のだま(野球)カンタービレ -23ページ目

なんだかなー。

セキトバさんの往診の友、TOYOTA Vitz君、めでたく30万キロ達成の瞬間!

ん?

あれ?

299999キロで止まったまま!

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まさかこのタイミングで壊れるとは思えないのでトヨタに問い合わせ。

「トウシャデハ ソコマデノソウコウキョリハソウテイシテオリマセン。オドメーターハソノキョリデシュウリョウデス。ツキマシテハ ソノママデハ シャケンヲトオセナイノデ ディーラーニテ シンピンコウカンヲシテクダサイ」

メーターを新品に入れ替えろって?
4~5万円は部品代かかるでしょ。
それプラス工賃。

更に調べるとウチのヴィッツと同年代のトヨタ車はクラウンも含めて数車種は同じ仕様だと。

ディーラーに連絡すると「あ~、新品交換ですね~、ちなみにディーラーではメーターのゼロリセットはやりませんので悪しからず」

何じゃそりゃ!

目標は38万キロ。

月までの距離だったのに…

めげないセキトバさん

車関係の友人は沢山!

そのツテを辿って ある計器修理屋さんを紹介される。

何と九州の福岡市。

「そうですか。それは私も知りませんでした。多分コストダウンの一環でしょーね。ウチでゼロリセットしますからメーター送って下さい」

おー、ありがたい。
場合によっては30万キロ越えの表示も可能かもと…

トヨタさん的には想定外の距離かもしれないけど 勝手に限界点作られるの、ヤなんですよね。

もう乗るなって言われているみたいで。

別にこの車に惚れ抜いている訳ではなく

この大きさでマニュアルで四駆はこれしか選択肢が無かっただけ。

でも

地元のタクシーも拒む峠の雪道を突破したり 家族を乗せて出掛けたり 震災後の冠水した道を水しぶきを上げながら往診をしたり…

まだまだ壊れる気配が無いので 手に馴染んだ道具として使いたいのです。

最近のディーラーは部品交換ばっかり勧めて故障箇所の修理なんてやりませんもんね。

整備士の腕、落ちないんでしょうか?

この分野からも職人芸が消えていきそうで寂しいセキトバさんでした。


それにしても

月って


なんて遠いんだろう!

疲れた時は


今日も仕事に勤しむセキトバさん。

疲れたなー。(*`へ´*)

急にプリンが食べたくなり車でコンビニに…

あっという間に食べ終わり、カランとゴミ箱へ…

疲れ、取れないなぁ。

うん、

そんな時はこの一枚。

セキトバ with 高須洋介。

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これを見ると元気が出るんだなぁ!

つかささん、写真ありがとね!

往診は大変なのだ

楽しかった高須選手との交流会も終わり、気分転換もできて地域医療に勤しむセキトバさん。

月曜日…

いつもなら また一週間かぁ と憂鬱な気持ち。

もーね、
高須効果で元気ビシビシになっちゃったセキトバさん、いつものように昼往診。

今回は初めて伺うお宅。

岬の先っぽ。

ジーサンバーサンの二人暮らし。
二人ともウチの患者さんなのですが、ジーサンのT助さんが在宅酸素療法を開始、「外さ出るの大変だがら来てけらいん」と。

ナビに住所入れると細ーい枝道を右に左に…
なんかイヤな予感…

早めに往診車を出します。

途中の海沿いの道。
ここらは津波で全部持っていかれました。
地盤沈下で大潮と満潮が重なるとこの道はすっかり冠水します。
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岬の先まで車を走らせ、ぴろっと枝道に入るとさぁ大変。

道の舗装は途切れ、どんどん狭くなります。
げ、道が無くなった。

目的地は近くだけど道が無ーい!

ナビは沈黙。

広い道に戻り、電話で近くまで迎えに来てもらいます。

「なんだべ!しぇんしぇ、こっちがら来てもウチにはつかねぇべ。あっつぁがらまわんねえど。案内すっから車でついて来てけさいん!」

「いやいや、車に乗って下さい!」

「オラ、歩ぐの好きだがら大丈夫だぁ」
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トコトコ歩いていきます。

結構な坂道、バーサン、どんどん上がっていきます。

うーん…

マニュアルミッションの車でバーサンの歩くスピードで半クラッチで坂道を上がるのはツライぞ!

