摘便は肛門科医の腕の見せ所 | みのり先生の診察室

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肛門科専門医の女医がつづる
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以前のブログで便栓塞のことを書きました。

いわゆる「糞詰まり」のことですね^_^;

是非コチラの記事も読んで下さい。

「便栓塞」
「糞詰まりなのに便が漏れる?!」
「糞詰まり?!」


この糞詰まり、なぜか夜間や休日に起こることが多いんです。

でもね

ウンチは急に詰まりませんよ^_^;

何日も前から詰まりかけてたんですよ。

便が出なくなっても皆さん、すぐに受診されません^_^;

明日は出るだろう・・・

と淡い期待を抱いて、

あともう一日・・・

と様子をみてるうちに詰まっちゃうんです(;。;)

そして

もうダメ!限界!(>_<)

ってなるのがなぜか夜とか休日なんです(;。;)

当然、病院も閉まってます。

だから救急外来を受診されることが多いんですね。

でも・・・

たいてい救急外来の先生は肛門科の先生じゃありません。

内科か外科の先生が多いのですが、摘便をしたことがない先生が多いです。

えっ?!
なんで?!


だって、摘便って普通の病院では看護師さんがやることがほとんどですから(^0^;)

医者がやる施設って肛門科くらいじゃないですかね。

摘便って何?

指で便を出すことです。

うちの診療所では摘便用の特殊なヘラを使うことも多いですけど、普通は指で出すんです。

blog228

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬も糞詰まりになるのかなぁ
犬の摘便はやったことがないですね^_^;


これって簡単な医療行為って思ってる人も多いようですが、実はスッゴク技術が要るんですよ。

そう。

肛門科医にとったらまさに「腕の見せ所」です(*^_^*)

肛門科医は上手いですよ(^_^)v

これ、患者さんが褒めてくれます。

救急外来でやってもらったときと全然違う!!

とか

前と比べたらすごく楽です~

とか

救急外来では先生がしてくれなかった

とか

救急外来では浣腸だけしてもらったけど、何にも便が出なくてちっともつらい状態が改善されない

とか言われる患者さんが多いですね。

そりゃ仕方ないです。

だって肛門科の先生じゃないんだから^_^;

浣腸しても出ないのはどうしてか?

それは出口で便が固まってしまって、注入した浣腸液が奥まで入らず跳ね返って出てきてるんです。

だから浣腸しても液だけしか出ないんですよ。

詰まりをとってあげないとダメなんです。

浣腸は硬くなってしまった便を軟らかくして出すのではありません。

便を滑りやすくして出しやすくしているのです。

ですから出口の直径より大きくなってしまった便の塊を出すには

1 出口の直径を広げる(無理!)
2 便の塊を小さくしつつ、摘便する

くらいしか方法がないのです。

浣腸を使うなら、便の直径が出口の直径をこえる「まで」に使うべきです。

時々、医療用のノズルの長い浣腸を使って奥に液を注入しようとする方がおられるようですが、危険ですから絶対にしてはいけません。

腸管を傷つけて、最悪の場合死亡に至る可能性があります。

浣腸のノズルは、肛門に挿入してよいのは5cmまでです。



テニスボールくらいの塊になっちゃうと浣腸しても、便を出す座薬を入れても効きません。

というか出せませんよね^_^;

だから指でほぐして少しずつ少しずつ出すんです。

これ、とっても大切!

急に一気に出さないことも大切なんです。

その話は後日書きます。

糞詰まりになったら是非とも肛門科の先生にかかりたいものですね(*^_^*)

だったらちゃんと平日の病院が開いている時に受診しましょうね!

だってね

便は急に詰まりません^_^;

あと一日!

その一日が後悔の元ですよ!


詰まりかけたかな・・・

と感じたら受診してもいいんですよ(*^_^*)


摘便は肛門科医の腕の見せ所

是非とも病院が開いている時間に

肛門科の先生にかかってくださいね(*^_^*)



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