ドロドロ。 ~第6話~
テレビに視線を戻した彼の横顔を眺める。
なんて綺麗な顔をした男の子なのだろうか。
女装なんかしたら私なんかより断然綺麗な女の子に仕上がるだろう。
変な妄想に更けそうな私に英樹が言った。
「で?どしたん?なんか用事?」
「暇やったから英樹の家来て見ただけ」
それから数時間英樹の家でテレビゲームを楽しんだ。
ぷよぷよ対戦だ同じ色を4つ以上並べて消していくパズルゲームだ。
結局、一番強かったのは私だ。
なんせ暇なら英樹の家に来ては英樹が勉強している横で永遠ひとりでぷよぷよをしていたからだ。
私に負かされた2人はつまらなさそうな顔をして、健吾は漫画を読みだし英樹はお腹が減ったのかリビングに食べ物を探しに行った。
嵌ったらしつこい私はひとりでぷよぷよを続ける。
一つの事に集中する快感。
いつしか健吾の存在を忘れかけていた。
「そんなにぷよぷよ強くなってどうするん?女のくせに」
悔しそうに私に嫌味を言う彼は可愛かった。
「健吾は中学校何処に行くん?」
「英樹と一緒」
「そっか。秀才チームだ」
「俺は勉強よりボクシングの方が好きや」
ボクシング。
もちろんそのスポーツがこの世に存在する事は知っていたがルール等、詳しい事は知らない。
そこからは健吾にボクシングについての質問の嵐。
私は「なんでなんで星から来たなんでなんで星人」なのだ。
嫌な顔一つせずに質問に答える彼の顔を見ながら自分自身が彼に興味をもちだしている事に気付かずにはいられなかった。
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なんて綺麗な顔をした男の子なのだろうか。
女装なんかしたら私なんかより断然綺麗な女の子に仕上がるだろう。
変な妄想に更けそうな私に英樹が言った。
「で?どしたん?なんか用事?」
「暇やったから英樹の家来て見ただけ」
それから数時間英樹の家でテレビゲームを楽しんだ。
ぷよぷよ対戦だ同じ色を4つ以上並べて消していくパズルゲームだ。
結局、一番強かったのは私だ。
なんせ暇なら英樹の家に来ては英樹が勉強している横で永遠ひとりでぷよぷよをしていたからだ。
私に負かされた2人はつまらなさそうな顔をして、健吾は漫画を読みだし英樹はお腹が減ったのかリビングに食べ物を探しに行った。
嵌ったらしつこい私はひとりでぷよぷよを続ける。
一つの事に集中する快感。
いつしか健吾の存在を忘れかけていた。
「そんなにぷよぷよ強くなってどうするん?女のくせに」
悔しそうに私に嫌味を言う彼は可愛かった。
「健吾は中学校何処に行くん?」
「英樹と一緒」
「そっか。秀才チームだ」
「俺は勉強よりボクシングの方が好きや」
ボクシング。
もちろんそのスポーツがこの世に存在する事は知っていたがルール等、詳しい事は知らない。
そこからは健吾にボクシングについての質問の嵐。
私は「なんでなんで星から来たなんでなんで星人」なのだ。
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ドロドロ。 ~第5話~
自分が死んでしまう想像をしてみる。
親は泣くだろう。
しかし、哀しくて泣くのか。
自分達の育て方を否定された事が悔しくて泣くのか。
どっちなのだろう。
咲子は涙を拭き、布団に包まり空想に耽る。
空想の中の自分は何時も優等生で親から必要とされる人材だった。
学校が始まるまでの間はパラダイスだ。
宿題が無い上に休みが長い。
咲子はいつになく軽い足取りで英樹の家へ向かった。
さっき起きたかの様な頭で迎えてくれた英樹は何も言わず頭を横に振り、家の中に入る様に進めてくれた。
英樹の部屋に入ると、一人の男の子がテレビのリモコンを持ちながら英樹と同様、先程起きたかの様な頭をしていた。
「あっコイツ今度一緒の中学に通う塾の友達の健吾」
軽く頭を下げた彼はすぐに視線をテレビに戻した。
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親は泣くだろう。
しかし、哀しくて泣くのか。
