昔の舞台写真出てきた。
中学の頃の懐かしい写真が出てきたので、せっかくだから思い出話を。
ちょっと長いですが、お気が向けば。
中学の頃、関西に住んでいて、地元で一般公募の市民ミュージカルがあり、演劇一筋だった私は、大きな舞台に立てる貴重な機会だからと一も二もなく参加。
その年の演目は「青い鳥」
チルチルとミチルの。

私の役はお砂糖の精。
家の中のものが擬人化して二人の旅のお供をするうちの一人。
この役回りの面々は特殊メイクが多くて、他の(通常の舞台メイクの)役柄の皆さんから大人気。
記念撮影大会が繰り広げられ、得意気に写ってるのが上の写真。

他に光の精を始め、火、水、パンにミルク、そして犬のチローと猫のチレット。
大体舞台やると、お互い役名で呼びあったりするんだけど、「火~!」「パン~!」とか呼びにくいし私に至っちゃ「砂糖(佐藤)」とまるで普通の苗字みたいじゃないか(^^;
てことでみんな「シュガー」とか「シュガちゃん」とか呼んでくれて(*^^*)
ほとんど年上の人ばかりだったので、甘ったるい感じに甘やかしてもらいました(ノ´∀`*)
そんでそんな砂糖の精の役回りとしては、道中疲れたチルチルミチルに飴ん棒を指折り与える見せ場が。

何しろ身体が砂糖で出来てるていですから、両手の指は飴ん棒になってるんですね。
ボール紙を指に合わせて筒にして布とリボン巻き付けて作った指を全部の指に着けてるので、見た目派手だけど動きづらくて(^^;

上の写真は前日の仕込みのとき。
なのでメイクはしてないのでタコで隠しときました(笑)
それぞれに家の中のあちこちの仕掛けから曲中のめいめい決まったタイミングで飛び出してくるようになってるんですが、私のは壁板に見せかけた強力ゴムを分け入って。
しかも中途半端な高さから出なきゃなんだけど、指が壊れたり取れたり汚れたりしたら困るから下手に使えなくて、しかもスモークの噴出と一緒に飛び出さないとならなくて、もたつくわけにいかないしと焦っていたら裏方さんも気付いたらしく、本番でさりげなく尻を押し出されました(^^;
おっちゃん、中学生やで(^^;
まぁ、向こうはプロだから仕方ない(^^;
まあそんなこんなで飛び出して一踊りするわけですが、振り付けの先生が踊りメインの役者は選んできてるので、私なんかは期待されてなくて、なかなか振り付けてもらえず(^^;
「先生ここ16小節あるんですけど、振り付け足りません(^^;」
「えっ、………じゃあ、これをこうして……(他の出演者の振り付けに移る)」
「………せ、先生、まだ4小節あるんです(^^;」
「えぇ~?」
そんなやり取りが繰り返され(^^;
しまいには
「そっから先適当に踊っといて」
「( ; ゜Д゜)?!」
と、素人にあり得ない指示(笑)
最後には付けてもらえたけど(^^;

そしてそのあとの、指の飴ん棒を折り与えるシーン。

私がセンターで囲まれる数少ない見せ場ですから張り切ります。
指を折るのに台本にない「変な掛け声を出す」っていうデフォルトをこっそり作り、その後の「夜の女王」のシーンでさんざんビビらされて怖がるミチルをなだめようと指を折る時に、自分もガッタガタに震えながらすっとんきょうなデフォルトの掛け声を出して密かに笑いを取るという、腹黒さを(^^;
怒られたらどうしようとかどぎまぎしてたので若干小声ではあったけど、ちょっと笑い声が帰ってきたのは嬉しかったなぁ(ノ´∀`*)
でも一つやらかしちゃったのが最後の写真。

白手袋の上にしましまの指を着けているから、折るときは指を抜き取るだけなんだけど、そしたら真っ白な指が出てしまう。
台詞で
「折ってもまたすぐ生えてきますから大丈夫、むしろ折った方がいつでも新しいキレイな指でいられるんですから」
ってあったので、演出家の先生と
「手袋の指のとこ、青ライン入れて、ちょっと生えかけてる風にしよう」
ということになり、
「そこマーカーで塗っとけ」
と言われて塗っているところ。
この得意気な表情。
そして塗り終わって、楽屋の前を通りかかった演出家の先生に
「塗りました~(ノ´∀`*)♪」
と声をかけ、私の手元に目をやった先生が一言。
「…巻きが逆だバカ。」
…………( ; ゜Д゜)!!
手袋一組しかなかったのに(^^;
やってもた(^^;
そんな中学生の思い出。
何か必ず抜けてんのな(^^;
ちょっと長いですが、お気が向けば。
中学の頃、関西に住んでいて、地元で一般公募の市民ミュージカルがあり、演劇一筋だった私は、大きな舞台に立てる貴重な機会だからと一も二もなく参加。
その年の演目は「青い鳥」
チルチルとミチルの。

