🤖『中国製ロボ、完走。では日本は──?』
~マラソンとロボットに見る「国の物語」~
2025年4月19日、
北京で開催されたハーフマラソンにて、世界初となる“人型ロボットの完走”が実現しました。
参加したのは、中国の新興企業が開発した21体のロボット。
スタート直後に勢い余って壁に激突した子もいましたが、
トップは「天工ウルトラ(Tiangong Ultra)」──
2時間40分でゴールテープを切ったのです。
しかも、彼らは一般ランナーと同じコースを走っていました。
これは単なるテックショーではなく、国家戦略的な演出だったのは明らかです。
🇨🇳 技術か、演出か、それとも“物語”か?
ロボットがマラソンを走る。
それは「歩けるようになった」でも、「技術すごいでしょ」でもありません。
ここには、中国が持つ
👉 「未来を“見せる”国家戦略」
👉 「メッセージを持たせるデザイン力」
──その両方が如実に表れています。
転倒したロボットも、バッテリー切れで立ち止まったロボットも。その姿は「失敗こそが挑戦の証だ」と語りかけるようでした。
倒れながらも立ち上がり、遅れながらもゴールを目指す姿に、
観衆は“技術”よりも“意志”を見たのです。
未完成なものだからこそ響く。
「歩み続ける者こそが、やがて到達する」──
その哲学を、マラソンという舞台に重ねた演出だったのかもしれません。
📎過去のAI関連記事のリンク:
• 中国製ロボの進化:
https://ameblo.jp/dr-mana/entry-12890486426.html
• “お掃除ロボ・スパイ疑惑”はこちら:
https://ameblo.jp/dr-mana/entry-12895736874.html
• CES2024視察レポート:
https://ameblo.jp/dr-mana/entry-12890365291.html
https://ameblo.jp/dr-mana/entry-12890367290.html
🇯🇵 では、日本はなぜ話題にならないのか?
日本のロボット技術は、間違いなく世界トップレベルです。
ASIMOの歩行技術。
介護支援や産業用ロボット。
会話型AIとの連携──
しかし、いま世界で話題をさらっているのは、中国・韓国・アメリカ。
日本の技術は「静かなすごさ」のまま、誰も語らず、誰にも届かない。
🌐 CESで見えた、“語られない脆さ”
韓国:LG、サムスン → UXで“未来を体感させる”演出
アメリカ:AIと生活の融合を魅せるデモ構成
中国:国家が“夢”を設計し、演出する全体構成力
……そして、日本。
パナソニックやソニー。技術の殿堂でありながら、
まるで過去の栄光を並べた静かな博物館のようだった。
Sphereの映像美を支えるソニーの技術。
けれど、そのソニー社員すら「Sphere?見学予定はないです」と語る──
この“語らなさ”が、いま日本の最大の弱点かもしれません。
🎭 技術を“文化”に変えるには?
技術は人を動かさない。
人を動かすのは、「意味」と「物語」と「感情」。
マラソンは、本来“人間らしさ”の象徴だった。
そこにロボットが挑むなら、私たちは技術だけでなく、“魂”を見る必要がある。
💡 いま本当に必要なのは──
ロボットを作る技術者ではなく、
ロボットを“社会に語る”通訳者なのかもしれません。
政治に、文化に、教育に、そして医療に。
技術を語り、感情とつなげる人が、未来の物語をつくっていく。
そして日本もまた、語れる国へ。
春の風が、そっとそれを問いかけています🌸