自分達の育て方を否定された事が悔しくて泣くのか。
どっちなのだろう。
咲子は涙を拭き、布団に包まり空想に耽る。
空想の中の自分は何時も優等生で親から必要とされる人材だった。
学校が始まるまでの間はパラダイスだ。
宿題が無い上に休みが長い。
咲子はいつになく軽い足取りで英樹の家へ向かった。
さっき起きたかの様な頭で迎えてくれた英樹は何も言わず頭を横に振り、家の中に入る様に進めてくれた。
英樹の部屋に入ると、一人の男の子がテレビのリモコンを持ちながら英樹と同様、先程起きたかの様な頭をしていた。
「あっコイツ今度一緒の中学に通う塾の友達の健吾」
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ドロドロ。 ~第4話~
まただ。
また自分ではない自分が見ている。
父親に殴られている。
顔を避け、物で体を殴る。
母はそれをざまあ見ろと言わんばかりの顔をして見守っている。
いつしか両親を心の中で呼ぶ時に「この人達」と呼ぶようになった。
この人達は何の為に暴力を振るうのか解らない。
私はこの人達に暴力を振るわれる前に一度も言葉で説明を聞いた事が無い。
言葉で説明した上で反抗する訳ではない。
暴力と言う形で私に理由を教える。
何故という理由をこの人達は言葉で話せないんだ。
いつしか私が手伝いをする理由は「殴られるから」になっていた。
20歳前後の私が12歳の私を見つめる。
涙が止まらない。
何故、この人達は私を殴るのか。
私の存在はいらないのか。
私を殴る事が快感なのか。
私はそんなに悪い子なのか。
私より自分のプライドが大切なのか。
私を愛していないのか。
体の震えが止まらない。
哀しい。
寂しい。
誰か止めて。
暴力を止めて。
殴られた後、20歳前後の自分は自然と消え去る。
窓から夜空を見上げる。
今日の星は一段と美しい。
夜空だけが傷ついた私の心を癒してくれる。
親と言う存在に抱きしめてもらった記憶は無い。
兄弟は姉と弟で十分だったんだ。
私なんて要らない。
死んでしまえばいいんだ。
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また自分ではない自分が見ている。
父親に殴られている。
顔を避け、物で体を殴る。
母はそれをざまあ見ろと言わんばかりの顔をして見守っている。
いつしか両親を心の中で呼ぶ時に「この人達」と呼ぶようになった。
この人達は何の為に暴力を振るうのか解らない。
私はこの人達に暴力を振るわれる前に一度も言葉で説明を聞いた事が無い。
言葉で説明した上で反抗する訳ではない。
暴力と言う形で私に理由を教える。
何故という理由をこの人達は言葉で話せないんだ。
いつしか私が手伝いをする理由は「殴られるから」になっていた。
20歳前後の私が12歳の私を見つめる。
涙が止まらない。
何故、この人達は私を殴るのか。
私の存在はいらないのか。
私を殴る事が快感なのか。
私はそんなに悪い子なのか。
私より自分のプライドが大切なのか。
私を愛していないのか。
体の震えが止まらない。
哀しい。
寂しい。
誰か止めて。
暴力を止めて。
殴られた後、20歳前後の自分は自然と消え去る。
窓から夜空を見上げる。
今日の星は一段と美しい。
夜空だけが傷ついた私の心を癒してくれる。
親と言う存在に抱きしめてもらった記憶は無い。
兄弟は姉と弟で十分だったんだ。
私なんて要らない。
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ドロドロ。 ~第3話~
お腹が痛い。
キリキリする。
トイレに駆け込んでみると下着に血が付着していた。
「お母さん。パンツに血付いてる」
そういうと母はもう用意していたのか、小さなポーチを引き出しから出してきた。
「咲子も大人になった証拠やで」
私はよく理解出来ないまま大人になった。
大人になるという事はこういう事なのだろうか。
案外簡単だと思った。
洗物をしながら母は私に言った。
