ドラゴンクエスト日記 -152ページ目

009.ロトの洞窟---ロトの石版  on ドラゴンクエスト I

真っ暗な洞窟の奥から、ひんやりとした冷たい空気が流れ出してくる。
ごくりと生唾を飲み込み、左手に持ったたいまつに火をともした僕は、暗い洞窟へと足を踏み入れた。



布製のブーツでよかった。誰が造ったのか知らないが、この石畳の上を金属製のブーツなんかで歩こうものなら、洞窟中に足音が響き渡ってしまっていただろう。
それはモンスターを自分から呼び寄せているようなもので、まだ力のない僕がそんなことをするのは自殺行為に近い。



しかし、この洞窟にはどこか聖的な気配が満ちており、モンスターの気配がどこにもない。



しばらく歩き回ってみたが、やはりモンスターはいないようだ。そう思うと妙に気も大きくなり、ゆったりとした気分であたりを見回すことができるようになった。
とはいっても視界が届くのは携帯用たいまつの小さな明かりが照らす範囲のみで、自分の周囲一回り分ぐらいしか見えない。



何も考えずに歩き回ると、すぐに道に迷ってしまうだろう。この真っ暗な洞窟で道に迷うということは、そのままのたれ死んでしまうということだ。
帰り道だけはしっかり把握しておかないと、後悔してもしきれないことになりそうだ。



それにしても、この洞窟はいったい誰が作ったのだろうか。
まるで迷路のような複雑な通路は、明らかに侵入者の行く手を妨害するものだ。だとすれば、かつてはこの洞窟にもモンスターがあふれ、冒険者の行く手を阻んでいたのかもしれない。



ではいったいなぜこの洞窟からモンスターがいなくなったのだろう。
目の前の曲がり角を右に曲がり、その場所を地図に書き込んで一歩ずつ進む。まどろっこしいが、こうしなければ帰り道がさっぱりわからなくなってしまう。
自分が生き残るため、できることはなんでもしておかなくては。



階段をくだり、地下二階の最深部に緑の蔦に覆われた部屋が僕を待っていた。


こんな暗い洞窟で、この蔦はいったいどうやって茂ったというのだろうか。

その緑の部屋の奥に、僕の身の丈よりも大きな石版が鎮座していた。
こんな洞窟の奥深くに、一体誰がここまで回りくどいことをしたのだろうか。


しかし、その石版を読むと僕の全身は震えだした。

石版にはこう書かれていた。



「私の名はロト。私の血を引きし者よ。ラダトームから見える魔の島に渡るには、三つのものが必要だった。私はそれらを集め魔の島に渡り、魔王を倒した。そしていま、その三つの神秘なるものを三人の賢者に託す。彼らの子孫がそれらを守ってゆくだろう。再び魔の島に悪がよみがえったとき、それらを集め戦うがよい。三人の賢者は、この地のどこかでそなたの来るのを待っていることだろう。ゆけ! 私の血を引きし者よ!」



ゴセンゾサマ...(((; ゚Д゚)) □

それはご先祖様から僕に向けたメッセージ。


勇者ロトは竜王が出現することを予期していたのか、それとも「魔の島」には悪なるものが繰り返し宿ることを知っていたのだろうか。

そのあたりの詳しい事情は知る由もないが、今の僕に必要な情報がそこには刻み込まれていた。


竜王の住む魔の島に渡るには、三人の賢者がそれぞれ持つ、三つの神秘なるものを集める必要があると言うのだ。
どうせなら一人に全部まとめて託しておいてもらえると、手間が省けてよかったのだが。



その神秘なるものがどういうものかや、三賢者の居場所までは書かれていない。それは自分で探せと言うことだろう。
これはなんでも人に頼ってはいけないゾという、ご先祖様からの愛のムチだろうか。



勇者ロト直筆の石版ということで、結構な値打ちがつくかもしれないと・・・などという、我ながらあさましい商魂魂が一瞬燃え上がった。
しかし、そこはぐっと堪えて緑の部屋をあとにする。


そのまま削りだして持ち出さなかったのは、いずれそれを持って町の道具屋に駆け込んでしまいそうになるのを防ぐためだ。



ご先祖様も、よもや自分の残したメッセージが道具屋に売り飛ばされるとは思ってもいないだろうし、それが供養になるとも思えない。
一瞬でもそんな考えを持ってしまった自分に恥を覚えつつ、僕は地上への道を戻っていく。



モンスターが現れることもないので、すぐに洞窟の出口にたどり着いた。
そのまますぐに地上に出てもよかったが、僕はご先祖様からのメッセージを書き写したメモ帳を懐から取り出した。



読んでいるだけで、なぜか勇気が湧いてくる。
メモ帳を再び懐にしまうと、僕は心の中でご先祖様に礼をいい、振り向くことなく洞窟をあとにした。


===今日のリューン===
レベル 4
HP   13
MP   4
お金  131
経験地 47

道具  やくそう×3
武器  こんぼう
鎧    なし
盾    なし
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