火曜日。特別な予定もイベントもない、なんてことない一日。朝、いつも通りの時間に起きて、軽くトーストとコーヒーで朝食を済ませた後、会社に向かう準備。バッグに前日の夜に思い出した日光旅行のお土産、ラスクを詰め込んだ。日光の小さなカフェで買ったやつで、バターと砂糖が絶妙に香る、ちょっと高級感のあるパッケージのやつ。職場で配ったら喜ばれるかな、なんて淡い期待を抱きつつ、家を出た。

会社に着いて、朝のミーティングが終わったタイミングで「これ、日光のお土産!」とラスクをみんなに配った。パッケージを開けた瞬間、バターの甘い香りがふわっと広がって、思った以上に好評。デスクの向かいの女性スタッフが「え、めっちゃおしゃれ!センスいいね!」なんて言ってくれて、ちょっと照れくさかった。調子に乗って、「いやいや、これからネタ切れでダサい格好で会社に来る予定だから、こんなプレッシャーかけないでよ」と冗談を返したら、笑い声が響いて朝から和やかな雰囲気になった。こういうちょっとしたやりとりが、平凡な会社生活のスパイスだなと思う。

お昼休みは、ちょっとしたミッションを実行。前からネットでポチってたZARAの靴を、銀座の店舗で受け取るために歩いて出かけた。会社から銀座までは15分くらい。春の陽気が気持ちよくて、歩きながら街の喧騒をぼんやり眺めてた。銀座に着いたら、案の定、外国人観光客でごった返してた。ブランドショップの前にはデカいスーツケース持ったグループがいて、紙袋をいくつも抱えて爆買いしてる姿が目に入る。「日本の物価、こんなに安く感じるんだろうな」と、なんだかしみじみ。ZARAで靴を受け取った後、ついでに店内を軽くチェックしたけど、欲しいものは特に見つからず。そのまま会社に戻って、午後の仕事を淡々とこなした。

夜は家でまったり。晩御飯は、冷蔵庫にあったふるさと納税で届いた牛肉と玉ねぎを引っ張り出して、焼肉のタレで炒めることに。シンプル is ベスト。キッチンに牛肉の焼けるジュージューって音と、タレの甘辛い匂いが広がって、腹が鳴る。玉ねぎのシャキシャキ感と牛肉のジューシーさがタレに絡まって、ご飯が進む進む。ついおかわりして、ちょっと食べすぎたかも。食後はソファに寝っ転がって、録画してたドラマをダラダラ見ながら、ビールで締め。特別なことは何もないけど、こういう普通の一日が積み重なっていくんだよな、なんて思ったり。

平凡だけど、どこか心地いい。そんな火曜日だった。
日記を書き始めてから、2週間以上が経った。最初は「毎日書くなんて続くかな」と半信半疑だったけど、意外と習慣になってきた。平日は特に書くことがない気がして、ノートを開くまで少し億劫になることもある。でも、実際に書き始めると、頭の中に散らばっていたその日の出来事や感情が整理されて、どんどん筆が進む。書くことで自分と向き合える時間が持てるのが、なんだか心地いい。

新しい職場に着任して、今日でちょうど1ヶ月。まだ1ヶ月なのに、なんだか昔からここにいるような雰囲気を出しているつもりだ。職場の仲間とも少しずつ打ち解けてきて、休憩時間の雑談やちょっとした冗談も自然になってきた。それでも、仕事そのものは簡単にはいかない。一つ一つのタスクに手間がかかり、まるで新人に戻ったような気分になる。特に、ファイルや資料の管理が本当に厄介だ。必要なデータがどこにあるのか、どのフォルダやシステムに格納されているのか、さっぱりわからない。頭では「こんな内容のファイルが必要」とイメージできているのに、探し出すのが一苦労。今日も、ある書類を見つけるのに40分近くかかってしまった。探している間に他の仕事が滞るし、非効率極まりない。このファイル問題、そろそろ解決策を見つけたい。先輩にちゃんと聞いて、整理しておこう。

