である。
人を動かすにあって、昔は強権的に動かすケースもあったと思うが、時代にそぐわない、
情熱的に人を巻き込んでいけるのか、組織を運営する上で迷いがあった部分が少しクリアになった。
解凍、混乱、凍結 クルト・レヴィン
何か新しいことを始める際には、今までやっていたことを凍結する(やめる)、混乱が起きる
再凍結するというプロセスが必要。
多くの企業では、新しいことを次々やるが、新しいことをやるには、今までやっていたことを
やめる必要がある。
BCG流戦略営業(杉田 浩章)
成功のカギは、営業TQM(Total quality management)にあり。
参考になった点として、行動KPIがある。営業の現場では、自分ではコントロールできない外部要因によって売り上げが左右されることがある。競合他社の動きであったり、顧客方針であったり、自分ではどうしようもない、営業の現場ではこのような言い訳により、自分ができなかったと正当化することもある。
行動KPIという考え方は、自分自身の行動目標を設定する、もちろんその行動が売り上げに寄与することが前提であるが、行動KPIは外部要因ではなく、自分の行動により結果がダイレクトに反映させるため、頑張るしかない。
また、マネージメントとしては、いかにこの行動を習慣化させるか、その仕組みづくりを検討していく必要がある。
営業の現場では、成功の話はいらない、なぜできなかった、どういった行動が足りなかったか、なぜできなかったか、を科学的な目をもちいて、徹底的に数値化していく、成功については、いかにその成功を再現できるか、それも科学的な目が必要である。
良いヒントになった本である。
法人営業「力」を鍛える BCG流ビジネスマーケティング 今村 英明
マーケティングの定義とは、人間や社会のニーズを見極め、それにこたえて利益をあげる。
外部環境が目まぐるしく変化する中、お客のニーズも変化、本当のニーズがわかっていないことも多く、先回りして考えることが肝要。
タクシードライバーの中で、良い子、悪い子、普通の子、
悪い子:何もしない
普通の子:一生懸命難しいことばかりやろうとする
良い子:当たり前のことを当たり前だけやっている(時間ではなく、知恵をつかって)
多くの会社は普通の子が多い。良い子になるには、マーケティングロジックをもつか、持たないか。マーケティングロジックとは、マーケットを科学的に観察した結果、自社にとっての勝ち方である。
一本軸をもって、その営業方法が自分に役立つかを吟味して、首尾一貫して物事に取り組み。営業活動は星の数ほどある。
営業の現場をしり、他社との差別化をはかった仮説がつくれるか、それを実験(情報収集)して、勝ちパターンをみつけることが個人レベルで求められるのではないだろうか。
地頭力を鍛える(細谷 功)
フェルミ推定について書いた本。
具体的なデータがなくとも、自分が持っているデータを用いて、答えを推定していくような話。例えば、世界中に何本電柱があるかというような話。
科学的思考と同じく、こちらも思考法について書かれた本。
勉強、知識云々ではなく、この人頭の回転が早いなと思う人が、MBAエッセンシャルズに参加しているとよく思う。
日頃から仮説をたてて、あれこれ考えると、自分の思考に凝り固まっていると、だんだん自分の思考が狭まってくる、このような集まりで、さまざまな人と話す、これも地頭力を鍛える、一種の方法かと思う。
科学的思考トレーニング(牧 兼充)
早稲田X日経のMBA Essentialsを受講することになり、受講した先生方の著書を読むことに。
・日本企業は正解のあるイノベーションが得意だが、正解のないイノベーションは苦手。
・科学的思考のは、イノベーションを生み出すため。データに基づく、AならばB、再現可能
・失敗のマネジメントがイノベーションを生む、良い失敗とは、より早く、より小さく。
・今までは予測アプローチ、イノベーションは仮説アプローチ
・とにかく仮説をたてる、実験する、実験は、ランダム化を実施。バイアスを排除する。
・中間評価が存在すると、大きな成功はうまれにくい。
基礎的な本でしたが、私を含めて、日本人は予測型アプローチで育ってきていると思う。
ある程度、正解がわかって、それに対して、トライ&エラーを繰り返していくようなイメージ。
成功はできるけど、アメリカンドリームは生まれない、
成功の度合いが幸せの度合いにつながるわけではないが、こういったアプローチは面白いと思う。
仕事、私生活においては、今までとは違うアプローチ、自分の枠を出てやってみようと思ったのは成果。
最高のリーダーは何もしない (藤沢 久美)
最高のリーダーは何もしないのではなく、ビジョンを定めて、従業員が働きやすい環境にしていくことが求められる、リーダーはプレイングマネージャーとしてではなく、対話を通じて、従業員をやる気にさせることが求められる。
ビジョンを定めるのは直観力。最近学んだDXでもチームで考えたアイデアではなく、個人が考え抜いたアイデアが必要であり、そのアイデアはどのようにして湧くのかというと、いかに多くの情報に触れるか、触れるだけではなく、問題意識をもって、自分なりの考え方を持つ、という橋本さんの本に共通する部分も多い。
実行力 (橋本徹)
自分と同じ38歳で大阪府知事になった橋本さんの本。
最近はTVでよく見かけるが、幅広い分野に対して見識があり感心させられることが多く、その中身をみてみたいと思い手に取った一冊。
印象的だった点。
①課題の発見をするための新聞、雑誌の読み方について、常に問題意識を持ち新聞を読み、自分なりの意見を考える、自分の考えを論じることができるのは、基礎知識がないとできないことであり、勉強につながる、そういった繰り返しが橋本さんの発言力をつくっているのだろうと思う。自分を振り返ると、記事を読み、その背景を知ることまでは行っているが、さらに自分に取り入れることを意識してやっていきたい。
②トップは比較優位で考えるという点、現状から変化を起こすにあたり、もちろん現状の良い点はあり、改善案が100%良いことなんてありえない、比較優位を意識して、こういったところはあるけれど、変化を起こすことによりそれ以上のメリットがでることを意識する必要がある。貿易の考え方と通ずる部分はある。
最近の話題の本は、文字が多くて、まとめ本みたいな感じの本が多いが、ぎっしりと内容が詰まっていた本に感心した。
伝え方が9割 (佐々木圭一)
一昔前の流行本。
伝え方はテクニックがあり、テクニックを学ぶことにより、より自分の思う方向に持っていけるとのこと。
ギャップ法(○○すぎる)とか、リピート法(本当に、本当に)とか伝え方がうまい人は無意識に使っているものであろうが、それを学問の形として落とし込むという作業は、人が思うより難しい作業だと思う。
1時間ちょっとで、すっきり読めました。