私の役はお砂糖の精。
家の中のものが擬人化して二人の旅のお供をするうちの一人。
この役回りの面々は特殊メイクが多くて、他の(通常の舞台メイクの)役柄の皆さんから大人気。
記念撮影大会が繰り広げられ、得意気に写ってるのが上の写真。

他に光の精を始め、火、水、パンにミルク、そして犬のチローと猫のチレット。
大体舞台やると、お互い役名で呼びあったりするんだけど、「火~!」「パン~!」とか呼びにくいし私に至っちゃ「砂糖(佐藤)」とまるで普通の苗字みたいじゃないか(^^;
てことでみんな「シュガー」とか「シュガちゃん」とか呼んでくれて(*^^*)
ほとんど年上の人ばかりだったので、甘ったるい感じに甘やかしてもらいました(ノ´∀`*)
そんでそんな砂糖の精の役回りとしては、道中疲れたチルチルミチルに飴ん棒を指折り与える見せ場が。

何しろ身体が砂糖で出来てるていですから、両手の指は飴ん棒になってるんですね。
ボール紙を指に合わせて筒にして布とリボン巻き付けて作った指を全部の指に着けてるので、見た目派手だけど動きづらくて(^^;

上の写真は前日の仕込みのとき。
なのでメイクはしてないのでタコで隠しときました(笑)
それぞれに家の中のあちこちの仕掛けから曲中のめいめい決まったタイミングで飛び出してくるようになってるんですが、私のは壁板に見せかけた強力ゴムを分け入って。
しかも中途半端な高さから出なきゃなんだけど、指が壊れたり取れたり汚れたりしたら困るから下手に使えなくて、しかもスモークの噴出と一緒に飛び出さないとならなくて、もたつくわけにいかないしと焦っていたら裏方さんも気付いたらしく、本番でさりげなく尻を押し出されました(^^;
おっちゃん、中学生やで(^^;
まぁ、向こうはプロだから仕方ない(^^;
まあそんなこんなで飛び出して一踊りするわけですが、振り付けの先生が踊りメインの役者は選んできてるので、私なんかは期待されてなくて、なかなか振り付けてもらえず(^^;
「先生ここ16小節あるんですけど、振り付け足りません(^^;」
「えっ、………じゃあ、これをこうして……(他の出演者の振り付けに移る)」
「………せ、先生、まだ4小節あるんです(^^;」
「えぇ~?」
そんなやり取りが繰り返され(^^;
しまいには
「そっから先適当に踊っといて」
「( ; ゜Д゜)?!」
と、素人にあり得ない指示(笑)
最後には付けてもらえたけど(^^;

そしてそのあとの、指の飴ん棒を折り与えるシーン。

私がセンターで囲まれる数少ない見せ場ですから張り切ります。
指を折るのに台本にない「変な掛け声を出す」っていうデフォルトをこっそり作り、その後の「夜の女王」のシーンでさんざんビビらされて怖がるミチルをなだめようと指を折る時に、自分もガッタガタに震えながらすっとんきょうなデフォルトの掛け声を出して密かに笑いを取るという、腹黒さを(^^;
怒られたらどうしようとかどぎまぎしてたので若干小声ではあったけど、ちょっと笑い声が帰ってきたのは嬉しかったなぁ(ノ´∀`*)
でも一つやらかしちゃったのが最後の写真。

