自己増幅型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)

新型コロナのパンデミックを機に感染症やがんで開発が活発化

4分

2024.10.02

 

mRNAワクチンの1種。抗原蛋白質の遺伝子に加えて、RNAを複製するためのRNAレプリカーゼの遺伝子をコードしたmRNAワクチンのこと。自己増殖型mRNAワクチンとも呼ばれる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、mRNAワクチンとともに自己増幅型mRNAワクチンの開発が世界的に活発化した。 

 

通常のmRNAワクチンは、接種後に細胞内で抗原蛋白質の遺伝子をコードしたmRNAから抗原蛋白質が一過性に発現し、抗原蛋白質に対する免疫が誘導される。一方、自己増幅型mRNAワクチンは、接種後に細胞内でレプリカーゼの遺伝子をコードしたmRNAからレプリカーゼが一過性に発現する。そして、そのレプリカーゼが抗原蛋白質の遺伝子をコードしたmRNAを増幅し、そこから抗原蛋白質が一過性に発現することで、抗原蛋白質に対する免疫が誘導される。

 細胞内でレプリカーゼが抗原蛋白質のmRNAを増幅するため、従来よりも少ない量のmRNAで免疫を誘導できることが利点だ。また、通常のmRNAワクチンよりも長期の免疫を誘導できる可能性が期待されている。

 

 自己増幅型mRNAワクチンに用いられるレプリカーゼには、ベネズエラ馬脳炎ウイルス(VEEV)由来やシンドビスウイルス由来(SINV)、セムリキ森林ウイルス(SFV)などから単離されたレプリカーゼの遺伝子が使われることが多い。最も広く使われているのはVEEV由来のレプリカーゼで、遺伝子のサイズがコンパクト、発現効率が高いといった特徴がある。

 日本では、Meiji Seikaファルマが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する「コスタイベ」(一般名:コロナウイルスRNAワクチン)について、世界で初めて日本で承認を取得し(2023年11月の起源株の承認時の審議結果報告書、2024年9月のJN.1系統株の承認時の審査報告書)、2024年9月30日に発売した。

 コスタイベは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白質と、VEEV由来のレプリカーゼをコードしたmRNAを、脂質ナノ粒子(LNP)に封入した自己増幅型のmRNAワクチン。接種後、細胞内で発現したレプリカーゼがスパイク蛋白質の遺伝子をコードしたmRNAを増幅し、投与後1週間程度mRNAが維持されるため、投与後8日程度までスパイク蛋白質が発現するのが特徴(mRNAはその後低下する)。

 

同ワクチンは、米Arcturus Therapeutics(アークトゥルス・セラピューティクス)社の基盤技術をベースに創製され、グローバルではオーストラリアCSL社の子会社であるCSL Seqirus(CSLセキュラス)社が権利を保有。日本ではCSL Seqirus社と契約したMeiji Seikaファルマが権利を持っている。国内外で複数の臨床試験が実施されて、初回免疫や追加免疫の有効性や安全性が確認された。

 現在、ベトナムでは追加免疫について承認申請されている他、欧州でも承認申請の段階にある。米国では、CSL Seqirus社が米食品医薬品局(FDA)と交渉しており、承認申請に向けて準備中だという。

 世界では現在、米Alpha Vax(アルファ・バックス)社、米Gritstone bio(グリットストーン・バイオ)社などが、感染症やがんを対象に自己増幅型mRNAワクチンの開発を進めている。Gritstone bio社は、2022年2月から、転移性の大腸がん患者を対象に、患者固有のネオ抗原の遺伝子をコードした自己増幅型mRNAワクチン(開発番号:GRT-C901/GRT-R902)とチェックポイント阻害薬などを併用する第2/3相臨床試験(NCT05141721)を実施している。

 

 

 

 

そこに鹿先生は言及してないけれど、レプリコンの場合、遅発性脳炎が、打ってない人にも伝播して起きる可能性が十分にあるからね。理論的には未接種なら細胞性免疫で倒せるとは思うけれども、それはあくまで推論だし、既に頻回接種者だったら無理だろう。日本は10月11月でも蚊がいる。終わってるんだよ
 

 

 

 

 

これ、厚生労働省の研究班の

ホームページだからね↓

ベネズエラウマ脳炎

病原体の特徴

ベネズエラウマ脳炎は、トガウイルス科アルファウイルス属に属するベネズエラウマ脳炎ウイルスにより引き起こされる疾患である。ベネズエラやコロンビアなどの中南米で流行がみられる。北米でもフロリダやテキサスで分布している。自然界では、イエカとげっ歯類の間で感染環が維持されており、ウイルスを保有している蚊にヒトが刺咬されることでヒトに感染する。実験室レベルではあるが、エアロゾル噴霧による感染も報告されており、生物兵器としての可能性も示唆されている。

▲TOP

主な臨床像

ヒトが感染した場合、2~5日間の潜伏期間を経て発症する。ほとんどは発熱・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザ様症状で治まるが、この中で約1~3%に脳炎を発症する。脳炎を発症した場合には、痙攣や昏睡などの症状を来たし、10~20%が死亡する。脳炎の発症率や死亡率は、いずれも小児の方が成人と比較して高い。

 

って書いてあるんだよ。