読書備忘録 -4ページ目

はじめての経済学 下(伊藤元重)

下巻はより具体的な話。

パレート最適性…資源配分は自然と最適にむかう。ある状態から、変化させて場合に、誰かの効用が下がるのであれば、その前の状態をパレート最適性という。

公共財…需要と供給のメカニズムにより存在するのが難しいものであり、全ての人が便益を受けられるもの。一般道路、公園、空港等。

GDPと債務…日本のようにGDPの200%ちかい債務を抱えている国はない。アルゼンチンは日本より債務が低い状態で、破綻を宣言。多くの債務を海外から借り入れていたため。日本は、国民の貯蓄で債務をまかっている形になっているが、異常な状態。ギリシャも債務不履行がさわがれている。

金融システム…各銀行を日本銀行に預金準備をもっている。各銀行間を取引は、日銀の預金準備を上げ下げすることに調整。

貿易大国から収益大国へ。貿易黒字は、海外資産が増えることを意味している。海外資産が増えることにより、配当等により、海外資産から得られる収益が増えていく。

変動相場制と固定相場制…固定相場制は政府が積極的に介入することにより為替を固定する。中国等は、外貨取引に制限をつけることにより、固定相場を維持している。

貿易はなぜ必要か…リカードの比較優位。一国ですべてを生産することは困難のため、各国が自分の得意な産業を成長させることにより相対的な比較優位が発生し、それを配分するための貿易。ただ貿易が活発になるにつれて、資源配分にかたよりが発生、貧富の拡大をうみ。政治的な保護主義的な政策も起こる。

利益の方程式(勝間和代)

B to B、B to C、に応用できるが、どちらかといえば、B to C ビジネスの方が合致しそうな本。

利益=顧客当たりの単価ー獲得コストー原価)X顧客数 とのこと。

顧客当たりの単価が一番重要。1%の値上げでも、コストが同一であれば、営業利益 10%が11%となり、10%の増収となる。個人的に、見積もりの単価設定について、論理的な値決めができておらず、最後はえいやーとなってしまいがち。

プライシングの考え方に関して、値段は高くても良い、高いほど顧客は良いものを買ったと思う。という考え方は面白い。その見極めが大切であり、それには、対話(セールス)での情報収集がカギとなると思う。

KBF(Key buy Factor)つまり、自社の強みを認識することが大切。この意識が欠如しているのが多い気がする。KBFを理解せずに、他の重要でないポイントに投資をしてしまいがち。日本携帯のガラパゴス化などが良い例かと。

顧客数を増やすことにより、顧客単価はどうしても下がってしまう。単価の高いバリューカスタマーを大切に、顧客のファクターを理解する。(顧客数の増加はS字曲線的)

はじめての経済学 上 (伊藤元重)

日経でおなじみの伊藤元重氏の経済学入門。

上下巻で、上は、経済学の基本、マクロ経済学、ミクロ経済学、ゲーム理論を中心に。

経済学の始まりは、産業革命がおこった18世紀のアダムスミスの「国富論」。当時、重商主義(輸入よりも輸出が好ましいとされていた)ことに対する批判、国境を越えて自由に貿易することが国民の利益となる、古典主義の基礎となる考え方。

また、それとは異なり、ケインズ主義、金融政策等、政府が介入が必要するという理論。

マクロ経済は鳥瞰的に国全体をみたもの、ミクロ経済は、個人の経済活動からひもとくというもの。

ゲーム理論は、相手の靴をはくといわれ、相手の立場に立って物事を考えることが基本となっています。有名な囚人のジレンマは、お互いが合理的な行動を取ったとして、お互いにとって不利益な行動となっていることを表しています。

囚人のジレンマの場合、お互いが情報を交換できない立場にありますが、実際の経済活動には情報が溢れており、いかに情報を有効活用して、相手の立場を考え、経済活動をしていくことが重要となります。

