鳥の唄—歌えない歌姫—
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「なんだ、ありゃ」
その男は、自分の見た物が信じられないといった様子で目を擦った。
男は、春先になるといつも自宅のベランダに双眼鏡を持って立つ。ここからは、渡り鳥が群れをなして飛ぶ姿が見られるのである。狭い日本の片隅で、日々ルーチンワークに従事する彼にとって、世界を自由に渡る鳥たちはちょっとした憧れの対象だった。かつては、敏腕ジャーナリストとして世界を股にかける男になりたいと夢見たこともあった。しかし、今は妻ひとり子ひとりの、この家庭を守るためで精一杯の何の変哲もないサラリーマンだ。所詮、俺は渡り鳥にはなれない留鳥[りゅうちょう]なのだ。
今日、あの晴れ空を渡る鳥たちはシギの一種だろうか? バードウォッチングが趣味になって、鳥の種類にも多少は詳しくなった。あれはキョウジョシギだろうか? よく目立つ黒のまだら模様が京都の女性の着物に似ていたことから、そう呼ばれるようになったと聞く。俺も新人だった頃は、出張先の京都で舞妓さんといい仲になったこともあったが、化粧を落とした顔はまるで……
そう、優雅な渡り鳥の群れの中でただひとり不格好にふらふらと必死に飛ぶ、あいつのような顔だったんだ。え!? ちょっと待てよ、なんで1羽だけおかしな鳥が混じってるんだ。
「あれは確か……」
男が目を擦って、再び空を見たときには、もう渡り鳥たちが過ぎ去ったところだった。後には、雲ひとつない青い空が広がるのみ。
「寝たりないようだな。せっかくの休日だし、二度寝するか」
新聞屋が朝刊をポストに入れる音が聞こえたが、どうせたいしたニュースはないだろう。妻と娘には悪いが、今日は昼まで寝ているとしよう。そう思いながら、男は自室のベッドへと戻っていった。
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俺の名前は古井隆介。レコード会社兼芸能事務所ベイマックスにて所属タレントのマネジメント業務を行っている。ベイマックスは元々レコード屋が本業だったが、ダンスミュージックブームを経て業績を上げ株式上場などを果たした後は事業拡大し、タレントマネジメント業務も行うようになった。それで引き抜かれたのがアイドル系タレント敏腕マネージャーとして、その筋じゃ名を知られていた俺ってわけだ。もっとも俺が敏腕だなんて思ったためしは、一度としてない。多数手掛けたアイドルたちの一部に、圧倒的な天才がいたってだけさ。俺のしてることなど、わがままなアイドルの御機嫌取り程度。あいつらの面倒みるのも大変だぜ? 人の言うことは聞かないし、やっと売れたと思ったら陰で男作ってたのがバレてフェイドアウトとかな。見た目は華々しいが、あいつらアイドルはろくでもないやつばっかりだ。でも、本当にろくでもないのは、世間を知らない幼い子供たちを仕事漬けにして青春を奪ってる俺たち業界の人間なんだがな。
成功するのは一握りで、後はろくに名前も知られぬまま消えていくアイドルたち。だけど、俺はこいつの名前だけは一生覚えているだろう。
森野美鳥。
七色の歌声を持つ少女。
歌うことを忘れた歌姫、森野美鳥の名を——
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2010年、8月30日。
■ベイマックスボーカリストオーディション、グランプリは13歳の女子中学生に
先日28日行われた、ベイマックスボーカリストオーディション決勝大会にて優勝者が決定。その栄冠は、東北在住の女子中学生森野美鳥(13)さんに送られることとなった。森野さんは、地方大会の時点でその圧倒的な歌唱力を評価され優勝は間違いと言われていたが、今回それが実現した。森野さんは、年末のCDデビュー目指し、今後は上京しレッスンに励むことになる。
●グランプリ森野さんにインタビュー
Q:「美鳥」とは変わった名前ですよね。
A:わたしのお母さんが鳥好きなんです。家でもインコが1羽いて、わたしと一緒に育ったんですよ。
Q:インコですか! 美鳥ちゃんみたいに歌ったりも?
A:覚えさせようとはしてるんですけど、うまくいかなくて。変な言葉ばっか覚えるんですよ(笑)
Q:ほほう。どんな言葉か気になりますね。
A:「バカ」とか「アホ」とか「チビ」とか(笑)なぜか、わたしをバカにする言葉ばかり覚えるんです。誰が、そんな言葉覚えさせたのか不思議で(笑)
Q:それは不思議だ。案外、美鳥ちゃんが教えたんだったりして。それはともかく、今後はどんな歌手になりたいのかな?