それから、仕事の目的を見失いがちな自分に、少し危機感を覚えている。なぜこのタスクをやっているのか、誰のために必要なのか、ちゃんと理解しないまま「とりあえず進めよう」と手を動かすと、後で必ずしっぺ返しを食らう。今日も、午後に提出した資料にミスが見つかり、先輩から「これ、やり直してね」と軽く指摘されてしまった。ミス自体は大したことなかったけど、ちゃんと確認していれば防げたものだっただけに、悔しい。適当に済ませず、もっと目的意識を持って取り組まないと。明日からは、作業を始める前に「これ、なんのためにやるんだっけ?」と一瞬立ち止まる癖をつけようと思う。

そして、最近やたらと頭を占めているのが、トランプの動向だ。別に彼の追っかけでもなんでもないのに、なぜか彼の一挙手一投足が私の仕事にまで影響してくる。最近の彼の発言や動きが、業界やプロジェクトにどんな波及効果をもたらすのか、チームで話題に上らない日はない。今日も、彼の最新の声明がきっかけで、急遽夕方にミーティングが追加された。直接関わるわけじゃないのに、遠くから波紋のように影響が及んでくる感じが、なんだか不思議で、でも正直少し疲れる。ニュースをチェックするたびに、「また何か新しい動きが…」と身構えてしまう。まるでトランプの動向を追うのが仕事の一部みたいだ。こんな日々がしばらく続きそうだけど、どこかで割り切って、必要最低限の情報だけ追うようにしないと。

日記を書き始めて2週間以上経って、こうやって自分の思いを吐き出すことで、頭が整理されるのを実感している。1ヶ月前の自分と比べると、職場にも少しずつ慣れてきたし、仕事の流れもなんとなく掴めてきた気がする。まだまだ慣れないことだらけだけど、こうやって日々の小さな気づきや反省を書き留めておくと、明日への気持ちが少し軽くなる。明日は、ファイルの場所をちゃんと先輩に確認して、効率よく動けるようにしよう。あと、トランプのニュースはほどほどに。さて、明日も頑張るぞ。
ホテルのふかふかのベッドで目を覚ました。カーテンの隙間から差し込む朝日が柔らかく、心地よい目覚めのはずだったけど、鼻がムズムズしてどうにも調子が悪い。やっぱり花粉症の影響だろうか。それとも、昨日ホテルのテラスで春の風に誘われて、ついビールを飲みすぎたせい? あのテラスは最高だった。冷えたグラスでシュワっと泡立つビール、遠くの街の喧騒、ほのかに漂う花の香り。あまりにも気持ちよくて、時間を忘れて飲み続けてしまった。鼻には堪えたかもしれないけど、あの開放感はまた味わいたい。


朝ごはんは、昨日コンビニで買ったおにぎりとサンドイッチの残り。ホテルのロビーで無料のコーヒーと味噌汁をもらって、簡単な朝食をササっと済ませた。味噌汁の温かさが朝の少し冷えた体に染みて、ほっと一息。コーヒーはちょっと薄めだったけど、無料なら文句はない。シャワーを浴びてサッパリしてから、ホテルの送迎バスで日光へ向かう予定だった。日光の駅から帰るつもりで、頭の中では自然豊かな景色や歴史ある寺社を巡るイメージが膨らんでいた。パートナーと静かな時間を楽しめるかな、なんて期待していた。

ところが、パートナーの突然の提案で予定が一変。「池袋で金原ひとみの新刊トークショーがあるから、絶対行きたい!」と目をキラキラさせて言うもんだから、日光のプランはあっさりキャンセル。彼は金原ひとみの大ファンで、こういうイベントは見逃せないらしい。自分は彼女の小説をまだ読んだことがないから、正直そこまでテンションが上がらない。でも、彼の楽しそうな顔を見ると断れなくて、「じゃあ、行こうか」と渋々了承。日光の駅から帰る予定だったのに、気がつけば池袋行きの電車に乗っていた。



