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放射線物質の流出が止まりません。。

昨日の記事の続報です。
(2号機ひび割れによる、汚染水の海水流入問題について)

やっぱりというべきでしょうが、現時点でも海水への流出が止まりません。

 ・新聞紙・おがくず投入も水流出減らず…福島原発

正直、新聞紙やおがくずで流入が止まるとは思えないのですが、、、
小学校の夏休みの自由研究のような対応ですが、本当に効果があるのか非常に疑問です。
この対応から見るに、現状、かなり打つ手がないのだと思います。。

さて、そんな中、下記のようなニュースも飛び出しています。

 ・世界最大級の米コンクリートポンプ車が福島へ

凄いざっくりとした説明をすると・・・

 ロシアの輸送機(世界に1機だけ)を、アメリカまで飛ばす。
    ↓
 ロシア機に、アメリカの世界最大級のポンプ車を積む。
    ↓
 福島まで空輸


人類総力戦の様相を呈してきていますね。。

米露がこうした形で手を携えるとは思わなかった。。
どれだけの異常事態かを改めて思い知らされます。
これで少しは状況が好転すれば良いのですが。。

ちなみにこの飛行機がどんな化け物かというとこんな感じです。

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また、放射性物質の外部放出についても止まりません。
放出を終わらせる目標について、政府は「達成はおそらく数か月後が目標」と言いました。

今の政府の状況から考えて、政府がこう言う以上、事態は数か月では終わらないと見ていいでしょう。
その間にどれほどの放射性物質がまき散らされるのか懸念されます。
恐らく今以上に、人や土壌への汚染は今後深刻になってくるでしょう。

「事態は沈静化してきている」なんて根拠もない、都合の良い話を信じないように、気をつけなければいけません。

水道水が危険なら・・・?

水道水が汚染されているという話が出ています。
つい先日も東京・千葉でかなり危険な値が出ていたのは記憶に新しいところです。

今のところ、大人300ベクレル。乳幼児は100ベクレルが安全の基準値となっています。
ちなみに、何度か記事にしていますが、これは3月17日に引き上げられたインチキ基準値。
それまでは10ベクレルが基準値でした。

また、以前の記事で紹介した、広瀬隆さんは次のように言っています。

乳児の摂取限度が大人の3分の1という厚生労働省が設置した基準を、信用してはいけません。
乳児は大人の10分の1というのがヨーロッパの医学常識だからです。


つまりインチキ基準値を信じていても、乳児は30ベクレルが限度、ということでしょう。
まさしく日本は情報規制の真っただ中にいます。

さて、水道水はダメだ。
では、お茶、ジュース、ビールを飲もう、と思うかもしれません。
ですが、ここで根本的な疑問が沸きます。

果たして、それらの原料は何なのか。
もとが水道水であれば、ゴクゴク飲むのは危険ではないでしょうか。

勿論、基準値300ベクレルを超えていたら、飲料水に使用するとは思えません。
しかし、政府が300ベクレルまでなら大丈夫と言っているこの状況。
水道から290ベクレルが出ていたら、それを飲料水として使用しても、会社としては、
「安全な水を使っています」と言い切ることができるのです。

そんな中、下記のような記事が出ました。

 ・利根川の水 飲料業暗雲 ビール、コーラ「数日間停止も」

まとめると以下のような内容です。

・コカ・コーラは利根川水系の水を使用している工場がある。
・利根川から危険な値が出てきている。社内独自の厳しい基準を超えたら作成できない。
・キリンビール取手工場も利根川水系の水を使用している為、心配している。

つまり、今のところ、利根川水系の水を使用して工場は稼働中です。
お茶の殆どには、どこの水かは明記していませんから、関東圏のものは危険があります。

水道水を飲んではいけない。
だから、お茶を買ってきて飲む、という行動は一見理にかなっているように見えますが、
こうした危険が潜んでいる可能性は忘れてはいけません。

・・・もっとも、じゃぁ、どうすればよいのか、というのは難しい問題です。
安全な飲料水をどうやって仕入れれば良いのかは難しい状況になってきています。
本当に気にするのならば、水の出所がしっかりと書かれているお茶などが安心だとは思うのですが。。

日本の気象庁から放射能飛散予告が出ない理由

以前の記事で、ドイツの気象局が出している放射能飛散データをもとに注意しました。

実は、ドイツだけでなく、イギリス、ノルウェー、オーストラリアなどからも、
こうした情報は発信されています。

では、何故、当事者の日本だけがまだないのか。。
その答えは以下の記事から分かります。

 ・放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員

以下、一部抜粋。

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福島第一原発の事故を受け、日本気象学会が会員の研究者らに、
大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう
求める通知を出していたことが分かった。

