読書備忘録 -3ページ目

経済ってそういうことだったのか会議(佐藤雅彦 竹中平蔵)

対談形式の本。

人頭税・・・国民の数にあわせて税金を徴収する

アメリカは国内政治の中に外交の要素がふくまれている。州が独立国家のようなもの。

レーガノミクス・・・高金利と減税により民間活力を向上させ、強いアメリカをつくろうとした。

プラザ合意・・・為替を安定化するための合意。ニューヨークのプラザホテルで行われた。

チェウシェスク・・・ルーマニアの共産圏で国力とは人口なりとした政策により、たくさんの子供が生まれることになったが、共産党がつぶれることにより、子供が育てられず、たくさんの孤児がうまれた。子供を何人うむかという人間の昆劇的な部分に国家が介入してはいけない。

川上・川下産業・・・川下産業からのばしていく。そうすることにより川上産業(鉄鋼等)がのびていく。ソビエトは川上産業から伸ばしていき、失敗をした。

マンキュー経済学Iミクロ編(N.グレゴリー・マンキュー)

前述の日経PLUSに書いていたマンキュー経済学。ビジネスマンの経済学の教科書のような存在とのことで興味があり、手にとってみた。

経済学とは、希少性のある資源をいかに有効的に活用するか研究する学問である。

経済学の10代原理。

1、人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している。
意思決定に際して、一つのものを取ることは一つのことをあきらめることでもある。

2、あるものの費用は、それを得るために放棄したものの費用である。
それを機会費用という。

3、合理的な人々は限界原理に基づいて考える。
たとえば、1年分余分に受ける追加的な便益、それに払う追加的な費用、限界的な便益、費用とは比較することにより、人は1年間余分に教育を受けることを決定する。

4、人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する。
人々は費用と便益を比較して意思決定する、そうであれば、費用や便益がかわることにより人々の行動を変わることがある。つまり人々はインセンティブに反応するのである。

5、交易(取引)はすべての人々をより豊かにする。
競争原理、比較優位等により、人々は良い質の高い、安いサービスを享受できる。

6、通常、市場は経済活動を組織する良策である。
市場(資本主義)は、相互に影響する家計、企業に導かれて望ましい結果につながる。アダム・スミスの神の見えざる手。社会主義は、中央集権的な政策決定者が見えざる手を、結果的に封じている。

7、政府は市場のもたらす成果を改善することもある。
ときによっては見えざる手がうまく機能せず、資源を効率的に配分できないこともある。これを市場の失敗という。例として環境汚染がある。化学工場は、煤煙の費用を支払わないので良いので、過剰になるが、それを通じて、人々にさまざまな悪影響(=公害)が発生する。

8、一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している。

9、政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する。

10、社会は、インフレーションと失業率の短期的トレードオフに直面している。
インフレと失業との間のトレードオフは、この関係を最初に調べた経済学にちなんでフィリップス曲線とよばれている。貨幣供給量を減らすと、人々は支出を減らす、企業は販売量を減らす、企業を雇用を減らす。

ミクロ経済学・・・家計や企業の意思決定と市場における家計や企業との相互作用を研究する。

マクロ経済学・・・経済全体に影響する要因や趨勢を研究する。

貿易・・・2人の間で比較するとき、より少ない投入量で多く生産できる場合、絶対優位をもっている。1人が2つの財に対して絶対優位を持っていたとしても、より少ない機会費用で生産することのできる人は比較優位をもっており、比較優位をもっている物に対して特化することにより、市場はより効率的な方向へ向かう。

弾力性・・・価格の変化に対して、需要量、供給量がどのぐらい変化するのか、非弾力性は、価格の変化に対して影響をうけない(縦に伸びる)、弾力的とは、価格の変化に対して過敏に反応(横にのびる)

税金・・・政府がある財に課税すると、財の均衡取引量は減少する。くさびをうちこむ。それにより、消費者余剰、生産者余剰が減少し、課税による死荷重と呼ばれる。

外部性・・・買い手と売り手の取引が、第3者に直接影響を与えることを外部性とよぶ。

文章だけではなく、図が多用されており、600ページ弱ある本であるが、非常に分かりやすかった。現在問題となっている最低賃金、生活補助等も経済学的に書いてあり、こういった考え方もできるのかあっと目から鱗でもあった。


日経プレミアPLUS1(10年後困らない働き方研究)

印象的だった点について。

会社に勤める人でも、一つの独立した経済主体であり、自分の位置づけを確認することが重要。その中で、経済学は重要。


タイピングが早くなれば、仕事が早くなる。Deleteキーを極力使わない。一概にタイピング=仕事ができるには繋がらないが、タイピングが遅い人は、それだけ損をしている。

古典で読み解く現代経済(池田 信夫)