為替レートと農業、 1970年代と現在では、米国と比較して、農業効率等の条件は変わっていないが、製造業が技術革新をし、相対的に競争力をつけたことにより円高となり、結果として、農業が弱くなり、保護政策を行っている。TPP議論もあるが、農業にも技術革新が必要となるか、もしくは農業は競争をするためではなく、自国のために行っていると考えれば、TPPの議論とは別になるものである、

先の先を読め(樋口武男)

現 大和ハウス工業の会長である樋口氏が、創業者である石橋信夫氏の生き方を書いた本。

心に留まったポイント

・スピードこそ最大のサービス

スピード感を持ち取り組んだ結果、顧客も自分に対してもメリットが出たことを
具体的なエピソードを持って紹介している。わたし自身も、完成度というのは
もちろん高いことにこしたことはないが、スピード感をもって、顧客へ対応することが
一番のサービスだと日々業務に取り組みながら思っているので、大きく
共感できる部分であった。

・商品は3年後に墓場にやれ

人気商品でも開発したら、次の開発をはじめる。現在の大和ハウスの多角的な経営にも
通ずる部分はある。


石橋信夫氏は戦争を経験し、帰国したのちに大和ハウス工業の前身を設立。
個人的に、戦争を経験した人達が、高度経済成長を支え、その努力には
感服する。



熱湯経営「大組織病」に勝つ(樋口武男)

大和ハウスの2代目社長であり、現会長である樋口武男さんの本。日経の私の履歴書をみて、その熱い生き方に感銘を受け、本を購入してみました。

大和ハウスは、石橋信夫さんが1955年に設立され、約55年。将来的には10兆円企業を目指しているとのこと。
たしかに野菜育成のコンテナ、リチウム電池、太陽光パネル、等、多角的な経営が目につきます。

著者は、中途で大和ハウスへ入社、30代中盤で山口支店長となっています。まさに努力の人であり、また仕事に対する姿勢は鬼気迫るものがある。

印象に残った言葉。

■プロとアマチュアの違い。

・成長を求めつづける>現状に甘える
・自信と誇りをもつ>愚痴っぽい
・常に明確な目標を指向する>目標が漫然としている
・可能性に挑戦する>経験だけにいきる
・自己訓練を習慣化している>気まぐれである
・使命感をもつ>途中で投げ出す

■成功する12条

・自信と誇りをもつ
・人間的成長を求め続ける
・常に明確な目標を指向
・他人の幸福に役立ちたい
・良い自己訓練を習慣化
・失敗も成功につなげる
・今ここに100%全力投球
・自己投資を続ける
・何事も信じ行動する
・時間を有効に活用する。
・できる方法を考える
・可能性に挑戦し続ける。

自分にあてはめて考えてみると、色々と思いあたるふしがある。ライフワークバランスという言葉があるが、オン・オフのスイッチを切り替えるのも大切であるが、仕事に全力投球することにより、ライフも充実していく気もする。

とにかく仕事には気合いを入れて全力投球、人のせいにはしない、できる方法を考える、しっかり心にとどめたい。

知らないと恥をかく世界の大問題(池上彰)

少し前の本ですが、知識を充足するために。

連邦準備制度理事会=FBR

アメリカは中央銀行はなく、12の連邦準備銀行により管轄されている。


ビジネスマンのための発見力養成講座(小宮一慶)

物事には奥行きがあって、深いところまでみれば、見えていない部分も気づく。

みえる力の大原則として

・気にしていると、ものはみえる。
・思い込みがあると、ものはみえない。
・人は、自分に必要なものだけをみている。
・人は、本当に必要なことを見えていないことも多い。

人は経験則により、仮説を立て、物事をみることにより、多くのものがみえてくる気がします。

読書も仮説を立てる能力を養う一つ、がんばりましょう。

社会人大学院で何を学ぶか(山田礼子)

最近よく聞く社会人大学院、MBAが気になり読んでみた。

理系とは違い、文系の大学院は就職、業務に直接的に作用するのは難しいと思う。どちらかといえば、大学で学べなかったことによる後悔から、会社で働きながら学ぶという学問的欲求が強い人が通うのではないだろうか。

