みなさん、こんにちは。
福島直樹です。
前回は次の様な話をしました。

・ちょっと変わった就職活動をする学生がいること、
・それを2つに分けると
   タイプ1)表面的に目立てば良いという学生
   タイプ2)行動自体に合理性が感じられる学生

・そしてタイプ1の問題点について説明しました。

今回はタイプ2についてお話します。
以前、このような学生がいました。


●タイプ2の学生の事例
A 志望企業で「やりたいこと」をレポートにまとめてで提出していた
(ある出版社に行く度に「簡単な企画書」を提出していた。企画内容自体はさほど面白くなかったが意欲は伝わったと、人事から内定後に言われた。)

B 服飾を勉強していた学生が、自分で作った服を着て面接に来た。(バンダイ常見さん)

C 本気で志望していたので、何度も合説、セミナーに参加していたら、お茶にさそわれた。
(その後お酒まで飲みに行き、仲良くなり、最終的には内定)


●タイプ2はタイプ1と何が違うのか?
例えばAの場合、タイプ1「表面的に目立てば良いという学生」と比べてどう違うのでしょうか?
Aの行動には次の様な背景が類推できます。

・本気で志望している→やりたいことがたくさんある→企画書を出す(結果的に他の学生と違う行動)

Aの場合にはこのような背景や学生の思いが容易に想像されるのです。つまり企画書提出という行動自体に合理性を感じられるわけです。一方、タイプ1(一発ギャグや突然腹筋)では、このような背景、思いを感じられません。


●タイプ2に対して人事担当者が感じる事
例えば人事担当者が次の様に感じても不思議ではありません。

1、 「ここまでやるということは、本気で仕事を志望しているのでは?」
    →意欲の強さが伝わる可能性
2、 「このようなことを思いつく人、行動できる人なんだ」
    →発想力、行動力などが伝わる可能性


つまり、意欲の強さや魅力が伝わる可能性があるのです。


●ただし例外もある
以前、とある大手流通企業にやりたいことをまとめてレポートを提出しようとした学生がいました。しかし企業は受け取ってくれなかったそうです。
「他の学生に対して不公平になるから」というのが理由だったそうです。

このように、合理性が感じられるタイプ2のような行動でも、企業によっては受け入れてもらえない場合もあります。今まで僕が見て来たケースでは受け入れてくれる企業の方が多い気はしますが。


●意外に楽しいタイプ2的な就活
Aのケースで印象的だったのは、彼が、このような就活が楽しかったと言っている点でした。
「レポートを出すと、企業の人からリアクションが、あったんですよ。『君か、面白い企画書を出してる学生は』なんて言われたり。それが嬉しかったっつうか楽しかったですね」

アクションに対してリアクションがある時、人は喜びを感じます。あなたが生まれて初めて電子メールを送って、相手からレスがあった時、どう感じました?

タイプ2的な就活は意外に楽しいと感じられることが多いはずです。無理にやる必要もありませんが、自分に適性があると感じられる人は取り組んでみてはいかがでしょうか?

要は「就活を楽しんでしまおう!」ということです。

ではまた次回です。

みなさん、こんにちは。
福島直樹です。
第二回放送 「積極的な就職活動って何だ?」はいかがでしたでしょうか?
今回も番組で詳しく触れられなかった部分を補足していきたいと思います。


●ちょっと変わった「積極的な就活」をした学生
以前、面接の度に一発ギャグを言う学生がいました。面接が終わる度に、
「今回はバカ受けでしたよ」
「今日はダメでした。むっとされました。まだ修行が足りません」
等と言っていました。

彼になぜギャグを言うのか聞いてみると、
「先輩に教えてもらったんです。面接では目立たなくてはいけないらしいすから」
と言うんです。


●彼が面接でギャグを言っていた理由
彼の気持がわからなくはないですね。
大手企業では人事以外の人が面接をすることも普通にあります。面接担当者は1日何十人も面接をしている会社もあるでしょう。これは相当に疲れます。学生の顔と名前、そして発言内容をいちいち覚えていられないかもしれません。

「その他大勢の学生の一人になったら落ちる」
「とにかく記憶に残らなくてはいかん。」
「まずは目立とう」

そう考えたようです。


●では面接担当者はどう思っていたのか?
しかしギャグをすることに面接担当者はどう感じているのでしょうか?
他人に対する想像力を働かせてみましょう。番組でも言われていたように、
「そのこと自体で評価が上がるということはほとんどない」。
それが現実です。


●二つのタイプに別けられる、ちょっと変わった活動をする学生
毎年学生を見ていますと、ちょっと変わった活動をする学生がいます。それを僕は二つに分けてみたいと思います。

タイプ1、表面的に目立てば勝ちと思い込んでいる学生
タイプ2、行動自体に合理性が感じられる学生



●タイプ1の事例
・ 一発ギャグを言う。ウケると「しめた!」と思う。
・ 体力に自信があると言い、何の断りも無く突然、腹筋を始めた。
・ 面接にボーイスカウトの格好で登場したが、ボーイスカウト経験はなかった。(これは凄い!)


