↓前回の話では・・・

 

 

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・・・・・

 

<<前書き・・・>>

 

いよいよ、関東で反乱を起こした平忠常の討伐のため、出陣したした、壬生耀月率いる武装集団、一緒について来た”額に黒い痣を持つ男”壬生縁継の初陣の結果は?

 

是非とも読んでみて下さいね

 

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第1章 戦国時代編

 

第45話 『蒼い彼岸花』を求めて ㉘(第50話)

 

 

安房国(房総半島南部)に着いた私と縁継が率いる壬生家武装団は、下総国・上総国・安房国(千葉県・茨城県南西・東京都東部)を支配する豪族・平忠常の討伐に参戦した各豪族の武装団が集結する陣地に入った

 

「これはこれは、伊勢守・平正輔(たいらの・ただすく)麾下、壬生耀月(みぶの・かがつき)殿・・・久方ぶりだな、よくぞ参られた」

と、煌びやかな鎧を着た、偉丈夫で高貴な方が親しく私たちに声を掛けてきた

 

その高貴な方・・・中央政府・検非違使の長官で「鎮守府将軍」の官職を持ち、平忠常討伐の総大将・源頼信(みなもとの・よりのぶ)が、直々に私の処に駆けつけ挨拶を交わせてくれた

 

「お久しぶりです源頼信様、京の警護の任以来です・・・中央政府の高官であられる頼信様が、身分の低い私に駆けつけて挨拶とは・・・各面々に示しが」

 

と、私は恐縮しながら尋ねると、頼信様が、高らかに笑いながら

 

「そなたとは、お互いに武芸を鍛えあった仲だ!!!気にするな」

と、私の二の腕を叩き、私の横にいる縁継の方を向き

 

「この偉丈夫の若人が、そなたの義息子(むすこ)の・・・」

と、少し驚きながら問われたので

 

「はい、壬生縁継(みぶの・よりつぐ)と申します」

と、紹介すると、頼信様が、縁継の肩をポンと手をのせ

 

「余の名は源頼信、君の義父とは武芸の友だ・・・縁継よ、君の武芸は、既に義父を超えてると聞いてる・・・存分に武功を上げてくれる事を期待してるぞ」

と、激励をうけると、縁継は緊張し慌てて

 

「は、はい!!!よろしくお願いいたします」

と、頭を下げて挨拶すると

 

「ははは・・・そこまで緊張しなくても良い、ゆるりと寛ぎたまえ」

と、緊張する縁継を、にこやかに諭し

 

「遠路はるばるご苦労だった・・・進行の疲れを取るが良い」

と、私たちを労い残し、指揮幕の方へと帰って行った

 

・・・・・・

 

平忠常が陣を引いている下総国へと行く先々で、平忠常の味方となっている国人(小豪族)が構える砦や城、陣地を叩いて行かなければならない

 

いよいよ、安房国と上総国の国境で、平忠常の味方する、その地域の国人たちが構える陣と合戦となり

 

そして、縁継は、その合戦で“初陣”を飾る事となったのだ

 

「「我々が先陣を切り!!!!壬生家の名声を高めよ!!!!」」

 

馬に跨った私が先陣を切り、後には同じく馬に乗る縁継と一部の騎馬隊、多数の歩兵を組んだ武装集団は、立ち向かってくる敵集団と衝突した

 

私の後に付いて行く縁継が

 

「どうしても、敵の命を奪わなければならないのですね・・・」

と、躊躇していたので

 

「縁継!!!今頃怖気付いたのか・・・敵側も、私たちの命を奪いに来てるのだ、己の命を護りたければ、敵の命を奪うしかないだろ」

 

と、私は怒気を帯びた声で、叱責をしていた

 

“やはり・・・連れて行くべきではなかったか・・・・”

と、暗澹たる気持ちになった

 

“かと言って、義息子を庇う暇はない・・・”

ここは戦場、気を落として敵に隙を見せる訳にはいかないと戦いに集中するしかなかった

 

そうでなければ、味方の被害が拡大する・・・・それに、義息子は、そう簡単に敵に討ち取られないと言った確信もあったのだ

 

そんなとき、次々に味方の兵たちが敵に討たれている場面を見た縁継は激昂し

 

「「義父上と皆さん(自身の武装集団)は、私が護ります!!!!」」

 

と、日輪刀『旭日丸』を抜いた縁継が、私より先に駆け抜け、敵武装集団に向かい

 

「「天照の刃・日輪の光迅!!!」」

 

敵武装集団の中を縦横無尽に、“漆黒の刃”からほとばしる“太陽の輪”の斬撃で、次々と敵兵たちをなぎ倒し、瞬く間に、敵武装集団を指揮する武将を倒していったのだ

 

