ところで「名医」って何ですか?
「名医」ってどんな先生ですか?
有名な先生?
権威のある先生?
学会で活躍している先生?
テレビや雑誌に出ている先生?
手術の上手い先生?
患者さんと話をしていて、患者さんが思っている「名医」って、テレビや雑誌・本に出ている先生のことを指しているようです。
テレビに出ていたら「すごい先生!」ってなっちゃうようです^_^;
そして「テレビの言うことが正しい」と思っちゃうようです^_^;
それが間違っていても・・・。
だからテレビやラジオや雑誌で痔の特集があると、電話での問い合わせが増えます。
これは肛門科に限ったことではないようです。
先日、某テレビ局で「予約殺到!スゴ腕の専門外来SP」という番組に出演した先生が「キズの治りが早く傷痕も残らないというキズ治療法を紹介」しておられたのですが、専門家から見たら???という内容だったようで・・・^_^;
詳しく知りたい方はコチラ↓を読んでみてください。
とってもキュートな岩城先生のブログ
昨夜のテレビ番組にもの申す!
テレビは視聴者の興味をそそり、インパクトを与えるために制作者が自分の思うように編集したり、
医者にとったら大事な部分をカットしたりします。
だから誤解して伝わってしまうこともしばしば・・・。
だけど・・・
目の前の医者の言うことよりもテレビの言うことを信じる人がいたり、
テレビでやっている治療法を希望される患者さんもおられます。
その治療法が自分に合ってなくても・・・(-_-;)
また病気探しをする人も多いですね^_^;
あっ!自分にもそういう症状ある・・・
もしかして私も・・・
って不安になる気持ちは良く分かります。
でも、勝手に病気にならないでください。
勝手に病気にしないでください。
特に痔に関しては「私も痔かも・・・」と思って来られた人で、本当に痔だった人って、すごく少ないですね^_^;
そこで「良かった-!痔じゃなかったんだー!」って喜んで帰って行く人はいいのですが、
まれに
「えっ?!痔、ないですか?ホントですか?ちゃんと見てくださいね。あるはずなんですけど」って、
痔じゃないとガックリしたり、痔と診断して欲しい人がいます(-_-;)
そこで私が
「痔ですよ。手術した方がいいですね!」
って言うと手術を受けそうな勢いです^_^;
でも私は痔じゃない人には「正常肛門ですので何も心配いらない」と言って帰すので、もしかして他の肛門科に行って手術されちゃったかもしれませんね^_^;
切る方が儲かるので、切りたい先生はいっぱいいますからね^_^;
だからわざわざ症状もないし、何も困ったことがないのに、下手に肛門科を受診しないことです。
おしりチェックのために受診することはオススメですが、「手術です。切りましょう!」と言われてもスグに手術を受けない賢さが必要です。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
具合が悪くないのに犬が餌を食べない場合
すぐに餌を取り上げ、その日、翌日は水だけにします。
犬のわがままを通さないように躾けます。
(日本アニマルセラピー協会)
具合が悪くないのに犬が餌を食べない場合
すぐに餌を取り上げ、その日、翌日は水だけにします。
犬のわがままを通さないように躾けます。
(日本アニマルセラピー協会)
医者の間ではテレビに出てる先生が必ずしも「名医」とは限りません。
私たち医者にとっての名医とは、
手術が上手い先生だったり、
適切な診断と治療が出来る先生だったり、
医者としても人間としても尊敬できる先生だったりするわけです。
またどの業界でも言われていることのようですが、
本当に手術の上手い先生はテレビに出てないそうですよ^_^;
ちなみに肛門科では一部正しくて、一部間違ってますが・・・^_^;
(あまり突っ込まないでくださいね)
こんなことを書いている私もテレビに出ました。
ラジオにも出ました。
たくさんの雑誌にも掲載されました。
だから人のことは言えないんですが、出たからこそ思うんですよ。
テレビを見てやってきた患者さんが私のこと「名医」って言うんですよ。
違いますよ!私は名医じゃない!
まだまだ駆け出しの若い肛門科医だったのに・・・
だから思うんです。
日本の名医ってマスコミが作ってるって。
患者さんはテレビに出てる先生が偉いって思ってるって。
ちなみにうちの院長はマスコミが大嫌い^_^;
取材の申し込みをすべてことごとく断ってきました。
おかげで取材の申し込みも来なくなりましたが・・・^_^;
以前、結構有名なテレビ番組への出演のオファーもあったのですが断りました。
出演してくれる他の肛門科の先生を探したようですが、出演された先生は肛門の専門家ではなかったんですよね^_^;
でも、マスコミの人には分かりません。
でも視聴者は「専門のすごい先生だ-!」って思っちゃいますよね^_^;
そしてその先生が言ったことが正しくなってしまう。
そしてたくさんの患者さんが殺到する。
間違った診断と治療が行われる・・・
困った患者さんが他の肛門科に流れる・・・
こんな話は肛門科だけじゃなくて他の科でもたくさんあるようです。
なぜこのようなことが起こるのか?
それは「思考停止」しているからです。
自分の頭で考えないんです。
自分で調べたり、人に聞いたりすることが面倒くさいんです。
「自分がどうか」よりも「人がどうか」が大切なんです。
だから行列に並んでしまうんです。
テレビは映像を使って分かりやすくおもしろく番組が作られています。
ある意味、最高の洗脳ツールです。
影響を受けやすい人はテレビが大好きです。
自分で決められないからです。
だから「手術です!」って言われたら「はい、そうですか」と考えもせずにその場で受けてしまうんです。
それもその人の「選択」なので仕方ないのかもしれません。
でも、必要のない手術は肛門を悪くします。
後遺症が残ると一生、排便で苦労することになります。
そうならなければ気付かない人もいます。
でも、大切な体のことです。
後悔する前にちゃんと知って、ちゃんと自分の頭で考えて、医師選びをしてくださいね。
自分で選んだことは自分の責任なので後悔が少ないです。
あなたにとって名医って何ですか?
本当に名医が良いと思っていますか?
名医にかかりたいですか?