修学旅行後から しばらく何も起きなかった。
学校行事で高学年ともなれば意見が分かれ対立する。
そんな時に、娘を迎えに来てくれる子の文房具がなくなるが、すぐに出てくることは相変わらずあった。
だんだん、出てくる場所も当初は他の階やら校庭やら神業のようだったのに、
教室の本棚の隙間や、窓のサッシなどすぐにわかる場所に変わった。
正直、それくらいだともう反応すらしない雰囲気になる。
我が子はターゲットから抜けたのか?なんだかよくわからない。
取られた子も「あー、まただわ」と気にも留めない(ように娘には見えていたらしい)。
「新しいのを買ってもらえる」と。
実際、常にかわいらしい文房具で揃えていて、なくなるとさらにグレードアップするのは、授業参観の数分、見ただけでも何もかもがキラキラしているもので囲まれていて思うところはあった。
学校は不思議なもので
担任の緊張感は当初ほどなくなり、
「そのうち、出てくるんでしょ」的な扱いになる。
中学受験入試直前になると
学校の授業より1問でも多く塾の問題を解かせたい。
と、学校にこない児童も出てくる中、
クラス全体が「地元中に進学する子」「受験する子」で分かれて壁のようなものが出来る。
受験する子は親も子も確定するまで
他には言わないのが大概で
我が家もそうしていたが、
塾通いで薄々気づかれる。
そんな中、一斉に受験日が同じ子が
ゴソッと欠席する。
その時に、「○○中の入試の日だ」と勘づくらしい。
受験を終え、合格発表後
この女の子が我が家に母親と乗り込んできた。
「他の学校に行くなんて聞いてないんだけど!!」と最初から泣かれる。
母親からも
「中学校が別だと、うちの子が1人になっちゃう。なんで隠してたの。言ってくれたらウチも受験させてたのに!」
この言い分は違うだろうと思う。
考える時間は当然あって
その先の進路を規制される理由はないし
事前相談を求められる気もない。
母親から
「今から、受けられる私立を紹介して欲しい。」
「合格を取り消してもらえないか」
と一方的な言葉が来る。
こういう感情論の人と話しても不毛なだけで、
「こちらでは何も出来ない。」と返すと、
地元中になんか行けない!
裏切られた!
怖い!
が始まる。
ものを取られることをあまり気にしていない。と言うのは虚勢を張っていたのかは、わからない。
「3年生の時から何度も、ものが無くなっていて、それが6年まで続いている中で
うちの娘の受験関係なく、
地元中学に通うことに抵抗はなかったの」
思わず聞いてしまった。
そう。3年生の時からもの隠しにあっていたのはこの子。
それが、6年生で一気に複数人に増えて我が娘も被害にあい、最終的にこの2人に絞られた。
「中学校が受験できると知らなかった」
絶対、嘘だ。
この母親は誰が受験するかの情報には長けていた。
例え、子どもが知らなくても親からこんな選択肢もある。と話しは振れたはずだ。
最後の最後まで、受験を辞退してくれ、もしくはうちの子も入れるように話をつけてくれ。と親子でごねる。
取り合っても意味なし。
出来ない。それで押し切ると、裏切り者と返ってくる。