これらの行動は就活の常識を疑っているように見えます。しかし一回目の原稿にも書いた様に、前提として常識を知っていなくてはならないわけです。


●タイプ1の問題点「わかってないな~」
これらの変わった行動は「自分は非常識な人間です」というアピールになってしまう危険性をはらんでいます。中には寛容な企業もあるかもしれませんが、少なくとも学生が意図した様なプラスの評価にはつながっていません。

「目立てば勝ち」という発想が透けて見えた場合、採用担当者は「この人、わかってないな」と思う可能性が高いはずです。
「わかってない」というのは、「なぜ企業が新卒採用をするのか?学生に何を求めているのか?を理解していない」ということです。


●企業側が考えている事
まず前提として、企業は「仕事で活躍してくれる人」を採用したいわけです。ただ学生は仕事の経験がありませんので、中途採用のように即戦力を求めているわけではありません。そういう意味では次のように言えるかもしれません。
「中途採用では経験を買う」
「新卒採用では可能性を買う」


ある学生に、仕事で活躍してくれる「可能性」を強く感じた場合、高い評価が出るということでしょう。(企業や面接担当者によってこの感じ方に違いがあります。ゆえにA社では内定、B社では落ちたということが起こると類推されます)これを前提にみなさんの人柄、能力、意欲などを確認していくわけです。


●タイプ1の問題点をまとめると以下の3点
・企業の採用の意図を理解していないのでは?→「ものごとを表面的にしか理解できない人ではないか?」
・非常識な行動→「仕事でも非常識な行動をするのではないか?」
・自分の行動が相手にどう思われるかわかっていない→「他人に対する想像力が働かない人ではないか?


このように上記に3点において、マイナスの可能性(仕事で問題を起こすタイプかもしれない)が伝わってしまう恐れがあります。

僕は「就職活動の常識を疑え!」と言いました。しかし同時に「社会の常識も知っていてほしい」と考えています。常識を知らなければ常識を疑うことはできないわけです。

ところでタイプ2はどうなのか?
これについては次回書かせてもらいます。
楽しみにお待ち下さい。
みなさん、こんにちは。
福島直樹です。

第1回放送「会社選びの常識を疑え!」はいかがだったでしょうか?
今回は番組の中で詳しく触れられなかった内容について書いて行きます。


●「変な言い方ですが、学生さんは『知っている会社しか知らない』」。
番組の中で(株)バンダイ人事の常見さんがこのような発言をされていましたね。
これはどういうことなんでしょうか?


派手にCMをしている会社、食べ物や自動車、携帯電話の会社などはみなさんも良く知っていますね。
でも世の中には、テレビの部品を作っている会社、インターネットのネットワーク機器を作っている会社、雑誌やポスターを印刷する時のインクを作っている会社などがあります。このような会社は広告をしないことが多く、一般的に知名度は高いとは言えません。


●BtoC企業とBtoB企業
前者は主に消費者に直接提供するもの(最終消費材)を作っている会社です。これをBtoC(Business to Consumer)の会社と言います。
後者は主に企業に対して商品やサービスを提供しています。
これをBtoB(Business to Business)の会社と言います。
(中にはBtoCとBtoBの二つのビジネスをしている会社もあります)


みなさんがあまり知らないBtoBの会社の中には世界シェアNo.1などという優良企業もあります。世の中には自分の知らない優良企業が実はたくさんあるということなんですね。


●自分の「やりたいこと」を疑ってみる
そういう意味では、現在の自分の「やりたいこと」「志望業界」を一度、疑ってみるのもよいのかもしれません。なにしろみなさんはまだ働いた事がありませんからね。
幅広くみることで、今の志望が思い込みであることに気付く人もいるかもしれません。本当に自分の天職に巡り会えるかもしれません。これは素敵な事です。


● BtoB企業の事例
では参考までに、BtoB企業の事例をいくつか紹介します。どれも優良企業と言われている企業ですが、これが全てではありません。自分なりに、日経会社情報、会社四季報などで調べてみるとよいと思います。


● デジタル素材などを作っている会社
日東電工(液晶テレビの偏光フィルム、世界シェア50%)
http://www.nitto.co.jp/
JSR(液晶テレビの着色レジスト、世界シェア30%)
http://www.jsr.co.jp/
信越化学工業(半導体300mmシリコンウエハー、世界シェア30%)
http://www.shinetsu.co.jp/j/index.shtml


●半導体製造装置
東京エレクトロン(世界シェア2位)
http://www.tel.com/jpn/index.htm
アドバンテスト(世界シェア5位)
http://www.advantest.co.jp/


●電子部品
ローム(システムLSI大手)
http://www.rohm.co.jp/
村田製作所(積層セラミックコンデンサー、世界一位)
http://www.murata.co.jp/
太陽誘電(積層セラミックコンデンサー、世界三位)
http://www.yuden.co.jp/
TDK(HDD用磁気ヘッド、世界一位)
http://www.tdk.co.jp/
日本電産(HDD用精密小型モーター大手)
http://www.nidec.co.jp/index.html


●化学関連
大日本インキ化学工業(印刷等のインキ、世界シェア一位)
http://www.dic.co.jp/
信越化学工業(塩化ビニル、世界シェア一位)
http://www.shinetsu.co.jp/j/index.shtml


今回はこんなかんじです。
質問などがあれば、メッセージください。
では!