久しぶりに肛門の話題を
先日来られた患者さん。
とある肛門科クリニックを受診したところ痔で手術と注射療法を勧められました。
いきなり手術と言われ、色々調べ本当に手術しか治す方法はないのか
と悩み、セカンドオピニオンで私の外来に来られました。
診察すると･･･なんと、痔はありません。
とてもキレイな肛門です。
肛門鏡で中を観察しても痔核（イボ痔）も無し。
何で困ってるの
どうして肛門科へ行ったの
と尋ねると
「硬い便が出たときに痛くて出血するんです･･･」
と。
ふむふむ。
確かに切れ痔（裂肛）が治った痕跡はあるけれど今は切れてません。
もしかして排便の時に腫れるのかな
と思い、坐剤を入れて排便してきてもらって再度診察。
腫れてない
何もない
本人に聞いても普段、別に何かが脱出してくるようなことはないと。
ただただ肛門科へ行っていぼ痔（痔核・脱肛）で手術と言われてショックだったと
手術は必要ないです。
それどころか痔は何もありません。
と告げると付き添ってきていた母親と共に大喜び。
泣きそうになっておられました。
ホッとしましたと
こういうこと、本当に多いです。
昔こんな毒のある記事を書いてたな
悲しいかな、この患者さんが受診した肛門科は「肛門科」とクリニックの看板に堂々と書いてありますが、肛門を専門にしている医師ではありませんでした。
患者さんには専門かどうか分かりにくいですよね
クリニックの名前でもなく、看板に書いてあるからでもなく、医師の経歴を見て専門かどうか見抜いて下さい。
そのヒントをコチラの記事書いています↓
日本の肛門科の歴史と現状〜専門の医師を見分ける〜
あなたの近くにもきっと居るはずです。
まじめに良心的に肛門診療をやっている先生が。
見つけて下さいね。
そして手術と言われてもその場で決めない。
ちょっと待って
その手術本当に必要なの
と立ち止まって考える。
手術を受けるかどうかの判断は家に持ち帰る。
そしてもう1軒でも2軒でもいい。
別の病院やクリニックを受診して別の先生の意見を聞いてみて。
全く違った診断になるかもしれないから。
必要のない手術を受けると肛門に後障害が生じることがあります。
後悔しないために手術は慎重に。
それにしても正常な肛門を痔と診断して手術を勧める医師がいるなんて信じられないですね
患者さんもビックリですが私もビックリです。
肛門詐欺に遭わないようご注意を。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
まだまだ暑いですが
ドッグランで走ります
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