なんかこう、

バーサンに連れられた犬の散歩状態…

バーサンが立ち止まるとこっちもクラッチ切ってブレーキ。

「あのー、やっぱ、車に乗りませんかぁ?」

窓から顔を出して叫ぶセキトバさん。

「うんにゃ。歩きがええで」

ぐっすん。

半クラッチで足が足がつりそうになる頃。

着きました。

こりゃ案内が無いとわからん!

家に上がらせてもらうと

T助さん、

「ば!来てくれたのスカ!遠がったべ!」

この方は元漁師。

ウチに通院していた頃はウニの口が開くと(こちらではウニ漁の解禁の日をこう呼びます)捕ってすぐ殻を割り、綺麗な海水でざっと洗って持ってきてくれました。

「ほれ、しぇんしぇ!あんだが好ぎなやづ、持ってきだがらね、そのかわり煙草止めろは言わないでけさいん!」

そうなんです。

長年の喫煙で慢性閉塞性肺疾患となり、風邪がきっかけで呼吸機能が悪化、在宅酸素療法となった訳です。

はい、T助さん、指貸してくださいね。

モニターを指先に装着、酸素飽和度を測ります。

SpO2 95%

あまり良くないなぁ…

色々やっているとバーサンはクルクル動き、テーブルの上にミカンやケーキやお茶やら、次々と並び始めます。

「あ、クリニックにすぐ帰らなくちゃいけないから お構いなく」

「何言ってんだべ。お茶、飲んでけさいん」

T助さん、

「んだんだ。この時間にしぇんしぇんどご来んの、近所のジーバーばっかりたべ?いーんだぁー、あいづら暇なんだがら、10分位おぐれでも文句さ、いわねえべ」

駄目ですよぅ…

さ、今度は採血ね。セーター脱ぎましょ。

あれぇ、T助さん、何枚着てんのぉ?

腕出すのに5枚脱ぎました。
「こんくらい着ねえと、寒いべ」

「この人なぁ、オラの言うごだぁ聞かねえのす。今度地震ぁ来だならジーサンばネコさ積んで(ネコ…ニャンコぢゃありません。工事現場で土運ぶ小さな一輪車の事です)逃げっぺど思っだんだけど酸素やら何やら積むのも大変だし言う事聞かねえしでオラ一人で逃げっぺ。なぁ、ジーサン!」

「しぇんしぇ、聞いたべ?このババァ酷いべ?坂道でオラ、息苦しいのに先行ってオシリペンペンしたりすんのす」

ほら、T助さん、採血すっから動かないでけろ。

「あっはぁ!今までオラに迷惑かげだ報いだぁ!あんだげしぇんしぇに煙草止めろ言われだのに止めなかっだからだぁ!オラ、次は一人で逃げっから、ジジババ、てんでんこだぁ!」

てんでんこ…

別々に、という意味です。
古くから伝わる言葉。

津波てんでんこ。

津波が来たら家族が残っていようが逃げれる者から逃げろ。一家滅亡を防ぐために…

「てんでんこ!ハァ?まったぐひでぇ婆ぁだべ!」

「アハハ!」

大笑いしながら何故かラッキョの入った壺を私の目の前に置くバーサン。

「お茶どラッキョでコタツは最高だべ」

すっかり諦めたセキトバさん、お茶啜りながらラッキョをカリカリ。

「う、うまい!」

「んだべ!オラが漬けただ!半分やっから持ってってけさいん!」

ビニール袋に分けてもらい、やっと往診終了。

酸素の量の調節を指示して、 んじゃ!採血の結果出たら電話すっからね。

あんだけ喧嘩していた二人がチョコンと並んで「具合悪ぐなったら救急車呼ぶ前にしぇんしぇに電話すっからなぇ、道迷いしないで来てけさいんねぇ」

その言葉、グッときました。

ラッキョ、ポリポリしながらクリニックに戻ったのは午後外来開始5分前。

一人の患者さん診るのに一時間半かかっちゃいました。

でもねぇ…

お元気な顔を拝見すると嬉しいんですよねぇ。