白手袋の上にしましまの指を着けているから、折るときは指を抜き取るだけなんだけど、そしたら真っ白な指が出てしまう。
台詞で
「折ってもまたすぐ生えてきますから大丈夫、むしろ折った方がいつでも新しいキレイな指でいられるんですから」
ってあったので、演出家の先生と
「手袋の指のとこ、青ライン入れて、ちょっと生えかけてる風にしよう」
ということになり、
「そこマーカーで塗っとけ」
と言われて塗っているところ。
この得意気な表情。
そして塗り終わって、楽屋の前を通りかかった演出家の先生に
「塗りました~(ノ´∀`*)♪」
と声をかけ、私の手元に目をやった先生が一言。
「…巻きが逆だバカ。」
…………( ; ゜Д゜)!!
手袋一組しかなかったのに(^^;
やってもた(^^;
そんな中学生の思い出。
何か必ず抜けてんのな(^^;
コント「自動車教習所」
始業のチャイムとともに明転。
場所は自動車教習所内の教室。
教壇に教員が立ち、授業を始め、席は無人の中(出演者二人だし)、粛々と授業が進む。
教員は黒板の方を向いたり、生徒に質問を投げ掛けるなど、授業らしい様子。
やがて、教室後方から生徒が一人、人目を忍び、匍匐前進でゆっくりと入室してくる。気づかない様子で授業を続けている教員。
うまく入室できた、もう一息、と生徒がゆっくり椅子によじ登り、ようやく腰を下ろす、というところで教員と目が合う。(教員の方が先に生徒を見ている。生徒は椅子に座ろうかと言う時点で教員の視線に気づく。若干二度見。)
固まる生徒。
腰を下ろす手前だったので非常に不自然な体勢で、苦しそうに見える。
教員「……おい。」
生徒「は、…はい?」
教員「遅刻だろ」
生徒「い、いえ、最初からいました。今、ちょっと座り直そうと」
腰を下ろそうとする。
教員「座ってんじゃねえよ」
生徒「は、はい」
立ち上がる生徒。詰め寄る教員。
教員「お前な、遅刻してきたのごまかそうとすんじゃねえよ」
生徒「いえ、ごまかそうとなんて」
教員「授業始まったとき居なかっただろ」
生徒「いましたよ?」
教員「嘘つくんじゃねえ、見てみろ、この教室お前以外に誰もいないだろ」
生徒「えっ?!え?え?あれ?」
辺りを見渡し仰天する生徒。言われて見てみると、二人以外には誰もいない。
教員「入ってくる前に気づくだろ普通!………今日お前以外に予約入ってねえんだよ」
生徒「え?でも、それじゃ誰もいないのに何で授業やってたんですか?」
教員「そらぁ、一人でボケッと待ってるよりもやってた方が……授業時間は限られてるし……」
生徒「しかも質問投げ掛けたりとかして」
教員「うるせぇ、お前が早く来ねえからだろ」
生徒「誰もいないんだったら職員室に戻っててもよかったんじゃ………」
教員「あんなとこいるくらいなら無人の教室でエア授業やるわ!」
生徒「…………居場所ないんすね……」
教員「うるせぇ、気の毒そうな顔で見るんじゃねえ!お前が遅れて来たせいじゃねえか………お前遅刻の理由を言ってみろよ!」
生徒「遅刻してません」
教員「まだ言うか」
生徒「そいじゃえーと、あっ、アレです!」
教員「アレってドレだよ!考えてる時点で嘘じゃねえか!」
生徒「…いや~急いで向かってたんですけど、その先の大通りで、ちょっと事故っちゃってて」
教員「事故?」
生徒「教習車が」
教員「はぁ?お前学科も終わってねえのに路上出てんじゃねえよ」
生徒「いや、轢かれた方」
教員「轢かれた方?」
生徒「面白いほど吹っ飛ばされたあげくに思いっきりボンネットに叩きつけられちゃって、フロント大破的な……( ̄∇ ̄*)ゞ」
教員「照れてんじゃねえよ!結構な事故じゃねえか!何キロ出てたんだその教習車!」
生徒「ああいう人でも免許取っちゃうんですかねぇ…」
教員「教習中に人跳ねてたら免許どころじゃねえだろ。つうか、お前まともな言い訳しろよな、めんどくせえ。」
生徒「いやほんとなんですって」
教員「あーもう、授業続きやるぞ、授業!席につけ」
生徒「あはいはい」
それぞれ教壇と席につく。
教員「じゃさっきの続きな、続きっつってもさっき聞いてたヤツ居なかったけど。じゃこの標識を見て、何の標識か答えなさい。……はいこれ」
手元の標識のイラストのフリップを見せる。
生徒「……完全マンツーですねこれ」
教員「お前しかいないんだから答えろ」
生徒「徐行」
教員「はい正解。………じゃこれは」
