みなさん、こんにちは。
福島直樹です。
第二回放送 「積極的な就職活動って何だ?」はいかがでしたでしょうか?
今回も番組で詳しく触れられなかった部分を補足していきたいと思います。


●ちょっと変わった「積極的な就活」をした学生
以前、面接の度に一発ギャグを言う学生がいました。面接が終わる度に、
「今回はバカ受けでしたよ」
「今日はダメでした。むっとされました。まだ修行が足りません」
等と言っていました。

彼になぜギャグを言うのか聞いてみると、
「先輩に教えてもらったんです。面接では目立たなくてはいけないらしいすから」
と言うんです。


●彼が面接でギャグを言っていた理由
彼の気持がわからなくはないですね。
大手企業では人事以外の人が面接をすることも普通にあります。面接担当者は1日何十人も面接をしている会社もあるでしょう。これは相当に疲れます。学生の顔と名前、そして発言内容をいちいち覚えていられないかもしれません。

「その他大勢の学生の一人になったら落ちる」
「とにかく記憶に残らなくてはいかん。」
「まずは目立とう」

そう考えたようです。


●では面接担当者はどう思っていたのか?
しかしギャグをすることに面接担当者はどう感じているのでしょうか?
他人に対する想像力を働かせてみましょう。番組でも言われていたように、
「そのこと自体で評価が上がるということはほとんどない」。
それが現実です。


●二つのタイプに別けられる、ちょっと変わった活動をする学生
毎年学生を見ていますと、ちょっと変わった活動をする学生がいます。それを僕は二つに分けてみたいと思います。

タイプ1、表面的に目立てば勝ちと思い込んでいる学生
タイプ2、行動自体に合理性が感じられる学生



●タイプ1の事例
・ 一発ギャグを言う。ウケると「しめた!」と思う。
・ 体力に自信があると言い、何の断りも無く突然、腹筋を始めた。
・ 面接にボーイスカウトの格好で登場したが、ボーイスカウト経験はなかった。(これは凄い!)


これらの行動は就活の常識を疑っているように見えます。しかし一回目の原稿にも書いた様に、前提として常識を知っていなくてはならないわけです。


●タイプ1の問題点「わかってないな~」
これらの変わった行動は「自分は非常識な人間です」というアピールになってしまう危険性をはらんでいます。中には寛容な企業もあるかもしれませんが、少なくとも学生が意図した様なプラスの評価にはつながっていません。

「目立てば勝ち」という発想が透けて見えた場合、採用担当者は「この人、わかってないな」と思う可能性が高いはずです。
「わかってない」というのは、「なぜ企業が新卒採用をするのか?学生に何を求めているのか?を理解していない」ということです。


●企業側が考えている事
まず前提として、企業は「仕事で活躍してくれる人」を採用したいわけです。ただ学生は仕事の経験がありませんので、中途採用のように即戦力を求めているわけではありません。そういう意味では次のように言えるかもしれません。
「中途採用では経験を買う」
「新卒採用では可能性を買う」


ある学生に、仕事で活躍してくれる「可能性」を強く感じた場合、高い評価が出るということでしょう。(企業や面接担当者によってこの感じ方に違いがあります。ゆえにA社では内定、B社では落ちたということが起こると類推されます)これを前提にみなさんの人柄、能力、意欲などを確認していくわけです。


●タイプ1の問題点をまとめると以下の3点
・企業の採用の意図を理解していないのでは?→「ものごとを表面的にしか理解できない人ではないか?」
・非常識な行動→「仕事でも非常識な行動をするのではないか?」
・自分の行動が相手にどう思われるかわかっていない→「他人に対する想像力が働かない人ではないか?


このように上記に3点において、マイナスの可能性(仕事で問題を起こすタイプかもしれない)が伝わってしまう恐れがあります。

僕は「就職活動の常識を疑え!」と言いました。しかし同時に「社会の常識も知っていてほしい」と考えています。常識を知らなければ常識を疑うことはできないわけです。

ところでタイプ2はどうなのか?
これについては次回書かせてもらいます。
楽しみにお待ち下さい。