1966年から芸術の殿堂として輝いてきた現・帝国劇場はまもなく閉場。
五年後に新たな劇場に生まれ変わる前最後の公演「THE BEST」に行ってきました。

諸々あって、観に行くことは厳しいかなあ、と控えていたのですが
リセールチケットを発見して参戦して参りました。
Dプログラム最終日(3公演目)
日常的な公演と比べてなかなか高額なチケットではありましたが
綺羅星のような俳優さん達が歌い踊る、とても贅沢な時間を味わいました。
(この公演を何公演も観ると。。。)
ミュージカル界のプリンス・井上芳雄さんがホスト役になり司会進行🎤
さらに歌い踊る♪
キャストは次の通り
レギュラーキャスト(全日程)
井上芳雄 浦井健治 小野田龍之介 甲斐翔真
佐藤隆紀(LE VELVETS) 島田歌穂 三浦宏規 宮守真守
D・E・F・Gプログラムキャスト
一路真輝 木下晴香 瀬奈じゅん 花總まり 屋比久知奈
Dプログラムゲスト
朝夏まなと 和音美桜 中川晃教 山崎育三郎



このメンバーを見ただけで、すごい!と気付く方もいるのでは。

別日には、
涼風真世、森公美子、鹿賀丈史、大地真央、松たか子、石丸幹二
平原綾香、伊礼彼方、山口祐一郎、城田優、堂本光一、前田美波里
市村正親、鳳蘭、田代万里生
などなど、驚くほどのメンバー
日替わりの味の違いもあり、お金と時間があれば
全てのプログラムを観たくなります。
私が観たDプログラムでは、
中川晃教さんと山崎育三郎さんが出演。
井上芳雄さんと三人でのモーツァルトから「影を逃れて」が、
最高に盛り上がったときとなりました。
ウォルフガング役は日本で5人あとの二人は古川雄大さんと京本大我さん。
3/5が集まった瞬間でした。
その他にも、実際の公演の役柄で歌われた
甲斐翔真「ロクサーヌ」(ムーラン・ルージュ!ザミュージカル)
小野田龍之介&屋比久知奈「世界が終わる夜のように」(ミス・サイゴン)
井上芳雄&木下晴香「それ以上の」(ルドルフ~ザ・ラスト・キス~)
三浦宏規&一路真輝「シャル・ウィ・ダンス?」(王様と私)
井上芳雄「この星空」(二都物語)
浦井健治「目を開いて」(笑う男 The Eternal Love ‐永遠の愛‐)
井上芳雄「最後のダンス」(エリザべート)
島田歌穂「オン・マイ・オウン」(レ・ミゼラブル)
朝夏まなと「自由」(ローマの休日)
和音美桜「二人を信じて」(ルドルフ~ザ・ラスト・キス~)
井上芳雄&浦井健治「宿敵がまたとない友」(ナイツ・テイル ‐騎士物語‐)
花總まり「秘めた思い」((レディ・ベス)
宮野真守「ディオの世界」(ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド)
浦井健治「揺れる心」(王家の紋章)
中川晃教「僕こそ音楽」(モーツァルト)
山崎育三郎「キッチュ」(エリザべート)
井上芳雄&中川晃教&山崎育三郎「影を逃れて」(モーツァルト)
井上芳雄&三浦宏規「闇が広がる」(エリザベート)
木下晴香「ダンスはやめられない」(モーツァルト)
佐藤隆起&花總まり「夜のボート」(エリザベート)
井上芳雄&一路真輝「私が踊る時」(エリザベート)
屋比久知奈「命をあげよう」(ミス・サイゴン)
というあり得ない豪華さ
通常とは違って、オールスターキャストだから出来ることですね。
出演者の方々が帝劇への思いを語る場面があったのですが
亡くなられた神田沙也加さんを思い涙された朝夏まなとさんの姿が
特に印象的でした。
帝劇で現在までに演じられたミュージカル作品は53作品。
私が観たものをまとめておきたいと思います(年代不順)
「ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち」
➡個人的に最多回数観ている作品
ザザ市村正親・ジョルジュ鹿賀丈史コンビによるハートフルな作品
二人の息子役ジャンミッシェルには、吉野圭吾、山崎育三郎、原田優一
相葉裕樹、木村達成、内海啓樹と若手有望株が歴代演じています。
ザザがメイクをしながら歌う〈マスカラ〉が素晴らしいです。
「マイ・フェア・レディ」
➡イライザ役は大地真央が有名。それ以前は栗原小巻。
私が初見した際は、どちらだったか不明。
〈踊り明かそう〉を初め、有名なナンバーが満載です。
「エリザベート」
➡元は宝塚歌劇団版。トートを演じていたのは、一路真輝、春野寿美礼