「咲子手伝いして。そこの洗濯物畳んで」
「嫌や。友達とこれから約束あるねん」
「それくらいしなさい」
「嫌」
私はドアの方へ向いて歩き出した。
すると後ろから皿が飛んできて私の真横をすり抜け壁に当たり粉々に割れた。
「咲子!もう帰ってこんでいい」
その言葉を受けたまま外へ逃げるように出た。
母は言う事を聞かない私をどうしても許せないのだ。
痛い目を見させてなんとしてもいう事を聞かせたいのだ。
予測をしよう。
今日、家に帰ると鍵がかかっている。
寒い中私は3時間は外にいなきゃいけないだろう。
暗い、重い気持ちを抱えたまま友達の家に向かう。
「美紀ちゃん。今日は何する?」
「そやなぁゲームして遊ぶか買い物かどっちがいい?」
「ゲームがいい」
お金が無かった。
小学6年生の私の小遣いは月600円。
もう中学生なので月1000円位にはなるだろうか。
月600円の小遣いで満足する訳がなく、度々母の財布から小銭を盗んでは友達と遊んだ。
日も暮れてきて帰らなければいけない時間になった。
まだ重い気持ちを抱えたまま家路につく。
お腹が痛む。
こんな痛さを毎月味わわなくてはいけないのかと思うと更に痛くなる。
家の前に着く。
時間は門限の19時を15分越えている。
小さな抵抗だ。
きっと鍵は開いていない。
ドアノブに手をあて恐る恐る回してみる。
すると予想ハズレにドアノブは回った。
しかし予想しなかった恐怖も始まった。
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キリキリする。
トイレに駆け込んでみると下着に血が付着していた。
「お母さん。パンツに血付いてる」
そういうと母はもう用意していたのか、小さなポーチを引き出しから出してきた。
「咲子も大人になった証拠やで」
私はよく理解出来ないまま大人になった。
大人になるという事はこういう事なのだろうか。
案外簡単だと思った。
洗物をしながら母は私に言った。
「咲子手伝いして。そこの洗濯物畳んで」
「嫌や。友達とこれから約束あるねん」
「それくらいしなさい」
「嫌」
私はドアの方へ向いて歩き出した。
すると後ろから皿が飛んできて私の真横をすり抜け壁に当たり粉々に割れた。
「咲子!もう帰ってこんでいい」
その言葉を受けたまま外へ逃げるように出た。
母は言う事を聞かない私をどうしても許せないのだ。
痛い目を見させてなんとしてもいう事を聞かせたいのだ。
予測をしよう。
今日、家に帰ると鍵がかかっている。
寒い中私は3時間は外にいなきゃいけないだろう。
暗い、重い気持ちを抱えたまま友達の家に向かう。
「美紀ちゃん。今日は何する?」
「そやなぁゲームして遊ぶか買い物かどっちがいい?」
「ゲームがいい」
お金が無かった。
小学6年生の私の小遣いは月600円。
もう中学生なので月1000円位にはなるだろうか。
月600円の小遣いで満足する訳がなく、度々母の財布から小銭を盗んでは友達と遊んだ。
日も暮れてきて帰らなければいけない時間になった。
まだ重い気持ちを抱えたまま家路につく。
お腹が痛む。
こんな痛さを毎月味わわなくてはいけないのかと思うと更に痛くなる。
家の前に着く。
時間は門限の19時を15分越えている。
小さな抵抗だ。
きっと鍵は開いていない。
ドアノブに手をあて恐る恐る回してみる。
すると予想ハズレにドアノブは回った。
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ドロドロ。 ~第2話~
卒業式。
生徒代表が教師に送る言葉を発している。
スピーカーから響く微かなハウリングの音に不快感を覚える。
イコライザーが狂っている。
正しい周波数をカット出来ていない。
後ろにミキサーを構えて座っている人は何の為にこの体育館に存在するのか。
ただ、音を出せば良いと思っているのだろうか。
「ハヤクオワレ」
心の中で呪文の様に繰り返す。
このまま体にハウリングを受け続けると自分の存在をかき消される様な気がしてならない。
耳から侵入し脳を刺激する。