国富論・・諸国の富の性質と原因に対する研究、比較政策論。

重商主義を批判、自分の国を強くしようと輸入を減らし(関税操作等)、輸出を増やす。国富論は比較優位を説いており、それぞれが自分の得意な部分を受け持ち、それを交換することにより、富を増やしていこうとしている。また、市場にまかせて、政府は夜警国家としての位置づけをする。

資本論(カールマルクス)…貨幣それ自体に価値があると信じることが重要、人は物を媒介にして繋がっており、分業の中で、人が何を欲しがっているか分からないという不確実性が資本主義の弱点、

時代の先を読む経済学(伊藤 元重)

日本は自分達より所得の低い国に対して輸出を得意としてこなかった。たしかに、自分が小学生のころは加工貿易が主体で、原材料を輸入して、加工してから、海外へ輸出といビジネスモデルが主体であったと思う。

現在は円高、法人税、電力高、人口減もあり、海外へ進出している企業がふえている。現に、顧客の設備移転の話も多い。

いきのこりの条件として
①もっとがんばる
②人と違うことをする
③競争相手が消滅するように仕組む

企業だけではなく、いまからの時代、個人でもいえるとも思う。

経済古典は役に立つ(竹中平蔵)

有名な竹中平蔵さんの本。過去の経済人を説明。

経済学という学問は、国富論から始まった。それ以前に経済学という考え方がなかったのは、人々に経済的な自由がなかった。つまり親の職業を子が受け継ぐのが一般的な流れであった。

重商主義・貿易黒字至上主義。アダムスミスが批判、資源の効率的な配分をゆがめる。中国の資源政策と似ている。

経済成長、発展は継続的であるか、資本家はみずからの利益を工場へ投資、より多くの品を生産、人件費が高くなる、人口が増加、供給が増え、人件費の単価が低下する。

ロバート・マルサス、人口論。人の数は幾何学的に増える、農地は算術数的であるのため、食糧がなくなる。

リカードの悲観的予測、地主だけが富を得て、労働者は搾取され、疲弊する。

マルクス、いずれはすべて社会主義へ移行される。

シュンペータ、経済発展の原動力はイノベーション、そのイノベーションを支えるのが銀行家。

変化を生み出すモチベーション・マネジメント

部下のモチベーションをいかに維持、あげていくかをテーマにした本。

モチベーションを一気にあげるのは難しく、アンフリーズ、チェンジ、リフリーズと一つずつのプロセスが重要。

戦略プロフェッショナル(三枝匡)

著者の経験に基づいたシェア逆転までのプロセス。

プロダクトポートフォーリオに基づいて、絞りと集中を行い、競争ポジションを優位な方向へもっていく。

顧客のセグメンテーションを行い、戦略的な重要顧客(ニーズが高く、売り込みの影響が大きい)を優先的にセールスを行う。

しつこいフォローが重要。

機械を売るのではなく、検査薬を売るビジネスモデル。コピー機のトナーを売るのと同じ。

実戦的な話で一気に読める面白い本でした。

決算書の暗号を解け(勝間和代)

有名になる前の勝間さんの本。会社の会計をみるには、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の三表を駆使することが必要。

いままで読んできた本に比べて、読みやすく実戦的で良かったです。

損益計算書等は、ごまかりがきく(攻撃的利益調整、守備的利益調整等)ので、一表だけ見ても正しくとらえることができない。それを3表利用することにより、決算書にごまかしがないか、発見することができる。

・営業利益は売上高の10%程度

・営業キャッシュフロー  減価償却が少ないところ(営業利益の60%)、減価償却が大きいところ(営業利益の120%程度)

・ROA(資産経常利益率) 経常利益(損益計算書) 総資産(貸借対照表)

・売りあげ、営業利益、経常利益、バランス良くのびているか?

・純利益は経常利益の60%前後。法人税40%前後のため。

・儲かっている会社は定率法、逆は定額法を使う傾向がある。

・営業キャッシュフロー内で、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローがまかなえきれているのが理想。

経済学を学ぶ(岩田規久男)

経済学の前提…人間はできるだけ自分にとって利益が最大になるように行動する動物である。

市場経済…交換と分業により成り立っている。相対優位のある産業に特化をして、その特化できることは交換が前提として成り立っている。もともとは、物々交換レベルであるが、市場が大きくなるにつれて、貨幣が生まれ、交換の手段として用いられた。

市場経済の失敗、ケインズ、必要最低限の政府介入が必要となる。

i) 費用逓減産業…ガス、電気等の自然独占企業をほうっておくと、独占的となり、競争が排除され、市場にとって不利益な結果となる。

ii)外部性…大気汚染等の外部的問題

iii)公共財…道路、公園等の公共財は市場経済ではうまれない。

iv)不完全情報…情報が不足している場合、国民に不利益がおよぶ可能性があり、政府が介入する場合もでてくる。