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二次被曝について考える

福島県からの避難者が他県で差別されるというケースが発生しています。

 ・東日本大震災:「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見

この件ですが、決して他人事ではありません。

なぜか。

まず間違いなく、今後海外で日本人全般へのこうした差別が、多かれ少なかれ出てくると思います。
その為に、当事者の日本人である私たちはきちんと正しい知識を身につける必要があります。
以下に、調べたことを祥の知識を踏まえてまとめます。

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①<体表面汚染>

まず、被曝には「体表面汚染」というものがあります。
放射性物質が体の表面に付着して照射を受けるものです。
近距離からの照射であり、また物理的に付着しているものを取り去らないと、いつまでも照射が続くので危険です。
水・洗剤等を使用して付着している放射性物質を洗い流したり、ふき取る「除染作業」が必要です。

よく人にガイガーカウンターを身体に押し当てているのは、この「体表面汚染」を調べています。
その人の正確な被曝量を測っている訳ではありません。
(そうしたものはDNAなどからでないと調べられません)

基本的に「体表面汚染」が深刻なレベルであり、除染作業をしていなければ他人へも影響は考えられます。

ですが、「体表面汚染」の除染は、洗濯・入浴なども一つなり、日本でそうした対応を一切していないことは考えづらいです。
その為、ついさっきまで避難区域内にいたような人で除染をしていない人でも無い限り、他人への影響は気にしないで大丈夫ではないかと思います。

②<内部被曝>

内部被曝をすると放射性物質を体内に取り込んで、細胞に接して照射を受けるので危険です。
さて、内部被曝した人がいたとして、他人への影響がどうなるのか。
はっきりいって他人への影響が及ぶレベルであれば、それが常時照射されている本人が一番危険です。

急性被曝障害になるレベルの内部被曝でも無い限り、他人への影響は気にしないで大丈夫ではないかと思います。

③<外部被曝>

離れた線源(放射線を出す源)から放射線の照射をうけります。
病院でのX線撮影は、これにあたります。照射線量が多ければ危険になります。
外部被曝の影響は本人以外には影響が出ないと言われています。
普通に考えて、急性被曝で細胞変異などが起きていない限り、他人への影響は気にしないで大丈夫ではないかと思います。

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・・・上記のように考えられると思います。

現状、影響がありそうなことは<体表面汚染>からの二次被害だけですが、除染をすれば十分に予防でき、気にする必要は殆ど無いと考えられます。

放射能は疫病などと違い、「うつる」というものではありません。
無用な差別を広げない為に、どのようなメカニズムになっているかきちんと知っておく必要があると思います。

川崎市事実上発言撤回

川崎市がゴミ処理の発言を事実上撤回しました。

 
・「福島のゴミ受け入れ」に苦情 川崎市「汚染廃棄物は処理しない」


以下、一部抜粋します。

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同市環境局の施設部長は、取材に対し、「そんな計画は一切ありません」といきなり切り出した。その理由については、次のように説明する。

「現地における廃棄物の処理計画が立っていませんので、支援する状況ではありません。まず、現地では、避難所への対応が最優先になります。廃棄物処理は、次の段階ということです」
汚染されていないことを確認しなければならないのも、ネックになるという。

~~中略~~

市長はこれまでの実績や、がれき処理が大きな問題となっていることもあり、処理したいと意欲的だった。それなのに、批判を受けたので方針が事実上トーンダウンしてしまったのか。

この点について、施設部長は、「方針が後退したわけではありません」と否定した。


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「方針が後退したわけではないけれど、そんな計画は一切無い」
まさに日本語が良く分かりませんね。。