脳が指示を出し私の体を消し去っていく。
誰か助けて。
少しの立ちくらみと格闘していると急に拍手の音が体育館に響き渡った。
もうすぐ外へ出られる。
外の空気は気持ちよすぎた。
冷え切った空気が私の頬を直撃する。
生き返る。
大阪の空気はとてもじゃないが綺麗とは言えない。
だけど冷え切った空気は私をリセットしてくれる。
「頭を冷やす」正しくその言葉通りだ。
「よっ!咲子!何ほけーとしとんねん」
頭を軽くぶたれ私は我に帰る。
「良い空気やなと思って」
「おいおい。ここ大阪でしかも東大阪やで?大阪の中でも最も空気が悪い場所やで?」
「英樹にはわからん」
方向を向きなおして歩き出す私の半歩後ろを英樹がついて来る。
「俺ら中学校違うしもうお別れやな」
「そやね」
「それだけ?お前は相変わらず無愛想やなぁ。もっと寂しいわぁとか可愛い事言われへんわけ?」
私は立ち止まった。
急に立ち止まった私にぶつかりそうになっている英樹の方へ向きなおした。
「英樹に話ある」
「なんやねん突然歩き出したり立ち止まったり。もしかして愛の告白だったりして」
ちゃらちゃらしている様に見える英樹。
しかし彼ならきっと聞いてくれるそして解ってくれる。
そう思えた。
英樹は同じマンションに住む幼馴染だ。
しかし同じ中学には行かない。
何故なら英樹は優秀だからだ。
頭の悪い私とは違う。
「自分が自分じゃ無くなる感覚って解る?」
「自分が自分じゃ無くなる感覚?」
「うん。そう。例えば今、自分に物凄く嫌な出来事が降りかかったとするやん?そんな時にこの嫌な出来事は私に起こっているのではなく他の人物に起こっているのだと思い込む事。そしたらね、本当に自分じゃなくなるの。これって多重人格ってやつなんだと思うけどそれとは少し違うの。」
「少し違う?」
「うん。どう違うかと言うとね、自分じゃない人間になっている時に元の自分の意識もしっかりあるの。例えば私が15歳の人間になった時にちゃんと12歳の私が上から見てるの。そして15歳の私を操作するの。うーん、なんていったらいいかな・・・・。」
「咲子は自分の人生を行き来してるって事?15歳の咲子になったり5歳の咲子になったり20歳の咲子になったり?」
「そうそう。でもね実年齢より下がる事はないねん。」
いきなりの話に英樹は動揺するわけでもバカにする訳でもなく幼少の頃の体験を話し出した。
「俺さ、幽体離脱した事があるねん。寝ている自分を上から見下ろしてる自分。空を飛び回る自分。どれも本当で体が風にあたる感触も残ってた。多分、咲子のは多重人格というより幽体離脱の方が近いのかもな。」
気持ちが軽くなった。
この会話を出来る人間を慎重に探していた。
英樹で良かった。
心からそう思う。
「ありがとう。行こう!」
と言うと私は英樹の腕を引っ張って小学校の門をくぐった。
英樹と顔を合わせて出来るだけ大きな声で叫んだ。
「卒業おめでとう!」
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生徒代表が教師に送る言葉を発している。
スピーカーから響く微かなハウリングの音に不快感を覚える。
イコライザーが狂っている。
正しい周波数をカット出来ていない。
後ろにミキサーを構えて座っている人は何の為にこの体育館に存在するのか。
ただ、音を出せば良いと思っているのだろうか。
「ハヤクオワレ」
心の中で呪文の様に繰り返す。
このまま体にハウリングを受け続けると自分の存在をかき消される様な気がしてならない。
耳から侵入し脳を刺激する。
脳が指示を出し私の体を消し去っていく。
誰か助けて。
少しの立ちくらみと格闘していると急に拍手の音が体育館に響き渡った。
もうすぐ外へ出られる。
外の空気は気持ちよすぎた。
冷え切った空気が私の頬を直撃する。
生き返る。
大阪の空気はとてもじゃないが綺麗とは言えない。
だけど冷え切った空気は私をリセットしてくれる。
「頭を冷やす」正しくその言葉通りだ。
「よっ!咲子!何ほけーとしとんねん」
頭を軽くぶたれ私は我に帰る。
