俺の相方 レイ
『―――レイ?』
『あぁ。まだ若いがすごい腕をもったやつだ。』
ギースはふかぶかとうなずきながら俺に言った。
2年前、俺はアメリカである事件に関わっていた。
こんな自分を引き取ってくれた養母に恩返しするため、
自ら組織に属し、己が持つ能力を提供していた。
『レイっていうと、』
レイチェルかレイモンドか・・・
レイという名前の人物を想像していると、隣にいたジャックが肩に手を置いてきた。
『知ってるか?そいつがいて解決しなかった事件はないぜ』
『何か、特別な能力でも?』
『あぁ。お前と同じだよ。ただ、あいつのはケタ違いの怪物だがな。』
同じ・・・
という事は彼もまた、この世界の言葉で言う、“超能力”の持ち主ということだ。
『あまり近寄らないほうがいいぜ。食われるから』
『ジャック!』
珍しく、普段は冷静で声など荒げることの無かったギースが慌てている。
『なんだよギース。お前だって、触れない癖に。』
『・・・』
『触れない?』
『読めるんだよ。ココが。触るとな。』
そういってジャックは親指でトントンと自分の心臓を指す。
『―――そ、』
それは、すごくないか?
『味方ならいいが、敵にはしたくないがな』
軽いため息とともに、ギースはつぶやく。
『でも、ココロが読めるんであればこんな事件、簡単にけりがつくでしょう?
俺が、今ここに居る意味も、貴方方が夜通し捜査をする必要もない。
なぜ―――』
『ケタ違いだっていっただろう?
確かに奴がいればすぐに解決するが・・・』
『ギース』
とがめるような声が聞こえた。
ふりかえると、そこには黒髪の少年が立っていた。
自分と同じくらいか、もっと下か。
『よう、レイ』
『レイ?!彼が・・・?』
想像していた人物とはまるで正反対だったため声がうわずる。
「君は・・・日本人?」
アメリカなまりも無い、きれいな日本語だった。
「え・・・あ、ああ。君も?」
「そう。俺は、高村 零。」
「・・・宇佐美 透」
風が、吹き抜ける。
「トオル、俺に協力してくれないか」
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