舞台写真その6~「ばばさま、ありがと」~ | 舞台裏

舞台写真その6~「ばばさま、ありがと」~

みなさま、おはようございますキツネ


雪が降り続いていますね。

雪かきをされているみなさま、お疲れ様です。

雨を吸った分重くなっているので大変ですよね雪かき


昨夜はハンドルが取られそうになったり、

怖い思いをしました。

車間距離を充分に取って、ゆっくり安全運転で行きましょう!



* * * * * * *




さてさて、舞台写真の続きをご紹介して行きますね。

(ネタバレ注意!)



舞台写真その1 ~へまばかりのイタコのばばさま~

舞台写真その2~迷コンビ誕生!~

舞台写真その3~おこん先生のじょうるり教室~

舞台写真その4~毎日繁盛、毎日満腹~

舞台写真その5~お城で危機一髪~



の続きです。


いよいよ今回が最終回です。




舞台写真その6




「馬方」登場。



村へ帰るという「イタコばばさま」の荷物を

馬で運んでやります。



「ばばさま、えれえまた沢山のお宝じゃねえか」

「あれ、そんなにあるだかい。ありがてえこった」




「ばばさま」の目が見えないことに気が付く「馬方」。





「ようし、この宝みんなおらのもんにしてしまえ」



こん棒を持って様子をうかがう「馬方」。





「ばばさま」を襲おうとしますが、




失敗。



気配にふりむいた「ばばさま」の見えない目に見られて、

なかなか襲えません。





しかし、ついに――


「今だ!」




「馬方」はこん棒を「ばばさま」の背中にうちおろします。




「わ、何するだ!」

「ギャオ!」



「ばばさま」の背中のチャンチャンコから、

「おこん」が空中高く飛び出しました。




「わ、出たァ!」


驚いた「馬方」は走り去ります。




「おこん…どうしただ。どこにいるだ…おこん」



「コーン!」




かすかに鳴いているおこんの声が聞こえました。



「おこん…どこじゃ。おこん」




「おこん」は道ばたの草むらの中に倒れていました。




さわってみると今にも死にそうに、身体をふるわしていました。


  

「おこん」は「ばばさま」の身代わりに、

「馬方」のこん棒で打たれてしまったのです。



「さすがにばばさまの占いはよく当たるわ。

だども、おらでよかった」




「ばばさま」は見えない目からポタポタ涙を流しながら

「おこん」の体をゆすります。


腕の中でどんどん冷たくなってゆく「おこん」・・・・。




「助けるだ。ええと…」


「デデンデン、デン…ええと…にゃむにゃむ、

そんわか…ふんわか…」

なんとか「おこん」を助けようと、

一所懸命じょうるりを唱える「ばばさま」。



最初は笑っていた「おこん」。

その声は次第に泣き声へと変わります。




「おい、おこん、なんで泣くんじゃ。」 




「何が悲しいんじゃ?」



「悲しくて泣くでねえ。おら、うれしくて泣いとるんじゃ」



人のためにたくさんじょうるりを唱えてきた「おこん」。

自分のためにじょうるりを聞かせてくれたのは、

「ばばさま」だけだったのです。




「ばばさま、ありがと…!」



「おい、おこん、死んじゃいけねえ。おこん!」

「コーン!」


「おこん!」

「コーン…」


「おこん!」




しかし、もう「おこん」は答えませんでした。




「おこんよう!」



「ばばさま」は何度も「おこん」の体をゆすりました。


だけど「おこん」は、涙をためたまま死んでいました。




「おこん」のおかげでたくさんの宝物をもらった「ばばさま」。

「じょうるり長者」「きつね長者」と呼ばれたそうです。




耳をすませば、「ばばさま」が子ギツネ達に

じょうるりを教えている声が聞こえます。





「にゃむにゃむ、すんわかふんわか」



「相変わらず下手なんだよッ!」



「ガクッ」




「ばばさま」、去っていきます。

その隣に「おこん」の笑顔も見えるようです。




…幕…





終演後のご挨拶です。

(「ばばさま」の声ではないK子さんの声にどよめく子ども達)



「地べたっこさまやぁ~い」の歌をみんなで歌います。




後日、加賀野小学校のみなさんから

分厚い感想文集をいただきました音譜


原稿用紙に書いてくれた人、

イラストつきの用紙に書いてステキにぬってくれた人…

キラキラした子ども達の表情が見えるようで感激しました!



その中の一部をご紹介させていただきますね。



「おばあさんが歌ったじょうるりは、とってもヘタだったところが

おもしろかったです」


「ばばさまがおこんのためにいっしょうけんめいじょうるりを言っているところが

一番心にのこりました」

「おこんはすごくやさしいキツネでした」


「おこんがさいごに、コーンコーンとないたとき、かわいそうでした」


「しょうらいのゆめはアイドルだったけど、げきをやるひとになりたい」

などなど…。




お芝居冒頭の『鼓の音』だけでたくさん笑ってくれた

加賀野小学校のみなさん。


客席からものすごいパワーをいただきました。

劇団どんちょうの会の原点である「親子劇」。

こんなにたくさんの方々にお目見えできたことを

幸いに思います。





本当にありがとうございましたビックリマーク



* * * * * * *



「おこんじょうるり」の記事は今回で〆とさせていただきます。


第55回公演「ドリームエクスプレスAT」と

第56特別公演「おこんじょうるり」のW公演の記事、

ご紹介が長期に渡り、なんと年を越してしまいましたあせる


お付き合い下さったみなさま、ありがとうございました。


次回は先週1月15日(金)に開催された新年会の様子を

ご紹介したいと思います。




(くまはち)