今回はこういうお題でいきます。ただこれ、すごく難しい話で、自分もよく
わからないですし、現代物理学でノーベル賞級の学者でもわからないん
ですよね。ですからまあ、面白話として読んでいただければいいかと

思います。ただし、重要な話ではあります。

 



みなさんは時間は流れていると思いますか? もし流れているのだとしたら、
どっちからどっちへでしょう?過去から未来? それとも未来から過去?
・・・でも、もしかしたら時間は流れていないのかもしれません。未来は

これから来るものではなく、すでにこの宇宙に存在しているのだとしたら?

相対性理論ってありますよね。アルベルト・アインシュタインが、1905年に
特殊相対性理論を発表しました。もう100年以上前になるんですね。
では、これって正しいんでしょうか? それはわからないんですが、
今までに相対性理論に反する事例(例えば光より速いもの)は見つかって
いません。それに、相対性理論が予言する現象はすべて見つかっています。
(重力レンズ、ブラックホール、カーナビの補正など)

だから、おそらく正しいんじゃないかと思われてるんですが、だとしたら
困ることがあるんですよね。それは「未来はすでに決まっているのではないか」
ということなんです。将来、あなたが大金持ちになるか、それとも
ホームレスになるのかも決まっているわけです。でもそれって・・・

 

アルベルト・アインシュタイン



アインシュタインは、「私は宇宙のあらゆるところに時計を置いた」
「同時が同時ではない」と述べていますが、この意味がおわかりでしょうか?
少し思考実験をしてみたいと思います。

例えば地球から1光年離れたところに宇宙船があるとします。
そしてこの宇宙船は魔法の望遠鏡を持っていて、即座に地球の様子を
見ることができるとします。(本来はできませんよね。
光が戻って来るまで1年かかります。だから魔法なんです)

そうすると宇宙船から普通の望遠鏡で見えるのは、1年前の地球の姿という
ことになります。ここまでいいでしょうか? 天文学者は望遠鏡で宇宙を
観察しますが、それで見えるのは、その星が地球から離れている分だけ
過去の姿なんです。つまり、地球から10光年離れた星は、10年前の
過去が見える。ここまではまだ納得できますよね。

 



ではもし、この宇宙船が光速に近いスピードで地球へ近づいたと
します。すると相対性理論によってウラシマ効果が働きます。
そこにこの魔法の望遠鏡があって地球を見たとすると、
未来が見えることになってしまいます。

これ、大変な話ですよね。もしも見えている未来が存在しているのだと
すれば、未来ってどうなるか決まってしまっているんでしょうか。
これ、相対性理論の大きな疑問点なんです。そして、世界の科学者の
間で議論されても答えは出ていません。

でも、もしも相対性理論が正しいとすると、そうとしか言えないん
ですよね。これは人間の自由意志の否定です。われわれは
自分の未来について自分で選択をし決断していると思っていますが、
本当は違ってるんでしょうか?

 



例えば入試のとき、どこの大学に入るか? 誰と結婚するか?
何の職業につくか、すべては決まっていてその形にしかならない。
ただ、人間は現在しか認識できないので、自分で選択していると
思い込んでいるだけ。

その可能性はあるんです。しかもそうである確率はかなり高いと思います。
この宇宙には過去も現在も未来もすべてが存在していて、それが空間と

結びついている・・・みなさん、これどう思いますか?

ここで思い出すのが、荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の
第6部「ストーンオーシャン」です。これにはブッチ神父という
悪役が登場しますが、この人物は単なる悪役ではなく、この世界に
天国をもたらすために活動してるんですね。

 

エンリコ・ブッチ神父



で、その方法とは、時間の流れを極限まで加速させ、未来に何が起きるかを
すべての人が知ることができるようにするというものでした。そして

加速した時間はやがて特異点を迎えてもとの現在に戻る。それにより、

自分の未来に何が起きるかをすべて見てしまった人間は、覚悟を持って

人生を生きることができる。これこそが天国なのだ、というお話でしたよね。

これ、作者の荒木氏は、上記した相対性理論の議論を知っていて漫画を
書いているんだと思います。まず間違いないでしょう。ただ、結論の

出ていることではないので、結末は漫画的なものになっていましたが。

さてさて、ここまで読まれて、みなさんはどう思われましたか?
もうすでに過去も現在も未来も宇宙の中に存在してるんでしょうか?
だとしたら人間に自由意志というものはないのか? 不思議ですよねえ。
このあたりの議論は自分にはまったく手にあまるものなので、物理学に
お詳しい方がおられましたら、コメントで考えを書いていただけたら
ありがたいと思います。

 



まとめ 相対性理論によれば、時間に流れというものはなく、この宇宙の

中では時間も空間も渾然一体となって、過去から未来にいたるまで
すべて存在している・・・ただし、この考え方には議論があり、

その多くはパラレルワールドやホログラム宇宙論に関連する。