「良い空気やなと思って」
「おいおい。ここ大阪でしかも東大阪やで?大阪の中でも最も空気が悪い場所やで?」
「英樹にはわからん」
方向を向きなおして歩き出す私の半歩後ろを英樹がついて来る。
「俺ら中学校違うしもうお別れやな」
「そやね」
「それだけ?お前は相変わらず無愛想やなぁ。もっと寂しいわぁとか可愛い事言われへんわけ?」
私は立ち止まった。
急に立ち止まった私にぶつかりそうになっている英樹の方へ向きなおした。
「英樹に話ある」
「なんやねん突然歩き出したり立ち止まったり。もしかして愛の告白だったりして」
ちゃらちゃらしている様に見える英樹。
しかし彼ならきっと聞いてくれるそして解ってくれる。
そう思えた。
英樹は同じマンションに住む幼馴染だ。
しかし同じ中学には行かない。
何故なら英樹は優秀だからだ。
頭の悪い私とは違う。
「自分が自分じゃ無くなる感覚って解る?」
「自分が自分じゃ無くなる感覚?」
「うん。そう。例えば今、自分に物凄く嫌な出来事が降りかかったとするやん?そんな時にこの嫌な出来事は私に起こっているのではなく他の人物に起こっているのだと思い込む事。そしたらね、本当に自分じゃなくなるの。これって多重人格ってやつなんだと思うけどそれとは少し違うの。」
「少し違う?」
「うん。どう違うかと言うとね、自分じゃない人間になっている時に元の自分の意識もしっかりあるの。例えば私が15歳の人間になった時にちゃんと12歳の私が上から見てるの。そして15歳の私を操作するの。うーん、なんていったらいいかな・・・・。」
「咲子は自分の人生を行き来してるって事?15歳の咲子になったり5歳の咲子になったり20歳の咲子になったり?」
「そうそう。でもね実年齢より下がる事はないねん。」
いきなりの話に英樹は動揺するわけでもバカにする訳でもなく幼少の頃の体験を話し出した。
「俺さ、幽体離脱した事があるねん。寝ている自分を上から見下ろしてる自分。空を飛び回る自分。どれも本当で体が風にあたる感触も残ってた。多分、咲子のは多重人格というより幽体離脱の方が近いのかもな。」
気持ちが軽くなった。
この会話を出来る人間を慎重に探していた。
英樹で良かった。
心からそう思う。
「ありがとう。行こう!」
と言うと私は英樹の腕を引っ張って小学校の門をくぐった。
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ドロドロ。 ~第1話~
足元の石を蹴る。
そして蹴った石の所まで行き、また蹴る。
それを数回繰り返して今日はどんな修行をしてから学校へ行こうか考える。
このまま石が行く方へついていこうかと考えた時、石が溝に嵌まった。
しゃがみこんで溝に嵌った石を見つめる。
涙が込み上げる。
学校にも家にも帰りたくない。
ランドセルを道端に置き、その上にお尻を下ろす。
スボンを膝まで捲り上げ痣のある場所を擦る。
痛い。
兄弟は3歳離れた姉と年子の弟がいる。
姉は中学校3年生で一番成績の良く、世間一般の悪いと言われる様な事は一切しない優等生だ。
弟は高森家の後継ぎで兄弟唯一の男の子。
成績は良くは無いが可愛がられている。
私は成績が悪く、宿題、手伝いをしない悪い子だ。
ピアノ教室に通わされても練習をしない為、すぐに辞めさせられる。
可愛くない子だ。
今日は昨日やった漢字テストの採点が出来上がる日だ。
また0点をとって皆の前で先生に叱られ、廊下へ立たされる。
「私は0点をとりました」というボードを持って。
ランドセルの上に座り皆が走ったり、笑いなら歩いたりしながら学校へ向かう風景を眺める。
殴られても、蹴られても、髪の毛を引っ張られても痛くない修行をしてから学校に行こう。
足に爪をたて思い切り力を入れて引掻く。
蚯蚓腫れができる。
髪を思い切り引っ張る。
数本髪が抜け落ちる。
両手を両目の前に持ってきて何も見えない修行をする。
そして修行が終わると空を見上げる。
いつも空は私を慰めてくれる。
今日も頑張れる。
立ち上がってランドセルを背負う。
今日は午後から卒業式の予行演習だ。
