「ミートボールマシン オリジン」
(MEATBALL MACHINE )
(1999年 日本 70分)
【ネタバレ注意】
もの凄い映画でした。
「ミートボールマシン」 (2005年リメイク版)のオリジナル版。
原版は8ミリフィルム。
99年に中野武蔵野ホールにて劇場公開されています。
DVDはその完全版。
冒頭、いきなり主人公の恋人が奇怪な金属質の物体に寄生されます。
苦しみもがきながら金属と同化してゆく恋人に、
なす術も無い主人公の青年。
そこへ同じように物体に寄生された化け物が現れ、
青年の目の前で恋人を惨殺。
やがて自らも寄生され化け物と化す青年でしたが、
必死で自我を保ち、
恋人の敵である化け物と壮絶なバトルを繰り広げます。
登場人物の人となりを前半で丁寧に描写していたリメイク版に対し、
こちらオリジンは冒頭からトップギア。
いきなり大事件のオープニングから、
そのまま70分間強烈なイメージで見せ切ります。
全編普通じゃない状況。
普通の人もほとんど出てこないし。
作品自体が化け物じみてます。
この設定、この展開、このビジュアル、凄い発想力です。
インディーズフィルム史上屈指の独創性なのでは?
8ミリでよくここまでやった、と感心しました。
リメイク版で見られた独創的なイメージの数々は、
このオリジナルの時点で既に完成されていたんですね。
「内職のようにしてたった一人で作り上げた着ぐるみ」とのことでしたが、
モンスターのコスチュームは大変凝った作りでなかなかの出来栄え。
これは・・・1人で手作りじゃほんとに大変だっただろうなあ。
コスチューム以外にも手がかかりまくってます。
全編特撮カットがギッシリ(VFXじゃないよ)。
徹底的に作り込まれたファンタスティックな映像の連続です。
アナログ手作りな特殊効果がとても楽しい。
「物体」が歩き回る描写などは、
ストップモーション・アニメで丁寧に処理されており、
不気味さではこちらの方がリメイク版より勝ってます。
体内の寄生生物もコマ撮りで、
「SFレーザーブラスト」のような風情が楽しいです。
(リメイク版ではマペット的な処理)
グロ描写も徹底してます。
全編血みどろ。
8ミリフィルムの粗い画質も、
この作品の凄まじい内容には合っている気がしました。
その画質ですが、それなりに8ミリ映画を観てきた者の意見としては、
テレシネの具合も良く、画は比較的綺麗な方だと感じました。
もちろんチリの写り込みもありますが、それはフィルムの味です。
・・・と言うか、内容が凄過ぎて気になりませんでしたよ。
万人にお薦め!というわけではありませんが、
B級ホラー、スプラッター、B級アクション、ロボットものや特撮、コスチュームバトル等々、
これらジャンルのファンにとっては一見の価値ありです。
町外れのうらぶれた景色の中で繰り広げられる、
異形の者たちのバトルロイヤルをじっくり堪能できました。
↓DVD!
イラスト仕様のシャレたジャケはセル版のみだそうです。
↓ついでにこちらもいかがでしょう?
28日(金)ついに発売です!!!
(ちゃっかり宣伝。ちなみにレンタルは5月頃からだそうです)