「全生」という整体の考え方をテーマにお話しします。
今、目の前の出来事に悩んでいる、行き詰まっているという方に特に聞いていただきたい内容です。
昨日、会員さんからこんなお話を伺いました。映画「国宝」をご覧になったそうです。
その方が「先生、あの主人公の生き方って整体でいう“全生”ですね」と言われました。
映画では、渡辺謙さん演じる歌舞伎の名門の当主ですけど舞台の最中に血を吐いて亡くなり、横浜流星さん演じる名門の御曹司も糖尿病で片脚を切断、残る足も壊死しながら、最後まで舞台に立ち続ける姿が描かれています。
まさに「体を使い切って生き切る」生き方です。
ただ私自身も「全生で生きたい」と思いますが、整体の最中に血を吐いて倒れたら困りますよね(笑)。
ですから私は「丁寧に体を使い切る」ことを大切にしたいと思っています。
会員さんの中に88歳の元美容師さんがいらっしゃいます。
股関節が硬く、小さな歩幅でしか歩けません。
その方はご自身のお身体のことを「ボロな体だ」とよくおっしゃいます。
私は「ボロになるまで頑張ってくれたお体は有難いじゃないですか」と返します。
それも立派な全生だと思います。
人は寝たきりになったり、認知症になったりすることもあります。
それもまた、その人が自分のレースを走り切った結果です。
では「生きる目的」とは何でしょうか?
動植物にとっては「次の世代にバトンを渡すこと」です。
人間も子孫を残すことがありますが、子どもがいなくても、姿や言葉、思想や気づきなど、必ず何かを誰かに残しています。
精神科医のビクトール・フランクルはナチスの収容所で地獄のような体験をします。
家族を全て失い社会的地位や財産など全てを失います。
そしていつかは世に出したいと思って隠し持っていた本の原稿も目の前で燃やされます。
寒さに震えながら、重労働を課せられ、与えられる食事は水としか思えないスープとわずかなパン、理不尽な暴力を受ける日々といつ自分もガス室に送られるかもしれないという恐怖の中で彼は2年半生き延びます。
彼が地獄の中でも生き延びれた理由がこれです。
「この経験は必ず誰かの役に立つ」
と信じたことだったんです。
実際に彼は収容所を出てから、『夜と霧』という本を書き世界中の多くの人に影響を与えました。
彼の生き方も全生そのものでした。
私たちの生き方は全て「体を整えること」から始まります。
私たちは一人一人の個性は70兆分の1という奇跡の存在です。
その生を全うするには体が土台になります。
整体ではそのために「4つの原則」を大切にしています。
1. 保温:腹巻きやレッグウォーマーで冷えを防ぐ。
2. 加温:足湯や蒸しタオルで血流の悪い部分を温める。
3. 排泄:大小便、汗、感情をしっかり発散する。
4. 睡眠:毎晩ぐっすり眠る。
これらは体に熱エネルギーを蓄える基本です。
生命力のあるものほど温かい。
赤ちゃんはぽかぽかしていますし、亡くなった体は冷たいですよね。
悩んでいる人は体が冷えていることが多いです。
足元を温めると気分が落ち着きますし、後頭部に蒸しタオルを当てると頭がゆるんで心が楽になります。
整体操法の現場でも、多くの方が体を整えることで不安や悩みから解放されるのを見てきました。
皆さんもこうした小さなお手当を知っていれば、「調子が変だな」と思った時にすぐに心身を整えることができます。
体と心はつながっています。
体を整え、知識や知恵を生かすことで、不安のない自由な人生を歩む力になります。