後1日で小学校ともおさらばだ。
毎朝この道を通るのも後1日。
学校に着くとランドセルの中身を机の中に入れ、ホームルームの時間を待つ。
窓から見える木の葉はあと3枚。
まだ落とさないでと言わんばかりにしがみ付いている。
ドアの開く音がして学級委員長の「起立」と言う声が教室に響き渡る。
先生は予想通り漢字テストを配り始める。
「高森前へ」
そう言われた私は素早く先生の座っている教壇の前に行く。
「あんたは何回0点とる気なんや?田中なんかみてみ?毎回100点やで?勉強しなあかんていってるやろ?何故しない?」
答える事が出来ない。
何故なのか自分自身も解らない。
何度叱られてもやろうという気が起こらないからだ。
私の頭の中で先生は腹話術の人形に変換される。
ただ、人に動かされておしゃべりを続ける。
それに私は相槌をうつ。
廊下で立ちながら色々な妄想に耽る。
テストで100点をとって皆の脚光を浴びる。
先生も誉めてくれる。
母は私を抱きしめ「咲子は凄いね」と言ってくれる。
1時間目が終わり教室に入る。
窓から見える木に目をやると残り3枚の葉は散っていた。
私は明日、この学校を卒業する。
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そして蹴った石の所まで行き、また蹴る。
それを数回繰り返して今日はどんな修行をしてから学校へ行こうか考える。
このまま石が行く方へついていこうかと考えた時、石が溝に嵌まった。
しゃがみこんで溝に嵌った石を見つめる。
涙が込み上げる。
学校にも家にも帰りたくない。
ランドセルを道端に置き、その上にお尻を下ろす。
スボンを膝まで捲り上げ痣のある場所を擦る。
痛い。
兄弟は3歳離れた姉と年子の弟がいる。
姉は中学校3年生で一番成績の良く、世間一般の悪いと言われる様な事は一切しない優等生だ。
弟は高森家の後継ぎで兄弟唯一の男の子。
成績は良くは無いが可愛がられている。
私は成績が悪く、宿題、手伝いをしない悪い子だ。
ピアノ教室に通わされても練習をしない為、すぐに辞めさせられる。
可愛くない子だ。
今日は昨日やった漢字テストの採点が出来上がる日だ。
また0点をとって皆の前で先生に叱られ、廊下へ立たされる。
「私は0点をとりました」というボードを持って。
ランドセルの上に座り皆が走ったり、笑いなら歩いたりしながら学校へ向かう風景を眺める。
殴られても、蹴られても、髪の毛を引っ張られても痛くない修行をしてから学校に行こう。
足に爪をたて思い切り力を入れて引掻く。
蚯蚓腫れができる。
髪を思い切り引っ張る。
数本髪が抜け落ちる。
両手を両目の前に持ってきて何も見えない修行をする。
そして修行が終わると空を見上げる。
いつも空は私を慰めてくれる。
今日も頑張れる。
立ち上がってランドセルを背負う。
今日は午後から卒業式の予行演習だ。
後1日で小学校ともおさらばだ。
毎朝この道を通るのも後1日。
学校に着くとランドセルの中身を机の中に入れ、ホームルームの時間を待つ。
窓から見える木の葉はあと3枚。
まだ落とさないでと言わんばかりにしがみ付いている。
ドアの開く音がして学級委員長の「起立」と言う声が教室に響き渡る。
先生は予想通り漢字テストを配り始める。
「高森前へ」
そう言われた私は素早く先生の座っている教壇の前に行く。
「あんたは何回0点とる気なんや?田中なんかみてみ?毎回100点やで?勉強しなあかんていってるやろ?何故しない?」
答える事が出来ない。
何故なのか自分自身も解らない。
何度叱られてもやろうという気が起こらないからだ。
私の頭の中で先生は腹話術の人形に変換される。
ただ、人に動かされておしゃべりを続ける。
それに私は相槌をうつ。
廊下で立ちながら色々な妄想に耽る。
テストで100点をとって皆の脚光を浴びる。
先生も誉めてくれる。
母は私を抱きしめ「咲子は凄いね」と言ってくれる。
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