池袋に着いてジュンク堂の会場に入ると、熱気と期待感に満ちた雰囲気に少し引き込まれた。トークショーは思った以上に面白かった。金原ひとみの話し方はユーモラスで、独特の視点で語るエピソードに引き込まれる瞬間もあった。ただ、小説を読んでいないから、作品への思い入れがなく、話の背景がピンとこない部分も。パートナーは目を輝かせて頷きながら聞いて、時折「わかる!」と小声で呟いていた。自分は「ふむふむ、なるほど」くらいの感じ。トークショーが終わると、彼は「絶対読んでみて! ハマるよ!」と熱弁。うん、まずは一冊読んでみるかな。どの作品から入ろうか、ちょっと気になってきた。

トークショーの後は、パートナーが買った本にサインをもらうために長蛇の列に並ぶというので、自分は隣のスターバックスで待つことに。カフェラテを飲みながら、窓際の席で池袋の街をぼんやり眺めた。週末の都会は人が多くて、通りを行き交う人々のエネルギーがガラス越しに伝わってくる。30分くらい経って、ようやくパートナーがサイン本を手に笑顔で戻ってきた。「これ、宝物にする!」と本を大事そうに持つ姿に、付き合ってよかったなと思う。

ところが、ここで次のリクエスト。「せっかく池袋に来たんだから、JRのコナンのスタンプラリーやろうよ!」とパートナー。彼はスタンプラリーが大好きで、こういうイベントがあると絶対参加したがる。自分はそこまで興味ないけど、楽しそうな顔を見ると断れない。それに、ちょうど新宿で買ったものの受け取りがあったから、スタンプラリーのついでに新宿にも寄れる。仕方なく「いいよ、付き合うよ」と参加。池袋の駅でスタンプを押すのも長蛇の列。コナンファンが子供から大人まで集まっていて、ちょっとしたお祭り騒ぎ。パートナーはスタンプを押すたびに「やった! 次はこれ!」と子供のようにはしゃいで、つい笑ってしまう。



新宿に移動してからも、人の多さに圧倒された。週末の大都会って、ほんとすごい。受け取りの店舗も混んでいて、予定より時間がかかった。スタンプラリーと受け取りでクタクタになりながら、ようやく帰路につく。本当なら日光の駅から帰るはずだったのに、なんだかんだで東京のど真ん中を駆けずり回った一日。パートナーに「駅で買い物するから、先に帰ってご飯炊いといて」と言われた瞬間、軽いデジャヴ。今週、似たような展開が二度目だ。まあ、こういう役割分担も悪くない。家に着いて米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れる。キッチンに立つと、あるもので適当に料理するのは嫌いじゃない。冷蔵庫の野菜と鶏肉で簡単な生姜醤油炒めを作った。ご飯が炊けるいい匂いが部屋に広がって、疲れが少し癒される。

夜はポッドキャストの収録。テーマは「ノルウェーから帰国して一年」。二人ともノルウェーでの生活が懐かしくて、話したいことが山ほどあったはずなのに、一日動き回って疲れていたせいか、最初は会話がトゲトゲしかった。ノルウェーのフィヨルドの美しさや、静かな暮らしを思い出す一方で、帰国後の慌ただしい生活とのギャップに愚痴っぽくなる瞬間も。ちょっとした言い合いで空気が重くなり、顔を見合わせて「…これ、ダメなパターンじゃん」と苦笑い。気を取り直してテイク2。残りの力を振り絞って、ノリノリで喋ってみた。ノルウェーで食べたサーモンの美味しさや、極夜の不思議な雰囲気、帰国後に日本のコンビニの便利さに感動した話で盛り上がった。疲れてたはずなのに、懐かしい思い出を語ると不思議とテンションが上がる。なんとか収録を終えて、ほっと一息。

ベッドに倒れ込むようにして、長い一日が終わった。日光の駅から帰る予定が、池袋と新宿を巡る都会の冒険に変わった。パートナーのキラキラした笑顔、スタンプラリーの列、ノルウェーの思い出を語り合ったポッドキャストのテイク2。いろんなことがあったけど、なんだかんだで充実した一日だった。鼻のムズムズはまだ治らないけど、明日も何か面白いことが待ってる気がする。さて、寝よう。