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自粛呼びかけ。簡単に言うと圧力がかかっています。
発表すれば不安を招くことになる、ということは不安にならざるを得ない結果が出るということでしょう。

結果、当事者である日本の住民は、海外のサイトなどから危険情報を入手せざるを得ません。
今まで、北朝鮮・中国などの報道規制を蔑んでいた日本ですが、自国がまさかそれ以上とは・・・

2号機ひび割れ―海水汚染

ニュースでもやっていますが、2号機がひび割れ、高濃度汚染水が海に流れ出ています。

3月31日には、1~4号機の南放水口周辺の海で採取された水から、
法令基準濃度の4385倍の放射性ヨウ素131が検出されていましたが、やはり漏れ出ていました。

 ・高濃度汚染水、海に流出確認=取水口付近にひび割れ―福島第1原発

 ・海に直接流出、生態系に影響も 汚染水排除が急務

4385倍というのはいかほどかというと、仮に海水を150ミリリットル程度飲めば、健康に影響がないとされる一般人の年間被曝線量の上限の1ミリシーベルトに達するということです。
コップ一杯で年間被曝量を、しかも内部被曝。洒落になっていません。

現時点では、ピット内の水の表面付近では毎時1000ミリシーベルト以上の放射線量が観測されています。
以前、東海JCO臨界事故と比べた時に説明しましたが、単位がシーベルトです。
1時間水の付近にいるだけで、1シーベルト被曝する。。恐ろしい事態です。

ただし、海水に流れ込んでいる為、実際には希釈されることが考えられます。
しかし、これにより被害範囲は広がるでしょう。
東北・関東沖は勿論、下手をすれば、中部・関西・四国・北海道辺りは危険になる恐れがあります。
(潮流の影響が調べきれていませんので、また記事にします)

勿論、太平洋は日本だけのものではありませんので、
被害範囲が広範囲に広がることになれば、他国への賠償責任も発生するでしょう。
今の政府がそうした事態に、国民が納得した形で対応できるかどうかは甚だ疑問です。

恐ろしい事はこれが、現在進行形であるということです。
現在、コンクリート流入を開始して、海への汚染を引きとめようとしていると言います。
これが、失敗したときは考えたくないですが、、なかなか難しそうです。
この放射線量では、作業員の方の被曝量も気になります。

水産・観光へはトドめとすらなりかねない事態ですし、食生活への影響も心配されます。
増加すると思われる海産物の放射線量を、政府・水産業者が基準量を守り、越えた分はしっかりと出荷制限し、
今後の、食物から発生しかねない内部被曝を十分に防ぐことができるのかも問題となります。

原発問題には、依然として警戒が必要です。

広瀬隆さんが警告

広瀬隆さんが警告文を3月30日にだしています。

 ・広瀬隆が警告 「食物連鎖で濃縮」 放射能の危険な罠

以下、全文を引用します。

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 恐れていたことが現実になってしまった。3月24日、福島第一原発3号機のタービン建屋の地下室でケーブルを敷設中の作業員3人が大量の放射線を浴び、病院に運ばれました。うち2人は足にやけどの症状が出るベータ線熱傷が起きる可能性があるといいます。

 線量計のアラームが鳴っても作業を中断しなかったというのは、放射線についての十分な説明を受けていなかったからだと思われます。私が危惧していたのはこの点で、東京電力のデタラメな放射能管理が招いた、許されない人災です。

 被曝を受けた深さ15センチほどの水の放射能レベルは、原子炉の燃料棒を冷やす冷却水の約1万倍にも達していました。燃料棒から出てきた放射性物質そのものが混入しているのは確実です。燃料棒が溶融し、地震と水素爆発などで破損した配管から大量の危険物が流れ出している可能性が高い。1号機のタービン建屋の地下の水たまりでも同レベルの放射能が検出され、2号機でも同様の汚染が起きていると見られます。

 1号機に次いで3号機で建屋を吹き飛ばす水素爆発が起きたとき、枝野幸男官房長官は格納容器は健全だとして、「放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低いと認識している」と強調しましたが、格納容器や配管系統が損傷したことは間違いないでしょう。

 さらに、使用済み核燃料のプールを冷却するために大量の海水が放水車から注ぎ込まれていますが、あれは何千トンもの海水で原子炉を洗ってきたので、多くが目の前の海に流れ出しています。すでに海水から放射性物質が検出されており、海の大汚染が確実に広がっています。