A:我那覇美奈恵さんや山崎みゆきさんみたいに、世界で通用したり自分で作詞作曲する歌手になりたいですね!
Q:ベイマックスの先輩アーティストの名前が挙がりました。これは言わされてますね!
A:そんなことないですよ(笑)
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「ねえねえ、今日の新聞見たーっ? これこれ、わたしのことが記事になってるんだよー!!」
「おれは夏休みの宿題の追い込みが忙しくて、新聞なんか見てる暇なんかない。つうかそもそも、新聞をとる金がない」
朝っぱらから近所に住む2つ年下の幼なじみの美鳥が、新聞両手にノックもしないでおれのうちに飛び込んできた。
「見てないなら今見ればいいよ! ほらほら」
「なになにセクシー女優わくわく淫タビュー、『初体験の年齢は?』『16歳のとき、彼氏と学校の教室内で……」
「そんなインタビュー、わたし受けてないし!」
「逆、逆、裏表逆なんだっつうの」
おれに見せてる紙面が、裏表逆なことを美鳥はいまだに理解していなかった。美鳥は、こういう天然ボケなところがある。おれは悪い奴らに騙されないか心配だ。
「あっ、素で間違えてた。ほら、こっちに紙面の4分の1使ってわたしの記事が出てるんだよお」
「隣に出てる『宇宙人またもや発見!』の記事のほうが扱いでけえじゃねえか。つうか、なんでよりにもよって競東スポーツなんか持ってくる」
紙面の半分がデタラメで構成されてることで有名なスポーツ新聞だぞ、それ。
「だって、うちのお母さんがこれ好きなんだもん。それはともかく、ここ見てよ! サブローのことも書いてあるんだよー」
サブローってのは、美鳥のうちで飼ってるインコのことだ。このインタビューにも書いてあるとおり、美鳥の母親の万里子さんは鳥好きでサブローは美鳥が生まれる前から飼ってたらしい。
「なになにサブローに『バカ』『アホ』『チビ』とか言われて困る? 全部その通りじゃないか。誰が教えたんだろうな」
「全然違うし。シラを切ってるし。どう考えても、こんな言葉教えるのはひとりしか思い当たりませんからー」
「万里子さんだな。虫も殺さぬような顔して、娘の悪口をインコに吹き込むとはなかなかよりよるわい」
確かにあの万里子さんなら、ゴキブリすら殺さずに逃がすだろうということがおれには確信できる。美鳥が幼い頃に旦那さんを亡くして、母ひとり子ひとりの母子家庭で立派にやってきた人だからな。あの人は、人間ができてるんだ。というわけで、真犯人は……
「犯人は、谷川衛[まもる]。あなたです!」
どこかの少年探偵よろしくポーズを決め、おれを指差す美鳥。
「残念、真犯人は新聞屋の吉田照彦(38)さんでしたー。日々の激務に疲れた吉田さんは、毎朝競スポを美鳥のウチに届ける際に、サブローに向かって「バカ」「アホ」と呟いていくのでありました。あのサブローとかいうインコは、ふざけたツラしてるしな。つい、出来心でやってしまうのだろう」
オカメインコだったっけ。サブローは、人を小馬鹿にしたようなふざけた顔をした鳥なのだ。
「サブローは室内飼いしてるから、新聞屋さんが犯人なわけないし。どう考えても、犯人はマモルくんだよ」
「そんなことはどうでもいい」
別に犯人が誰かとかは、どうでもいい。気になる事は別にあった。
「どうでもよくないし」
「美鳥、おまえもうすぐ上京するんだろ?」
「……」
生まれたばっかの雛鳥のように、ピーチクパーチクやかましかった美鳥が沈黙する。
「その新聞記事にも書いてあるとおり、年末のCDデビューのために今から上京してレッスンだか色々するんだろ? 東北のこの辺じゃ、レッスン用のスクールとかも見当たらないしな」
アホの美鳥がどれだけ理解してるのかわからんが、今回こいつがグランプリを取ったオーディションはベイマックスが社運を賭けて行うプロジェクトらしい。ネットで見掛けた事情通の話によると、オーディション合格後すぐに上京し、生活の全てを事務所に管理されるということだ。学校はもちろん転校。そもそも上京後、まともに学校に行けるのかどうか。
「うん。実は来週にはもう、東京に行かなきゃいけないんだ。学校も転校だって」
二学期からは、もう美鳥の学校の制服も見れなくなるのか。朝の通学路、美鳥の通う中学とおれの通う高校への分かれ道。そこにたどり着くまでダラダラとくだらない世間話をしながら歩く、いつものあの日常も、もうなくなるんだな。なんだか急速に、色々なものが失われていくことにおれは動揺を感じていた。しかし、なにをどうすればいいかはさっぱりわからない。
