肛門科には悪い奴がいっぱい!? | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

「肛門科には悪い奴がいっぱいいるから大阪肛門科診療所へ行きなさい」

と言って、患者さんを紹介してくださる内科の先生がおられます。

は?
何じゃそれ!?

ってなりますよね^_^;

はい。
私たちもビックリしました。

患者さんから事情を訊くと・・・

内科で痔の相談をしたら、そこの先生が

「肛門科には悪い奴がいっぱいいて、大した痔でもないのに何でもかんでもすぐに切るから、ちゃんと選んで受診せなあかんねん。ここは大丈夫や。安心して相談したらええ。」

と言ってうちの診療所を受診するよう言われたそうです。

でも、うちの診療所は保険が効きません。

自由診療です。

そのことについても、ちゃんと患者さんに説明をしてくださっていました。

「でもな、ここは保険が効かへんねん。診察代は保険診療より高い。でもな、必要のない手術をされて保険診療の肛門科で5万円くらい払うよりも、1万円で済むほうが安いやろ?それにオシリにいらん傷付けたら取り返しつかへんで。」

って言われたそうです^_^;

なので患者さんも納得して来られています。

でも・・・

その先生、知り合いでもなければ、お会いしたこともないんです・・・

全く面識のない先生なんですよ。

地域も違いますし、一体どこで私たちのことをお知りになったのか分かりません。

でも、時々、患者さんを紹介してくださいます。

もちろん紹介状も何もなしで^_^;

blog130

診療所のセラピードッグ「ラブ」
他のワンコと戯れるラブ
犬のようちえんには「悪いワンコ」は居ませんね(*^_^*)



今までのブログでも繰り返し書いてきましたが、痔で手術になる人って本当に一握りです。

ほとんどの人は手術が必要ない人です。

うちの診療所の手術率は5%以下です。

100人来たら5人くらい手術になる感じですかね。

時々、手術率が8割以上ある肛門科を見かけますが、手術適応の基準が甘いのだと思います。

手術しなくても治る痔もたくさんありますし、手術が必要な状態であっても患者さんが手術を望まなければ手術はしません。

また手術は痔の予防にはなりません。

小さな痔核(イボ痔)を「ひどくなる前に取った方がいい」と手術をすすめる先生がいるようですが、手術は予防的に行うものではありません。

必要のない手術を受けて、オシリが狭くなったりして、かえって調子が悪くなっている人もたくさんおられます。

またいくら手術して痔核(イボ痔)を取り除いても、痔の原因になった便通を直さなければ何度でも痔を繰り返します。

だから本当の根本治療は手術でも薬でもなく、便通を直すことなんです。

もしも小さなイボ痔が見つかったとしても、それを手術で取り除くのではなく、これ以上、大きくしないように気を付けることが予防なんです。

手術が予防ではないんです。

イボ痔は「病的な組織」ではなく、「正常な組織がちょっと大きくなっただけ」です。

自分の大切な体の一部なんです。

悪い組織でも、必要ないモノでもないんです。

小さなイボは撲滅する必要はありません。

大きくしない努力を今日から始めたらいいじゃないですか(*^_^*)

ある意味、あなたのオシリは今までの便通を表しています。

あなたの習慣の結果です。

何が悪かったのか
どこを改めればいいのか


それをアドバイスしてくれる肛門科の先生を見つけてください。

きっとあなたの近くにもいるはずですよ(*^_^*)



肛門科には悪い奴がいっぱい?

居るかもしれません^_^;

だけど良い奴もいっぱい居ると思います(*^_^*)