本では、大学院に通う学生の対談が書かれていたが、卒業してから役だったこととして

1、論理的に自分の主張を話す、多角的に物事をみる
2、人脈作り
3、ステータス

大きく分けると、文系大学院の効用はこんなところ。

大学院を増えてきて、学問内容、質、通う学生も様々。 

興味もあるが、実際に通ったことのある人に話を聞いてみるのが一番のような気もする。

お金を知る技術殖やす技術(小宮一慶)

小宮一慶さんの本第3弾。サブタイトルにある「貯蓄から投資」にだまされるな、とのこと。

決して、投資を否定しているわけではないが、世間での投資を推奨するような動きは、各個人によって見極める必要があるとのこと。

・日本人の株保有率は、欧米に比べて低くはない。
・攻めるお金、守るお金を区別をしっかりと。
・表面金利より実質金利を重視する。実質金利=表面金利ー物価上昇率。デフレ下では、物価上昇率が下がっているため、銀行の貯蓄は、魅力的な商品となる。

・PER(株価収益率)=15%程度が一般的
株価が一株あたりの純利益の何倍かを表す指標
低い銘柄は人気がない銘柄といえるが、株価の下落リスクが低いともいえる。

・PBR(株価純資産倍率)=株価が一株あたりの純資産の何倍かを表す指標

1倍以下というのは、株価が純資産の価値を割っており、人気薄と同時に割安であるという指標となる。

・スタグフレーション…デフレ、景気後退が起こること。

・EBITDA(金利、税、減価償却前利益) 株式の時価総額+ネット負債(有利子負債ー現預金)=EBITADAX&

&が5倍程度なら十分、7倍ならなんとかなるかもしれない。

「1秒!」で財務諸表を読む方法(小宮一慶)

仕事で使える会計の知識が身につくというのが売り、たしかに会計士を目指すならまだしも、普通のビジネスマンは、大まかに理解できれば良いかと思います。今回は備忘録として

1秒だけ財務諸表を見る際
流動資産(すぐに現金化できる資産)÷流動負債(1年以内に返済義務のある負債)=流動比率
100%を超えているか?

・自己資本比率=純資産÷資産  15%程度は欲しい

・WACC(加重平均資本調達コスト) 負債の調達コスト 純資産の調達コストを加重平均したもの。
純資産の調達コストは、株主の期待利回り。負債の調達コストよりも高い。

ROA(資産利益率)=利益÷資産

大企業は無借金経営できるが、負債の調達コストを増やす(つまり借金をする)ことにより、膨らませて、WACCを下げている。

ROE(自己資本利益率)=純利益÷自己資本

子会社 親子間の取引を除いて、勘定科目に合算される

関連会社 営業外損益部分にあがってくるだけ

損益計算書

資産回転率=売上÷資産

売上原価=棚卸資産(在庫)も売上原価にいれる

日本が倒産しない理由
1、信用がある限り、国債の借り換えが可能、返済期限を延ばす
2、返済期間を設定できる

つまり、将来の世代につけているだけ。

キャッシュフロー計算書

有形固定資産の取得>=減価償却費  未来投資をしているか?

固定費と変動費

製造業…固定費用(設備、人件費)が膨大、規模の大きさに比例して有利。損益分岐点を超えてからの利益率がよい。

卸売業…変動費用(仕入れ) 分岐点は低いが、超えてからの利益率も製造業に比べると低い。

IT企業…いいとこどり。設備投資は少なくてすむが、顧客も囲い込むことにより、売上が大きく伸長する。

合成の誤謬…液晶テレビの状況がよい例。シャープが堺に工場を建てたり、パナソニックが増産体制に踏み切ったが、世界各国で同様の動き(よいと思われる方向)となり、著しく単価が下落し、悪い方向へ向かっている。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント)…市場を4つに分けて、いかに金のなる木にながくいるが(成長率が低いが、利益率がよい)ポイント。