大した知識、覚悟も無くした発言だったようで、相当叩かれたように感じます。
この大災害の折に、ここまで軽率な発言が出来る人が市長とはどうなんでしょうね。。

情報について

レベル7の報道が出てから少し経ちました。

レベル7という内容事態は最悪の内容ですが、国民一人一人の危機意識が強まっているようにも思えます。
これだけは今回の報道の良かった点のように思います。

この報道により、今回の1件がチェルノブイリと同クラスということが伝わり、
政府に対する不信感が増大するきっかけとなりました。
今まで「自分には関係ない」と信じ込んでいた方が、原発対策を考えてくれれば良いと思います。

さて、そうした中で今まで以上に恐ろしくなることがあります。
それが情報の誤報です。

祥は、原発問題には相当関心を持っていましたので、他の人と話した時、思わず「嘘つけ!」と突っ込んでしまいそうになる、もしくは本当かソースを求めたくなる誤報を聞くことが何回もありました。。

 ・建物内に入れば、被曝量は10分の1になるという人。
  (んな訳ないだろ・・・)

 ・避難範囲が50㎞内変更になったという人。
  (これはすぐに調べて嘘だと分かりました)

 ・3月の中旬時点で「レベル7になった報道があった」という人。
  (祥がその報道を聞き逃すとは思えませんでした。。)


危機意識が高くなり、関心を持つ人が増える事は良い事です。
しかし、その分、こうした誤報が多くなり、また、それに振り回される人が増える事に警戒が必要です。

まず、ネット内でニュースを探す時に注意すること。

 ニュースの場合、それの出元がきちんと明記されているかを確認する。
 また、出典がしっかりしている情報か、その筆者の考察かをとらえ違わない。

 出典明記されていない場合、筆者の勘違いの可能性があることに注意が必要。

 また、筆者の考察の場合、その人が本当に信じられる人か、今までの文章や考え方から判断が必要。
 (これは難しいことなんですが、、)


他人と話すときに注意すること。

 人から聞いた話、ネットで調べた話を頭から信じない。
 重大だと思った情報については、その信憑性について自分で必ず調べること。


上記の注意が必要になってくると思います。

祥の場合、出来る限りニュースのリンク先、YOUTUBE動画を貼り付けていますが、今後リンク切れになってくる恐れがあります。
ニュースの題名やYOUTUBEの題名も書いておくので、リンク切れの場合、興味があれば題名から検索頂ければ、少しは元記事の情報も分かると思います。


情報を調べる上で、祥のお勧めサイトを以下に記します。

 ・武田邦彦 (中部大学)

  もはや何度も紹介している武田教授のサイトです。
  この方の考え方は祥も納得するものが多く、お勧めです。

 ・東北地方太平洋沖地震・福島原発事故

  今回の件の情報が、各所から仕入れてありまとめてあります。
  基本的に考察の類はしない方針のようであり、個人的に好感がもてます。
  (祥も最初はこうしたサイトにしようかと思っていましたが、既にあった為に考察有のサイトにしました)

祥も閲覧して頂いている方から、頼りにして頂けるよう頑張ります。

遠藤未希さん

書きたいことが本当に溜まっていっています。
そのうちに書けると良いのですが。。

 ・もんじゅ原発について。
 ・今回のイオンの対応について。
 ・これから必要と思われる対応について。
 ・選挙が終わった後の情報公開について。
 ・川崎市でのゴミ処分の対応問題について。

ちなみに川崎市でのゴミ処分対応問題については、武田邦彦教授が意見を出しています。

 ・生活と原発 07 汚染された瓦礫の処理

祥はこの意見に賛成です。
この問題の本質は、「放射性物質を拡散させる愚策は取ってはいけない」ということにあります。

川崎市で引き受けるということに対しての拒否、という形から入ってしまうと、
「福島を助ける気がないのか」という見当違いの議論に行ってしまうパターンを良く見かけます。
この点は見誤ってはいけません。



さて、話を変えて本題です。

最近、被災関連の話を聞くと涙もろくなってしょうがありません。
そんな中、聞くと必ず祥が涙腺決壊するのが、遠藤未希さんという方の話です。
以下、河北新報のニュースから抜粋します。

