ここで使われている死亡データの主な出典は、Human Mortality DatabaseのShort-term Mortality Fluctuations(STMF)とWorld Mortality Datasetです。Our World in Dataが各国を比較できる形に処理しています。[注6]
🌺 さらに要注意なのは「ベースライン」です
今回使ったOur World in Dataのグラフは、“projected baseline”つまり、パンデミック前の死亡トレンドから予測したベースラインと実際の死亡数を比較しています。[注7]
Our World in Dataには、過去5年間の平均をそのまま基準にする別の指標もあります。[注8]
*1 ビタミンDと認知機能
Association between vitamin D supplement use and cognitive functioning: a longitudinal cohort study. BMJ Open. 2026;16:e106050. 米国Health and Retirement Studyの5,065人(平均67.5歳、女性61.6%)を対象とした前向きコホート研究。ビタミンD利用者は2,004人(39.6%)。6年間でglobal cognitive functionの低下速度に年間−0.052点の差(95%CI −0.092~−0.013)がみられた。観察研究であり、因果関係を証明するものではない。
BMJ Open 原著
*2 オメガ3サプリと認知機能 The association between omega-3 supplementation and cognitive decline in older adults.The Journal of Prevention of Alzheimer’s Disease. 2026;13(6):100569. ADNIを利用した縦断的観察研究で、認知機能に加えAβ-PET、tau-PET、MRI、FDG-PETなども解析している。因果関係を証明するRCTではない。
JPAD 原著
*3 グルコサミン・糖鎖修飾とアルツハイマー病
Hawkinson TR, Liu Z, Ribas RA, et al. Hyperglycosylation is a metabolic driver of Alzheimer’s disease.Nature Metabolism. 2026;8:1410–1425. DOI:10.1038/s42255-026-01538-4. 動物実験、ヒト死後脳、空間オミクス、後ろ向き臨床データなどを組み合わせた研究。野生型(健康な)マウスにグルコサミンを与えても、脳内の糖タンパク蓄積や記憶障害は起きなかった。 ヒトについてグルコサミン摂取と認知症の因果関係を確立した臨床試験ではない。
Nature Metabolism 原著
*4 グルコサミン研究に対する別の解釈
米国Council for Responsible Nutritionは、変形性関節症、身体活動低下、フレイルなどによる交絡の可能性を指摘している。これはサプリメント業界団体による見解であり、独立した研究結果ではないため、その立場を踏まえて読む必要がある。
*6 東京の成人5,518人の研究 Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry. 2019~2020年に東京都内で健診を受けた5,518人を測定。98%が25(OH)D <30 ng/mLだった。観察された基準範囲は全体で6~29 ng/mL。この集団は日本国民全体の無作為標本ではない点に注意が必要である。
原著
*7 Endocrine Society 2024ガイドライン
Demay MB, Pittas AG, Bikle DD, et al. Vitamin D for the Prevention of Disease: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline.J Clin Endocrinol Metab. 2024;109:1907–1947. DOI:10.1210/clinem/dgae290. 健康成人では疾病予防に最適な25(OH)D値が臨床試験から確立されておらず、一般的なルーチン検査を推奨していない。50~74歳ではDRIを超える経験的な一律補充にも否定的。一方、75歳以上などについては異なる推奨がある。
Endocrine Society ガイドライン
*8 EFSA:ビタミンDの耐容上限量
EFSA Panel on Nutrition, Novel Foods and Food Allergens. 2023年の再評価で、成人(妊娠・授乳中を含む)のビタミンD耐容上限量を100 μg/日(4,000 IU/日)としている。これは「推奨量」ではなく、慢性的に超えないことを意図した上限量である。
*9 EFSA:ビタミンB6と末梢神経障害
EFSA NDA Panel. Scientific opinion on the tolerable upper intake level for vitamin B6.EFSA Journal. 2023;21:e08006. DOI:10.2903/j.efsa.2023.8006. 過剰なB6摂取と末梢神経障害との関係をcritical effectとして評価し、成人のULを12 mg/日に設定。高用量サプリ常用者ではULを超える可能性があるとしている。
EFSA Scientific Opinion