水夏希、瀬奈じゅん、明日海りお、朝夏まなとなど、現在も東宝作品の
常連多数。
そして、今回のホスト井上芳雄のデビュー作品。ルドルフ役。
東宝初演時のエリザベートは一路真輝、トートのうち一人は
なんと内野聖陽(きのう何食べた?のケンジ)
トートとルドルフの〈闇が広がる〉は、このミュージカルを代表する名曲。
「レ・ミゼラブル」
➡日本版では、鹿賀丈史と滝田栄がジャン・バルジャンとジャベールを
交互に演じる。エポニーヌは島田歌穂、ファンテーヌは岩崎宏美
マリウスは野口五郎。テナルディエの斎藤晴彦は名演でした。
エポニーヌの歌う〈オン・マイ・オウン〉は涙を誘う名曲。
「ミス・サイゴン」
➡ベトナム戦争を描く作品。
エンジニア役の市村正親が昨年同役の引退を宣言。
キムを演じた本田美奈子のことは、未だに語り継がれる。
キムの歌う〈命をあげよう〉が代表的な名曲。
「屋根の上のヴァイオリン弾き」
➡テヴィエ役を森繁久彌が900回演じる。私は森繁の舞台を観ているが
まだ子供過ぎて、一貫して地味で暗く内容が難しく。。。
その後は西田敏行が演じている。現在は市村正親。
テヴィエが歌う〈陽は昇りまた沈む〉が有名。
「ラ・マンチャの男」
➡ドンキホーテ/セバスチャン役を松本白鴎(市川染五郎、松本幸四郎)が
1324回を一貫して演じた。
昨年横須賀芸術劇場でのファイナル公演を観ることが出来た。
こちらも、中々難しい作品で、ようやく理解できたかな。
ドン・キホーテが歌う〈見果てぬ夢〉があまりにも有名。
「モーツアルト」
➡ダブルキャスト嫌いの井上芳雄が中川晃教とヴォルフガングを演じる。
父のレオポルト役は井上正親、コロㇾド大司教役は山口祐一郎と、
劇団四季「オペラ座の怪人」でファントムを演じた名優が演じる。
ヴォルフガングの歌う〈僕こそ音楽〉〈影を逃れて〉と
ヴァルトシュテッテン伯爵夫人が歌う〈星から降る金〉が有名。
涼風真世の伯爵夫人が印象的。
「スウィーニートッド フリート街の奇妙な床屋」
➡初演時は市川染五郎と鳳蘭のコンビ。現在は、市村正親と大竹しのぶ。
一貫して暗い舞台のミュージカル。
大竹しのぶの怪演もまた印象的。
「サウンド・オブ・ミュージック」
➡1965年に東宝ミュージカル。1988年に宝塚歌劇団。
現在は、劇団四季が上演している。
〈山に登れ〉〈エーデルワイス〉〈ドレミの歌〉と親しみやすい歌が多数。
「王家の紋章」
➡漫画を原作とした作品。浦井健治、宮野真守、伊礼彼方が出演。
漫画原作としては、その後「ジョジョの奇妙な冒険」「SPY×FAMILY」がある。
大学の合唱団の後輩が出演していました。
「1789‐バスティーユの恋人たち」
➡小池徹平が主役ロナン役を演じた。
実は、あまり印象が無く。。。
「ダンス オブ ヴァンパイア」
➡山口祐一郎演じるクロロック伯爵(吸血鬼)が不気味。根強いファンを持つ作品。
不気味なのに笑えるという不思議な作品
助手のアルフレート役は、浦井健治、泉見洋平、山崎育三郎、平方元基
良知真次、相葉裕樹、東啓介、太田基裕、寺西拓人と現在も舞台で活躍の面々。
「ムーラン・ルージュ!ミュージカル」
➡いわゆるジュークボックスミュージカル(既存の楽曲を使ったミュージカル)。
同形態としては、劇団四季の「マンマ・ミーア」「クレイジーフォーユー」などがある。
井上芳雄と甲斐翔真がダブルキャストで主役クリスチャンを演じる。
舞台装置の煌びやかさが話題となった。
その他には
「回転木馬」 「三銃士」 「レディ・ベス」 「レベッカ」
「キャンディード」 「ルドルフ ザ・ラストキス」
という21作品でした。
さて、5年後の新・帝国劇場会場はどんな作品で
杮落としとなるのでしょうね。
それまでは、アニバーサリーブックを眺めることにいたしましょう。
「マイ・フェア・レディ」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「ラ・マンチャの男」
「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「エリザベート」については
歴代キャスト表もあって、超充実なのです。

劇団四季もこういうのを出して欲しいなあと、高校時代から四季の会の会員である私は
思うのですが、あのキャスティングでは厳しいのでしょうね。