敵武装集団を一方的に蹂躙する縁継の姿は、まるで“怒り狂った鬼神が、逃げ惑う弱き人間を殺戮する様”のようで、私を含め味方の兵たちは目を見開き驚愕するしかなかった

 

それだけでなく、味方の軍・敵の軍も、縁継の戦いに目を見張っていた

 

・・・・・

 

縁継の活躍により、瞬く間に平忠常の一角を崩した、源頼信が率いる朝廷軍は、夕刻時には安房国を越え、上総国南部で“陣営”を構えた

 

早速、総大将・源頼信が、私の武装集団の幕張に訪れ

 

「壬生縁継・・・流石は、耀月殿の義息子!!!平忠常配下の軍をいとも簡単に殲滅させるとは思わなかったぞ」

と、縁継に激励し

 

「初陣で“これだけ”武功だ・・・報奨は最高になるだろう、楽しみにしておれ」

と、誉めたあと、私の幕張から出て行った

 

だが、総大将から誉められ、素直に喜ばない縁継は、悲しそうな顔で

 

「味方の命を護る為とはいえ、私たちの命を奪いに来る敵の命を奪うのは、いい気分ではありませんね」

と、呟き、そして静かに泣き出していた

 

私は、人を殺してしまった罪悪感に押しつぶされそうになる縁継に

 

「そうだな・・・だが、この反乱を放置すれば、いつか無辜の平穏に暮らす人々の命を奪いに来るだろう」

と、諭そうとすると

 

「どう言う事ですか?」

と、縁継が問うてきたので、私は

 

「反乱の首謀者・平忠常が調子に乗って朝廷の言う事を聞かなくなり、他人の領土を攻め、そこで日常生活を送る人々の命を奪う事だ」

と、語りはじめ

 

「何の敵意も無い無辜の者たちを、一方的に命を奪わせないために、朝廷は、平忠常の討伐を決意されたのだ」

と、まるで小さな子供を説得する為の“きれい事な”解説をした

 

黙って聞いている縁継は、いまいち納得していない表情だったので

 

「つまり、お前は、己の命を奪おうとする者の命を奪ったのであって、敵意のない無辜の者の命を奪った訳ではない・・・何も罪悪感を持つ必要はない」

と、諭したら

 

「・・・・確かに、無辜の民の命を奪った訳では無いですね」

と、縁継は、微笑浮かべ納得し

 

「私も、初めて敵の命を奪ってしまった時は、縁継の様に悩んだものだと」

と、私も、過去に縁継と同じ思いをいた事を呟き

 

「え?義父上もですか」

と、縁継が不思議そうな顔で言われたので、私は苦笑交じりに

 

「私とて、血の通った人間だ・・・ただ、その悩み・罪悪感を“さっき諭した事柄”で、払拭したまでだ」

と、言い訳をして

 

「今日は、ゆっくりと休め」

と、縁継を促し、私は、敵の夜襲に備え、陣地の見張りの方へと向かった

 

・・・・・

 

次の早朝から、朝廷軍は陣幕を畳み出陣の用意をし、平忠常のいる下総国へと北上した

 

その途中で、“鬼神の如くの縁継の活躍”を聞いてかして、一部の平忠常の味方になっていた国人たちが“降伏”しだす事態になり

 

総大将・源頼信は、その降伏してきた国人たちに、平忠常の陣への道案内を“条件”の下に“降伏の承諾”し、土地柄を知る国人の道案内のお陰で、予定より早く、下総国の境界まで進行する事が出来た

 

そんな時、平忠常が率いる国人たち武将集団が現れ、源頼信が率いる朝廷軍と対峙することとなった

 

「平忠常本人の軍だけあって、大規模な軍営だな・・・」

と、源頼信が感嘆と呟いていた

 

お互いに“陣営”を張り、相手の出方を待ち構え、膠着状態なっていた

 

「耀月殿、そなたの軍を先陣にて、平忠常の陣営を崩して頂きたい」

と、総大将の軍令に従い

 

私たちの武装集団を先頭に、朝廷に味方する幾つかの武装集団を連ね、平忠常の陣営へと突進をしたのだった

 

私の武装集団を抜き、単騎で“鬼神の如く疾走する”縁継・・・・

 

ここでも、鬼神が暴れるが如く、平忠常の軍を蹂躙するかと思ったが・・・

 

まさか、若者の浅知恵なのか、慈悲の深さ故なのか“とんでもない”愚行を犯してしまうのだった

 

 

第51話(第1章・第46話)へ続く・・・

 

 

<<後書き・・・>>

 

鬼神の如くの活躍を見せた縁継・・・人の命を奪った罪悪感から解放する為に、諭した耀月

耀月の説得に一見、納得した縁継だったが

 

いよいよ、平忠常の本軍と接触し、縁継は一体どんな戦いをするのだろうか?

 

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