「そうか。寂しくなるな」
言わなきゃいけないことは他にあるはずなのに、おれはこんなことしか言えないのだ。
「うん。わたしからも大事な話があってね」
「なんだ?」
「お母さんのこと。まだわたしからも、うまく説明してないんだけど、ひとりになっちゃうでしょ? わたしがいないと、寂しいと思うんだ。だからマモルくんが時々、様子見に行ってほしいの」
万里子さんは、美鳥を育てるためだけに生きてきたような人だ。その美鳥が急にいなくなれば、どうなるかはおれにも
想像がつく。
「ああ。わかった。でも、やかましい鳥が一匹いなくなって、案外前より元気になるかもな」
「やかましくないし! まったく……でも、頼んだよ。……あとね……」
「まだ、なんかあんのか?」
「……えとね、10月の誕生日には、こっちに戻ってこれるんだって。うん、そのときに色々話すよ。だから、プレゼント用意しといてよね!」
「はいはい、わかったでございますよ。給料3ヶ月分の指輪でもプレゼントしてやるから待ってろよな」
本当に大事なことは、なにひとつ言えないのだ。あいつがおれをどう思っているかも、おれがあいつをどう思っているかも気付いているはずなのに。
「期待して待ってるからね! ……じゃあ」
その言葉を最後に、森野美鳥はおれたちの住む町から去っていった。
私立諸越学園芸能科(仮)第5話
第5話「ROCKIN'ON IDOL」
夢と現実のギャップには、誰しも悩まされるものだ。
では、海江田弓佳の場合はどうか。彼女は14歳の若さにして、アイドルグループSGM128の第一期メンバーオーディションに合格し芸能界デビューした、いわゆるシンデレラガールである。彼女は何故、アイドルになりたいと思ったのか。彼女は、とあるインタビューにて次のように答えている。
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ビリー・ウイスキー :今日はSGM随一の巨乳ちゃんとして名高い海江田弓佳ちゃんをお招きしたわけなんですけどね。まず、どうしてそんなにおっぱいが大きくなっちゃったか聞いてみるかな? オレは、弓佳ちゃんの出身地にその謎があると思うんだけど、どこ産まれだったっけ?
海江田:北海道なんです。道産子育ちなんですよー。
ビリー:お〇〇こ育ちいい? 弓佳ちゃん、いきなりスゴいこと言うねー
海江田:「どさんこそだち」です!
ビリー:弓佳ちゃんのアニメみたいな声だと、やっぱり「おま〇〇育ちいい」って言ってるように聞こえるなー。もう一回、言ってくんない?
海江田:ど・さ・ん・こ・そ・だ・ち・です!
ビリー:今度は、お〇〇こ、気持ちいい~って聞こえたよ。
海江田:もー! わたし、おま【以降、SGM運営から掲載NGが出たので一部インタビューを省略】とか、言ってませんからー
ビリー:やー、ま、このやり取りだけで今回のインタビューはいいかな? っても思うんだけど、なるほど北海道生まれかー。どうりで色白なわけだ。やっぱり、色白は巨乳に映えますよね!
海江田:グラビアアイドルとかの方に比べると、わたしそんな胸大きくないと思うんですけど……
ビリー:でもSGMの中じゃ、かなり大きいほうでしょ? こう、メンバーみんなで温泉に入る機会とかあったと思うんですけど。その素っ裸のメンバーたちと比べてどうです? おーあたし、パイオツでけーな! とか思いませんでした?
海江田:うーん。まあ、ああ大きいほうなのかなーとかはちょっと思ったかもしれませんね。
ビリー:なるほど。メンバー間では、何番目くらいにデカいのかな?
海江田:うっ、うーん。研究生含めると、ちょっとわからないですけど正規メンバーなら上から5番目以内に入るかと……
ビリー:おおー! ベスト5だね! 神5ならぬ乳5! これはSGMファンの男の子も気になってると思うんだけど、こいつ脱いだらスゲーな! ってヤツとかいる?
海江田:えーっと。御坂さんとかは、わたしが小さい頃から拝見してることもあると思うんですけど、うわあ大きい! って思いましたね。
ビリー:おー! SGMセンターの御坂の名がいきなり出たな! オレ、まだ会ったことないから、どういう子か気になるんだよね。つうか、御坂って弓佳ちゃんとタメでしょ。それなのに敬語使ってるけど、なんでなの? 御坂は実は、やんごとなき方だとか?
海江田:やんごと……なき? それ、またエッチな言葉じゃないですよね?