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<「高台に避難してください」 宮城・南三陸町職員24歳>

 「大津波警報が発令されました。高台に避難してください」
 防災無線の呼び掛けが、多くの命を救った。だが、声の主の行方は震災から1カ月たった今も知れない。
 3月11日午後2時46分、宮城県南三陸町の防災対策庁舎2階にある危機管理課。町職員遠藤未希さん(24)は放送室に駆け込み、防災無線のマイクを握った。
 「6メートルの津波が予想されます」「異常な潮の引き方です」「逃げてください」
 防災無線が30分も続いたころ、津波は庁舎に迫りつつあった。「もう駄目だ。避難しよう」。上司の指示で遠藤さんたちは、一斉に席を離れた。
 同僚は、遠藤さんが放送室から飛び出す姿を見ている。屋上へ逃げたはずだった。が、津波の後、屋上で生存が確認された10人の中に遠藤さんはいなかった。
 南三陸町の住民約1万7700人のうち、半数近くが避難して命拾いした。遠藤さんは、多くの同僚とともに果たすべき職責を全うした。
 遠藤さんは1986年、南三陸町の公立志津川病院で産声を上げた。待望の第1子に父清喜さん(56)と母美恵子さん(53)は「未来に希望を持って生きてほしい」との願いを込め「未希」と命名した。
 志津川高を卒業後、仙台市内の介護専門学校に入学。介護の仕事を志したが、地元での就職を望む両親の思いをくみ、町役場に就職した。同僚は「明るい性格。仕事は手際よくこなしていた」と言う。
 2010年7月17日、専門学校で知り合った男性(24)と、町役場に婚姻届を出した。職場仲間にも祝福され、2人は笑顔で記念写真に納まった。
 両親は当初、2人姉妹の長女が嫁ぐことに反対だった。「どうしてもこの人と結婚したい」。男性が婿養子になると申し出て、ようやく両親も折れた。ことし9月10日には、宮城県松島町のホテルで結婚式を挙げる予定だった。
 美恵子さんは「素直で我慢強い未希が人生で唯一、反抗したのが結婚の時。それだけ、良い相手と巡り合えたのは幸せだったと思う」と語る。
 遠藤さんの声は、住民の記憶に刻まれている。
 山内猛行さん(73)は防災無線を聞き、急いで高台に逃げた。「ただ事ではないと思った。一人でも多くの命を助けたいという一心で、呼び掛けてくれたんだろう」と感謝する。
 娘との再会を果たせずにいる清喜さんは、無念さを押し殺しながら、つぶやいた。
 「本当にご苦労さま。ありがとう」

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※こちらから実際にその放送の一部を聞くことができます。
 この映像にはありませんが、最後は「逃げて!逃げて!」と絶叫し、住民は驚いて走って高台へ逃げたそうです。

東日本大震災 【南三陸町の人々を救った防災放送】


この方に対する感情を、言葉に出来ません。

飯館村時系列まとめ

飯館村の件で続報が入っています。

 ・飯館村「人が住めるレベルではない」 京大助教らが現地調査

一部抜粋します。

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同村曲田地区の土壌からはセシウム137を1平方メートル当たり2200キロベクレル検出し、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故による強制移住基準1480キロベクレルを超えた。

3カ月居続けた積算被ばく量は100ミリシーベルトに達するといい、「原子力安全委員会の防災指針で『避難』とされる50ミリシーベルトを超える」と危険性を述べた。

また、専門家の多くが「直ちに健康に影響はない」と安全性を強調していることについて「直ちに影響がないのは急性障害で、問題なのは(障害が後年に出る)晩発性のがん、白血病、遺伝的影響だ」と批判した。


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飯館村の事は何度か記事にしています(テーマ・飯舘村でまとめました)
せっかくなので、時系列でまとめてみたいと思います。
(以下にまとめましたが、付け足し・訂正があれば随時修正していきます)