 外に放射性物質が漏れているとわかっていても、圧力容器が破損する最後のメルトダウンを避けるためには、水を注いで冷やすしか方法がない。電気系統が回復して、ポンプを動かし、循環する水で核燃料を冷やさない限り事態は収束しませんが、冷却をいつまで続けられるかもわからない。

 共同通信の報道では、オーストリア気象当局の試算で、福島第一原発の事故後3~4日間で放出されたセシウム137の量は、チェルノブイリ原発事故後10日間の放出量の20~50%に相当する。包括的核実験禁止条約(CTBT)機構の暫定技術事務局のデータを基にした試算で、1日当たりに放出されたセシウム137の量は「大差がない」としています。

 政府は25日になって、原発から半径20~30キロの「屋内退避」圏内の住民に自主的に避難するよう求めました。圏外にも広大な汚染が広がっており、福島県内では、そのように悠長なことをしているときではありません。半径80キロ圏で自国民の避難勧告を出した米国の対応を見習うべきです。

 22日には福島県に続いて東京都でも、水道水から放射性物質が見つかりました。東京都葛飾区にある金町浄水場で、放射性ヨウ素131が1リットル当たり210ベクレル検出されたのです。大人の摂取限度は水1リットル当たり300ベクレル、乳児は100ベクレルなので、東京都は、金町浄水場の水を利用している東京23区と武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市で、乳児に限って水道水を飲ませないように呼びかけました。

 しかし、乳児の摂取限度が大人の3分の1という厚生労働省が設置した基準を、信用してはいけません。乳児は大人の10分の1というのがヨーロッパの医学常識だからです。政府は、ヨウ素の許容量を国際基準より20倍も高い数字に引き上げてしまったのです。

 金町浄水場は、利根川水系の江戸川から取水しています。これは水が循環する自然のサイクルに、放出された放射性物質が取り込まれたことを意味します。

 放射性物質は川の水で洗い流されるわけではありません。その水は植物、動物に摂取されて、長期間にわたる汚染が広がっていきます。生態系の中で放射性物質が濃縮されていく「食物連鎖」に入ったのです。

 米国のコロンビア川で、ある科学者が調べたデータがあります。川上にはハンフォード再処理工場という原子力プラントがあります。川に流れ出す微量の放射性物質を1とすると、プランクトンで2千倍、プランクトンを食べる魚で1万5千倍、魚を食べるアヒルの体内では4万倍に濃縮。そして川辺の水鳥の卵の黄身では100万倍もの濃縮が起きていたというのです。

 実際にこういうことが生態系の中で起きたのが、私たち日本人がよく知っている水俣病です。この場合は死の灰ではなく、有機水銀によってたいへん多くの方が被害を受けました。

 福島第一原発から放出された大量の死の灰は、大地に降り積もり、雨で川に流れ込んで、農業用水や海を汚染していきます。

 昨夏に出版した『原子炉時限爆弾』を書いたとき、実は今回の福島第一原発のような「原発震災」が起きたときにどのくらい被害が出るか、考えてみました。しかし、結局、書けなかった。被害があまりにも大きすぎて、シミュレーションできなかったのです。

 進行中の事態は、そのレベルに達しつつある。「破局を避けるために」次のようなことを考えました。

--30歳以下の人、とりわけ若い世代、幼児、妊婦や若い女性は、250キロぐらいを最低限の退避圏として、できるだけ福島第一原発から遠いところに、恒久的な移住を考えて逃げる。避難地は西日本のほうが、年間の風向きから考えて長期的な安全性は高いであろう。この受け入れ態勢を政府がしっかり考える。国民規模の協力が欠かせない。東電はそれに専心する責務がある。

 一方、食品汚染の測定は、長期間にわたって続行し、そのデータを一切隠すことなく公表し、その危険性を国民すべてに告知する。

 そして、30歳を超えた個人が危険性を自ら判断して、人生を選択できるようにした上で、すべての出荷制限を取り払い、みながすべての放射能汚染食品を食べるほかない。汚染水も飲む。政府は「ただちに健康に影響はない」と言い続ける。がんになりたい人間はなればよい--。

 嘘の安全論は、いい加減にやめてほしい。若い世代をみなで守らなければ、日本の将来はないのです。助け合いましょう。

 本当のパニックを防ぐために、政府はこのような想定のもとでの対策を国民に知らせるべきです。 (構成 本誌・堀井正明)


ひろせ・たかし 1943年生まれ。作家。早大理工学部応用化学科卒。『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)、『原子炉時限爆弾──大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)など著書多数。

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