ビリー:いや普通の言葉ですよ? 古語だね。
海江田:あ~。わたし、古文とか苦手なんですよ~
ビリー:古文もなかなか面白いですよ~。源氏物語とか、有名だけど基本的にイケメンが女とやりまくる話ですからね!
弓佳ちゃん、『かわつるみ』とか、非常に素敵な意味を持つ古語もあるんですよ。
海江田:かわつるみ……。なんだか、かわいい感じの言葉ですねー
ビリー:かわいいですよねー。オレも、今でも1日1回は欠かさず『かわつるみ』してるぐらいですからね!
海江田:そんなハマっちゃうくらいスゴいんですかー
ビリー:もしかしたら、弓佳ちゃんもやってるかもしれませんよ? オレ、『かわつるみ』してる弓佳ちゃんを想像すると、キュンとしちゃうなー
海江田:そうなんですかー。ありがとうございます!
ビリー:で、やんごとなき……こう貴族的な人なのかな御坂は? って、聞いたわけなんですけど。
海江田:あー。御坂さんの育ちとかは、よくわからないですね。あんまり、お話することもないんです。わたしより芸歴も長いですし、憧れの存在って感じで、いつも遠くから眺めてる状態ですねー
ビリー:そうなんだ。御坂って、Wikipediaとか見ても芸能活動始めるまでの経歴がなにも書いてなくて、謎に包まれてるよね。まあ、そこがミステリアスで魅力なんですけど。
海江田:わたしも3年近く一緒にSGMやってますけど、いまだに謎だらけですよ。でも、わたし御坂さんに憧れて芸能界に入ったんです。
ビリー:ほー、そうなんだ。それは、やっぱり『すがもん。』の活動を見て?
海江田:はい! そうですそうです!
ビリー:おー弓佳ちゃんのテンションが上がってきた! ほんとに『すがもん。』の事が好きだったんだ。オレ、『巣鴨デパート』は毎週欠かさず見るくらい好きだったんだんだけど、初期の馬鹿馬鹿しい企画が好きでねえ。若手お笑い芸人たちにオナニーするのを我慢させて、夢精するときに出たザーメンの量でランキング決めるヤツとかね。知ってます? 『日本一コクのあるザーメンを決めよう選手権』だったかな? そのときの1位が、シックスティーシックスの丘林さんですよ。彼も出世したもんです。
海江田:そうなんですか……。わたし、『すがもん。』を最初に知ったのは、赤白歌合戦で見たのが最初なんですよー。『巣鴨デパート』の番組企画でユニットが生まれたことはもちろん知ってますけど、その頃の事は詳しく知らないんです。
ビリー:あっ、そうなんだ。赤白歌合戦なら、もう『すがもん。』全盛期だよね。初期の頃は、やっぱりこうイモ臭くてねー。まあ、そこが視聴者の共感を生んだんだけどね。でも、御坂はやっぱり子供ながら垢抜けてるというか、ちょっと一筋縄ではない感じが当時からしたな。
海江田:わたしも赤白で『片恋リローデッド』を歌う御坂さんを見て、衝撃を受けたんですよ! とにかくサビの御坂さんの動きとか、凄くて!
ビリー:「チェンジ マイ ワイフ! チェンジ マイ ワイフ!」ってサビでしたよね。あの頃、オレの友人のきむらじょんさんがちょうどワイフを変えたばっかの頃で、「これはきむらさんのための歌だよね」って、オレの周辺じゃ言われてたんだよね
海江田:ワイフじゃないですよ! チェンジ マイ ライフ! ライフです! とにかく最後の大サビのところで、こう……御坂さんが腰から拳銃を取り出してバーンて撃つような振りがあるんですけど、これが本当にカッコよくて!
ビリー:ほほう。じゃあ、ちょっとこんなものがここにあるんだけど、弓佳ちゃんがその最後の大サビを再現してくれるかな?
【スタッフ、ポータブルCDプレイヤーを用意し、『片恋リローデッド』のカラオケを再生】
海江田:えー! いまここで物真似するんですか! 超恥ずかしいですよ! そんなの、わたしできないです!
ビリー:まあ、今回は文字だけのインタビューだけですからね。そんなに恥ずかしがることないんで、さあ、大サビが来ちゃいますよー
海江田:えっ、えー
【突然、椅子から立ち上がり、踊り出す海江田。軽いノリでやると思ってたビリーやスタッフだが、なにかが乗り移ったような海江田のマジな目付きを見て軽くビビる】
海江田:change my life
change my fate
例え定められた運命でも
変えてみせるよ
片恋リローデッド
change my life
change my dream
例え選択間違っても
まだやり直せるよ
片恋リローデッド
諦めなければ
願いは叶うよ
両想いレボリューション!
