坐薬で日頃から完全排便をする事、肛門マッサージをする事は予測もつかない事でした | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日は本当に久々に患者さんのアンケートを。

 

患者さんから「是非書いて〜」とリクエストが多かったのですが、電子カルテを見ながらでないと記事を書けないので、なかなか書く時間が取れませんでした。

 

今日ご紹介する患者さんは60代男性、肛門狭窄症の患者さんです。

 

 

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・十分時間をかけて診察、処置、説明して頂き大変有難いと思います。

 

極力手術をしないという方針はありがたいです。

 

・過去の経験から診察が痛く、忌避感が強かったのですが、事前に麻酔クリームを適用できると言って頂き、それが非常に助かりました。

 

坐薬で日頃から完全排便する事、肛門マッサージをする事は全く予測もつかない事でした。

 

特に肛門マッサージは衝撃的ですらありました。

 

しかし改善を目指さなければ来院した意味がなくなりますので、継続・改善を目指したいと思います。

 

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この患者さんは12年前にジオン注射(ALTA療法)を他院(専門外)で受けておられました。

 

注射を受けた直後から太い便が出なくなったそうです。

 

明らかに便の太さが変わったと。

 

以来、近所のクリニックで10年近く痔疾薬を出してもらって使っておられました。

 

排便時の出血があったため心配になりネットで検索。

 

大阪肛門科診療所のホームページを見て、まずオシリを洗うのを中止。


なんと私のブログを読んで坐薬を薬局で買って使っておられたのです。

 

そして私の外来に来られました。

 

今までの診察が辛かったそうでトラウマになっていたのでしょうか。

 

恐怖心が強い方だったので麻酔のクリームを使いました。

 

 

診察したところ肛門が狭いあせる

 

私の指が入りにくいので相当狭い。

 

当然肛門鏡も入りにくい、痛いあせる

 

大きな慢性裂肛が2ヶ所ありました。

 

相当古そうな傷です。

 

これだけ肛門が硬くて狭かったら便も出しにくかったことでしょう汗

 

当然、肛門の中が便まみれでしたうんち

 

今日は排便があったけれど坐薬は入れなかったとのこと。

 

診察で坐薬を入れてトイレへ。

 

何も出ないあせる

 

結局浣腸して全部出し切ってもらいました。

 

 

通常であれば手術適応の狭さだったのですが、ご本人の希望もあり手術をせずブジー治療と肛門マッサージを提案。

 

まずはやってみようということになりました。

 

正直、痛い治療です。

 

こんなに痛い思いをするくらいなら手術のほうが楽かもしれないと思うくらい。

 

この治療に耐えられないなら手術を検討しましょう、ということで治療を開始。

 

なんと、1か月後に来られた時には傷が完全に治って無くなっていましたびっくり

 

そして肛門マッサージを頑張られたからでしょうか、肛門も広がっていました。

 

ブジー治療も悶絶するほどの痛みもなくできたので、手術をせずに直していくことになりました。

 

それから半年くらいは月に1回通っていただいたのですが、肛門が拡がってきたので現在は3カ月に1回の通院ペースになっています。

 

今も通院中の患者さんです。

 

次回来られるのは来年。

 

こうして肛門が拡がってくると通院の間隔がどんどんあいていきます。

 

最終的には年に1回のオシリ健診にもっていきたいのですが、患者さんによっては心配だからと半年に1回にしてほしいという希望もあります。

 

どのような頻度で通院するのかは患者さんに決めてもらっています。

 

 

この患者さんのようにジオン注射(ALTA療法)後の肛門狭窄は大勢診ています。

 

安易にたいして大きくもない無症状の痔核に対して注射療法を行うと肛門狭窄を来しやすいです。

 

大切な事は適応を見誤らないこと。

 

本当にこの痔核は、この患者さんの症状はジオン注射によって改善するのか?

 

その判断がちゃんと出来ていないから不幸な患者さんを生み出してしまうのです。

 

 

肛門科は診断がキモです。

 

診断が一番難しいとも言えます。

 

 

セカンドオピニオンの患者さんばかり診ていますが、痔ではないものを痔と診断したり、注射療法や手術を勧めている医者が多すぎる。

 

過剰診断・過剰治療が横行していると言ってもいいでしょう。

 

 

 

 

必要の無い手術を受けると思わぬ後障害を引き起こします。

 

 

 

 

切りすぎた肛門は元に戻らないし、ジオン注射によってケロイド状に固められた組織は元に戻りません。

 

 

肛門は死ぬまで毎日使う大切な部位。

 

排泄がうまく出来なくなると生活に支障を来し、人生に暗い影を落とします。

 

そんな術後の後障害の患者さんをたくさん診ている者として声を大にして言いたい。

 

手術の前に痔の原因となった便通を直そうよと。

 

 

いくら手術をして痔を治しても、手術で便秘は治りません。

 

痔は間違った排泄の結果です。

 

その間違いを正さなければまた痔になります。

 

痔は何度でも繰り返されます。

 

だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を直すこと。

 

 

私の外来では手術ではなく、まずは間違った排便習慣を正すことから始めます。

 

たとえ手術適応の患者さんであっても。

 

 

その便通を直さないと手術してもうまくいかないから。

 

 

多くの方は手術だけして便通を直してないんです。

 

だからうまくいかない。治らない。

 

治ってもまた痔になる。

 

 

出来てしまった結果(痔)に対して治療だけして根本(便通)を直してない。

 

 

うちの診療所では極力手術をせずに痔を改善させる、痔を治す治療を試みます。

 

その治療は患者さんの生活の中にあるので、患者さんに頑張ってもらえないと成立しません。

 

だから「医者に治してもらいたい」と思っておられる方が来られてもしんどいだけの肛門科です。

 

本気で治したい人だけ来て頂きたいです。

 

 

どんな病気も本人の治したいという気持ちなくして治療はあり得ない。

 

水辺に馬を連れていっても水を飲ませることは出来ないのと同じ。

 

本人の意思が一番大切。

 

 

特にブジー治療は苦痛を伴うため患者さんの気持ちが重要になってきます。

 

くじけそうになった人にはこの記事を読んで頂きたい↓

 

 

 

治療の選択肢は色々あります。

 

どんな治療を選ぶのかも患者さん次第。

 

決して押しつけません。

 

また手術を選択された場合、うちだと保険が効かないから高額になります。

 

手術は得意ですが保険診療の肛門科を紹介することもあります。

 

ただしあくまでも「紹介」です。

 

紹介先の施設や医師の技術を「保証」するものではありません。

 

手術方法も全然違うので行った先の医療機関でお尋ね下さいね。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

肛門狭窄症の患者さんが

「犬のウンコよりも細いんです笑い泣き

とよく表現されます

 

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