アンチエイジングの3本柱は、「食」、「運動」、「メンタル」であることは再三、本ブログでも書いてきました。
「食」も「運動」も実践出来るか否かはさておいて、一応、教科書的なマニュアルはいくらでもあります。
しかし、「メンタル」は本当に千差万別。定型化することが非常に難しいですね。まぁ、よく『生きがいを持って』とか、『ときめきをいつまでも』とか言ってはいますが。
「メンタル」を語る場合、前向きでいいことばかりではなく、後向きの負の精神状態のことも無視しては通れません。
講談社HBRの来月号のテーマは「ストレス」です。連載コーナー『アンチエイジングDr.青木晃が訊く』では、「ストレスとうつ病」をテーマに、私の母校の防衛医大精神科教授の野村総一郎先生に直撃インタビューを敢行しました。
野村先生は日本うつ病学会理事長でうつ病の世界的第一人者としても有名なスゴイ先生!そして、実は大学の水泳部の名誉顧問(元部長)でもあり、水泳部出身の私としては、そっちの意味でもお会い出来るのを楽しみにしていたのです。
昨晩の対談場所は護国寺の講談社本社ビル。1時間30分ほど、密度の濃いインタビューが出来ました。
詳細は、HBR9月号をご覧いただくとして、私なりに感じたことをちょっと、ここに書きとめておきたいと思います。
1.
ストレス自体は何も現代に特有のものではなく、過去の時代の人々もそれなりのストレスは受けてきていたはずであると。
確かに納得!一人の人間を囲む人的サポート(お隣さんであったり、学校の先生であったり、友達のお母さんであったり…)が現代社会は希薄化してきており、これこそがうつ病をはじめとした精神疾患の発症を多くしているひとつの要因であると野村先生は仰っていました。
私はこれこそが、都市のエイジングではないかと感じました。
現代文明社会はおそらく恐ろしいスピードで病的老化が進んでいるのではないかと。。。(日本自体が昭和30年代頃の高度成長時代に比べ、相当疲弊し元気がなくなっていることも人々の心を錆びつかせる原因になっている)
2.
うつ病の原因における「ストレスとアロスタシスの関係」が、最近アンチエイジング医学のフィールドでもHOTな“ホルミシス仮説”と相関しているようで興味深かった。。。(アロスタシスとはストレッサーに対する体内の内分泌系及び免疫系に生じる適応のプロセスのこと。アロスタティック負荷とはストレッサーに適応することを強いられた身体が払う代償)
アンチエイジングなライフスタイルの実践においては、「食」、「運動」、「精神」の3つが重要であるわけで、メンタルストレスをどう昇華させるかは非常に重要といえます。
適度なメンタルストレスはやはり人間が健全に生き成長していく上ではあった方がいいのだと。
重く長く続く過度なストレスは、明らかにうつ病などの精神疾患の引き金となりえるわけで、その意味でも毎日毎日のレベルでの心のデトックスは必要なのでしょうね。。。
私事ではありますが、自分自身の場合は、カトリックのクリスチャンであり、日々の祈りや教会の聖堂で黙想の時間を持つことで、かなりメンタルストレスを浄化出来ていると思っています。アンチエイジングに生きようとするのなら、生きがいを持ち、日々のメンタルストレスをため込まないようにすることが必要!
3.
精神疾患と栄養の関係については、まだまだ医学的研究が進んでいないようでした(少なくともこの日本においては)。
分子整合性栄養学などのアプローチもやはり、面白いのではないかと感じました。
正しい食(栄養摂取)が壊れかけてきた現代において、内科的不定愁訴の中でより精神科疾患的なものの中にはやはり、栄養障害からくる脳内の化学伝達物質のアンバランスがある可能性は十分にあるのではないかと考えます。
精神科のドクター(研究者)らがあまり興味を持っていないようなのはちょっと残念でした…
4.
「アンチエイジャー(百寿者)にポジティブシンキングな人が多いというのであれば、おそらくうつ病や抑うつ傾向になりやすい人はアンチエイジング的ではないのでしょう。
うつ病患者さんは自負心の強い人が多いので、アンチエイジングに生きようと思ったら、あまり自負心を強く持たない方がいいのでは?」という談も興味深いものでした。
おそらくは、気質的なものが強く関与してしまうので、なかなか従前の性格を簡単に変えることは困難であろうとは思いますが、抑うつ傾向に陥りやすい人では、「生きがいや夢、希望を持って前向きに強く生きる」というスタンスを目指す前に、「自負心を強く持たない」、「諦めも肝心」、「こだわらない」、「スーパーマンを目指さない」などを心がけるのが、アンチエイジングメンタルの上で重要なのかもしれないと思いました。