摘便は手術と同様、ちゃんとした技術です。
私たち、肛門科医は手術と同じように摘便の技術を磨いています。
なるべく患者さんの苦痛が少ないように配慮しながら便を出してあげる努力も怠りません。
固まった便をほぐして、少しずつ出す方が痛みが少なくてすみます。
でも理由はそれだけじゃないんです。
実は、一気に大量の便を出すと血圧が下がって心停止が起こることがあるんです(;。;)
私は経験したことがないのですが、同業者の先生で、摘便で心停止が起こり、蘇生を行った経験が何度かあるという話を聞きました。
全例、高齢者だったそうです。
なので高齢者の摘便は要注意なんです。
直腸に溜まっている便を一気に出すと、自律神経の反射が起こって
気分が悪くなったり、
冷や汗・脂汗が出たり、
めまいがしたり
フラフラしたり
吐き気がしたりすることは
年齢に関係なく、通常でもあるんですよ。
これ、摘便だけじゃなくて、浣腸や便を出す座薬でも起こります。
だから浣腸や座薬を初めて使うときは医療機関でやるべきだと思います。
反応は人によって様々です。
ほとんどの人は大丈夫なんですが、たまに自律神経の反射が出る人がいます。
そのような人には浣腸や便を出す座薬は使いません。
というか使えません。
浣腸や便を出す座薬は薬局でも売っているので、手軽に手に入りますが初めての方は十分、注意して下さいね。
危ないですよ。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです♥
犬のようちえんで散歩のトレーニング
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また便がパンパンに詰まってたりすると、詰まりを取ると一気に便が吹き出すこともあります。
ある意味、仕方がないのですが、できるだけ少しずつ少しずつ出すようにしています。
自律神経の反射を起こさないように、少しずつ少しずつ出すんです。
ある程度、詰まりが取れたら浣腸や座薬を使います。
でも、どのタイミングで使うかも、患者さんによって様々です。
高齢者だとオシリのしまりも悪くなってるので、浣腸しても液が全部漏れてしまって全然効かないことも多いです。
だから最後まで摘便で出し切ることもあります。
要するに対処法は一つじゃないんです。
正解も患者さんによって違うんです。
教科書通りには行かないことも現場では多いんです。
だから「たかが糞詰まり」でも、専門性の高い先生にかかってほしいです。
たくさんの経験と教科書にはない生きた知識を持っているはずですから。
たかが糞詰まり
摘便でショックを起こし死に至ることもあります。
だからちゃんと肛門科の先生にかかってくださいね。
あなたの近くにもきっといます(*^_^*)
摘便の上手な先生が・・・
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