ビリー:おー! こりゃ、すげー!
【歌い終わった海江田、そのまま放心状態でしばらくボーッとしていたので、ここでインタビュー一時中断】
ビリー:はい、ちょっと弓佳ちゃんが気持ち良すぎて天国にイっちゃうとこだったんですが、なんとか戻ってきましたよ。
海江田:はい、なんかボーッとしちゃいましたね。すいません。
【スタッフから差し出されたカルキスウォーターをだらしなく口元からこぼしながら答える海江田。心配したビリー、スタッフに耳打ちし予定より早くインタビューを切り上げることに】
ビリー:えーっと、その赤白歌合戦で歌う御坂の姿を見てアイドルに憧れた弓佳ちゃん、『すがもん。』のファンになるわけだけど、なんと『すがもん。』は『巣鴨デパート』の終了と共に、半年後に解散してしまう!
海江田:はい~。『すがもん。』というか~御坂さんの大ファンになって、『スガデパ』も見始めたんですけど、すぐに終わっちゃって残念でしたね~。あはは~。
ビリー:だけど、その『巣鴨デパート』の最終回にて、『すがもん。』の後を継ぐアイドルグループ企画としてSGM128プロジェクトが発表された! 御坂あかりを中心に始まる新しいアイドルグループSGM128。この第一期メンバーを御坂あかりが自ら募集することで、『巣鴨デパート』は終了したわけだ。え~と『テレビを見てるそこのあなた! あなたには、まだ見ぬ才能が眠ってるんじゃないですか? わたしと一緒に新しいことを始めてみませんか? あなたが新しい扉を開きわたしのもとに来ることを、今から期待して待っています!』と、こんな募集文句だったね。
海江田:そうですよ~。もう、『すがもん。』が終わると知ってショックだったんですけど、また新しいグループが始まるってなってビックリしちゃいましたー。あははっ。
ビリー:『ボクたちは、眠り姫が目覚めることを、いつだって待っている』SGM128総合プロデューサー夏樹功が用意した、オーディション用キャッチコピーをテロップとして最後に映し、『巣鴨デパート』は完全に終了した。
海江田:あの終わり方は、とってもカッコよかったですよね~。ビリーさん、よく細かいとこまで覚えてますよね~。うふふっ。
ビリー:まあ、オレは資料見て言ってるだけだから。で、そのオーディション告知を見た弓佳ちゃんはどうしようと思ったの?
海江田:もう、わたし興奮しちゃって、いま思い返すと恥ずかしいんですけど~番組終わってすぐにテレビ局に電話したんです! 「このオーディション受けたいんですけど、どうすればいいんですか?」って! 普通は、まず書類とか送るみたいなんですけど、わたし、そういうの全然わからなくて。でも、わたしの場合、なんかその電話から番組スタッフに繋がって、さらに夏樹先生のとこに繋いでもらったんです! もう超ラッキーですよね!
ビリー:まあ、ラッキーガールだよね。
海江田:夏樹先生、『ちょっとルール違反だが、君がSGMメンバー応募者第1号だ。来週の土曜日にでも、僕のとこに来れるかな。僕は、君の容姿すら知らない。だけど、自らの初期衝動を素直に受け入れる君は、間違いなく才能を秘めているだろう。僕には、君がSGM第1期メンバーとしてステージに立つ姿が見えるよ』って、言ってくださったんですよ! 意味は完全にわからなかったんですけど、実質合格みたいなこと言われてビックリしちゃいましたー!
ビリー:夏樹さん、カッコいいこと言ってますけど、面接に来たのがおかちめんこな子だったら、どうする気だったんでしょうね。
海江田:ビリーさん、またエッチなこと言ってませんかー? うふふっ。
ビリー:いや、あんまり口に出してはいけない言葉ですけど、エッチじゃないですよ。むしろ、さっきからトリップ状態の弓佳ちゃんがいちばんエッチだっていうね。
海江田:わたし全然エッチじゃないですよ~
【口元からこぼれたカルキスウォーターで、衣服がスケスケ状態になり、豊満な胸の谷間が丸見えの海江田を見て、ビリー、これ以上インタビューは無理と判断】
ビリー:じゃあ、最後に。オーディション合格当時は、そのデッカいおっぱいもまだ小さかったわけですよね?
海江田:いまと同じくらいですよ~。うふっ。
おしまい。
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水着グラビア撮影メイキングや、インタビューの際、御坂のモノマネをする海江田の姿も特別公開! 詳しくは特設サイトまで!
第6話に、続く。