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3月24日 飯舘村で20日に採取した雑草から1kg当たり254万ベクレルの放射性ヨウ素、265万ベクレルの放射性セシウムを検出。

3月28日 京大助教今中氏 飯舘村の土壌汚染が1平方メートル当たり326万ベクレルになると発表。
      村内の小中学校で、大気中の放射線量が1時間あたり13.2~17.7マイクロ・シーベルト観測

3月30日 IAEA 飯舘村の土壌汚染が1平方メートル当たり200万ベクレルになると発表。

3月31日 IAEA 先日発表した汚染値は間違いであったと発表。本当は1平方メートル当たり2000万ベクレル。

4月2日 IAEA 15サンプルの土壌汚染の平均は700万ベクレルと発表。(60万~2000万迄)
      また、1000万ベクレルがIAEAの避難基準になるという謎の基準を発表。

4月6日 飯舘村 村内の妊婦と乳幼児を一時、村外に避難させる方針を固める。

4月7日 飯舘村 妊婦の避難について募集開始
      12日の村の臨時議会で予算が認められれば13日から移動開始予定。

4月11日 政府 飯舘村を設定避難区域外でも避難が必要な「計画的避難区域」指定。
      区域内の住民は1カ月をめどに避難を求められる。

4月14日 京大助教今中氏 セシウム137を1平方メートル当たり220万ベクレル検出したと発表。
      積算の被曝量は3カ月で100ミリシーベルトを超えるとした。
      また、村内一部地域の被曝量は毎時20マイクロシーベルトを超えると発表。


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京大助教今中氏はIAEAより早く、飯舘村の土壌汚染について言及されていた方です。
今回は土壌汚染からの被曝についても試算の値には積算していると思われます。

チェルノブイリの動画でも紹介されていましたが、被曝には3つあります。

 ①大気中の放射線を浴びることによる外部被曝。
 ②大気中の放射性物質を体内に取り込む(塵・埃・花粉などに付着)、もしくは飲食により摂取する内部被曝。
 ③土壌の汚染により、土壌から放射線が出るようになるタイプの外部被曝です。

飯舘村は①②は勿論、③についても大きな被曝が考えられます。
今中氏は、220万ベクレル検出したとして、3カ月で100ミリシーベルトを超える被曝量試算をしていますが、
IAEAでは平均700万ベクレルという恐ろしい数値が出ています。
単純な掛け算では無いでしょうが、、一部地域では恐らく、今中氏の試算を遥かに超える被曝量になると推測されます。

以前も形容したように、地獄としか言えないような空間になっています。
政府の対応は見殺し政策に等しいと思いますし、一刻も早い避難が求められます。


また、少し話が変わりますが。。

葉菜類の汚染が深刻になっています。
また、飯舘村の例から考えて、葉菜類の汚染と土壌の汚染量はある程度、連動していると思ってよさそうです。

では、ほうれん草が54100ベクレルを超えた茨城県などの土壌汚染はどうなっているのか。。
飯舘村の件で、目がそれがちですが、54100ベクレルも十分に信じられないぐらい高い汚染量です。
本来であれば、もっともっと注意を払うべき数値だと思うのですが。。
また、静岡でも648ベクレルの小松菜が検出されるなど土壌への影響が心配されます。

以前の記事で、東京でも現在、空気中と地面では被曝量が違うという情報について書きました。
現在では、東京の地面も毎時5マイクロシーベルトを超えているというガイガーカウンターの計測結果が出ています。

空気中に散っていた放射性物質が地表に落ちてきていると考えられています。
これについては、武田邦彦教授のサイトに詳しく載っています。

今後しばらく土壌汚染には注意が必要です。

家の中の埃は丹念にふき取りましょう。
また、小さい子どもを育てていらっしゃる方がいれば、しばらく外出は一定の制限をかけた方が良いかもしれません。
(子どもは小さいので、土壌や地面からの被曝影響を受けやすいと思われます)