前回の記事
【菜園クラスター】②ファームのクラスター、ゼニゴケ退治pHシフト(前編)
【菜園クラスター】③ファームのクラスター、ゼニゴケ退治pHシフト(後編)
と合わせてご覧ください。
コロナの非常事態宣言は終息してきましたが、
ファームで発生したゼニゴケクラスターは攻防がつついています。
ゼニゴケ駆除のキーワードは
①乾燥
②pH
③熱
です。
今回は熱で退治します。
■乾燥とpHでの駆除に疑問
ゼニゴケの生育条件は
・湿度の高い場所(水分条件、水分量は5~35%)、
・22度くらいの温度(温度条件)
・土壌条件(コケ類好む生育環境は土壌pHが4.5~7.0らしい)
この生育条件を外せば枯れるわけで、乾燥させたりpHシフトしたりすればよいとのこと。
熱さに弱いようですが、夏を越えるとまた繁殖します。
胞子はかなり丈夫で数年は生きながらえるらしい。
確かに寒く乾燥した冬場は消えていたゼニゴケが春の到来で広がりだした。
ということは土を乾燥させてもダメなわけです。
またpHシフトでコケが枯れても胞子が死ぬかどうかまでは分かりません。
■熱湯作戦は見送り
熱湯をかける方法もあるようですが、いったいどれだけのお湯が必要なのか。。
多分地表に出ている緑色部分を叩くには手っ取り早そうです。
ですが根はどうでしょうか?
群生場所を引きはがすと土壌に厚さ5~10mmほどに根を張っていることがわかります。
この根の部分は熱湯掛けたらどうなるか?
土壌の熱容量を調べますと比熱は0.84、水1.0とそれほど変わりません。
根の部分の熱容量は例えば、厚さ1cm×30cm×40cm*比熱0.84=1008
これは水 10cm×10cm×10cm×比熱1.0=1000
と同じです。
このことから、
温度が20℃の根の部分(厚さ1cm×30cm×40cm)の所に
100℃の熱湯1リットル( 10cm×10cm×10cm)をかけた場合、
平均温度は(20℃+100℃)/2=60℃と計算されますので、
根には60℃の熱衝撃が加わります。
しかしたぶん熱はエアーと地下へすぐに伝わり、
根の部分の温度は中々高温を維持できないでしょう。
そもそも60℃で死滅する?
先日の根菜のサツマイモの育苗開始時は48℃のお湯で40分殺菌しました。
菌は死んでも根は耐熱性がありそうなイメージです。
しかも上記の計算は1m2あたり8.3リットルの熱湯を撒いた場合と同等。
かなり熱湯が必要です。
となると焼くのが一番でしょうか?
■チョイ焼き君、登場
実は以前から気になっていたものがありました。
昨年毛虫が大量発生した際はタイマツを作りましたが。
本当はこんなバーナが欲しかった。
ついに買ってしまいました。『チョイ焼き君』です。
チョイ焼き君は商品名です。
彫農の温度は1300度。
ボンベ1本で90分、33m2の草を焼けるとのこと、
これで焼いてやる~。
■チョイどめ君、作成
チョイ焼き君を使う前に、相方を自作しました。
といっても、中学校の技術家庭科の授業で作ったブリキの塵取りに柄を取り付けただけですが。
(よくもこんなものが残ってたなあ~、40年も昔の物)
柄が曲がって付いていますが、失敗ではなく工夫なんですよ。
■ゼニゴケを焼きます
チョイ焼き君とチョイどめ君をセットで使います。
こんな感じになります。
炎や熱が周囲に広がらないようにちょいどめ君でバリケードを作ります。
柄が曲がってますので持ちやすい。
ということで、
ビフォー
アフター
コケも草も、そして胞子も種も焼き切りました。たぶん。
■焼き土
4月にゼニゴケを引きはがした土が15Lほどあります。
木酢をかけ乾燥させてからしましたが、コケの根やたぶん胞子も残っています。
ということで焼き土にしましょう。
鉄板は、、、、タイヤ交換の時ジャッキの下に敷く鉄板がありました。
早速ファイヤーと
土の塊が赤くなっています。
これはコケの根が燃えているのです。
加熱を続けますと土の塊が自然と崩れます。
熱消毒した土は栽培土に使えそうです。
■チョイ焼き君の欠点
草33m2を90分で焼けるという謳い文句でしたが、、
地面に生えたコケを焼くことも、焼き土にすることも、思っていた以上に時間がかかります。
コケって水分を多く含んでいるようで草の3倍以上の時間を加熱しない焦げません。
胞子も焼きたかったので念入りに。
すると20m2で4時間ほど、ボンベも3本弱使ってしまいました。
土焼きも時間がかかります。
まさか夏日にこんな作業になるとは。。
まだファーム全域のコケ退治が完了してません。
まだ焼けてない場所もあります。
今後は火攻めと酢攻めの二刀流で完全退治を目指します。
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