次のフリップを見せる。
生徒「一旦停止」
教員「はい正解。…じゃこれは」
次のフリップを見せる。
生徒「左右確認」
教員「はい正解。…じゃこれ」
次のフリップを見せる。
生徒「歩行者注意」
教員「お前やるな、簡単すぎたか?」
生徒「この一連の流れをね、やってさえいてくれれば、私も跳ねられずにすんだんですよぉぉぉ〰o(T□T)o!」
思いだし怒りに打ち震える生徒。
教員「お前ちょいちょいおかしなこというけどピンピンしてんじゃねえか」
生徒「これがねぇ、意外と何ともないんですよぉ~、不思議なことってあるもんですねぇ~」
教員「じゃあもう次いこう、次。次は、応急処置についてです」
生徒「応急処置。」
教員「道に人が倒れてました。事故に遭ったのかも知れません、はいどうしますか」
生徒「あぁ…………ついさっきそんなことが………」
教員「それはもう分かったから。お前が跳ねられたんだろ?じゃあ今度は助ける番だ。ほら、やってみろ。」
イスをよけさせ、教室の床にスペースを作ると、生徒にシミュレーションを促す。
何故か床に横になる生徒。
生徒「さっきはボンネットから落ちたときにちょうどこんな感じで……」
うつ伏せに倒れて見せる。
教員「お前、やれって言ってんだから見つけて処置する方だろうよ!やられる方って誰が処置するんだよ」
生徒「(教員の顔を見ながら)あの、見本見本。」
教員「いきなり答え教えるようなもんだろうが!やれよ!」
生徒「あ、そうすか。(立ち上がり、シミュレーションを始めようとするが手を止めて教員の顔を見る)………これ対象物がないとやりにくいですねぇ」
教員「まあ今日他に受講者がいないからな」
生徒「ちょっと、対象物ある体で」
教員「ん?」
生徒「ちょっと、待っててください」
教員「何だ?」
生徒「ちょっと、ちょっとね…」
生徒、手近なところから5m程度の白いロープ、または白い延長コードをいかにもその辺にあったように持ち出すと、床に人型に設置する。
人型を確認すると満足げに舞台奥に下がり、キャップを被るような仕草をした後、勢い込んで人型のそばに駆け寄ってくる。
生徒「現場はこちらですね?!ガイシャの身元は?」
スマホのカメラを構え、白い人型を姿勢を変え膝まづいたりしながらフラッシュを焚きつつ連写する。
さながら現場検証の様子。
教員「バカヤロウ、何やってんだよ!応急処置も何も、殺人現場になってんじゃねえか!」
生徒「いやさっきこんな感じだったんで……」
教員「お前刑事じゃねえだろ!」
急に教員に向けてビシッと敬礼をする生徒。
生徒「デカ長!!お疲れさまです!!こちらがガイシャが発見された現場です!!お足元悪いのでお気をつけください!」
教員を人型の方へ誘う生徒。
教員、急に風格のある警部のたたずまいでゆっくりとした動作になる。
教員「………ご苦労。("KEEP OUT"のテープをくぐる素振りでセンターに進み、人型のすぐ脇にゆっくりしゃがみこむと、人型に向け軽く合掌、一瞬おいて顔を上げる)……それで、ガイシャは?」
この辺りから、"太陽に吠えろ"の追想シーンなどに流れるテーマ曲のスローバージョン(曲名不詳)がBGに流れる。
照明はオレンジ強めに。
教員、襟を立てる感じで、客席に背中を向けぎみにして哀愁を漂わせる。
生徒「………はい!ガイシャは30代女性…(若干の個人情報を盛り込む)……」
教員「お前じゃねえか!!」
生徒「デカ長!!」
教員「デカ長じゃねえよ!いい加減にしろ、人命救助の授業でいきなり殺しやがって………真面目にやれ!」
生徒「………え?ホントに?」
教員「ホントに?ってなんだよ!ずっとやれっつってたろ!お前ハンコやらねえぞ」
生徒「あーすいませんすいません、出来ればハンコはもらいたいです。」
教員「はいじゃあやれ。」
二人、センターから少し離れ、生徒が人型に向かって発見からの流れを説明を加えつつシミュレーション行う。
生徒「あっ、こんなところに人が倒れてる!」
そばに駆け寄り膝まづく。
生徒「(倒れている人の肩を叩く素振りで)どうしましたー!大丈夫ですかー!」
立ったまま見守り、頷く教員。
教員「やりゃできんじゃねえか」
続ける生徒。
生徒「肩を叩いても反応がない場合、まず気道を確保して呼吸の確認をします」
教員「そうだな。」
生徒「通常、頸部を後屈させて(自分の首の後ろに手を当てながら大きくそらせて見せる)気道を開きますが、路上等で倒れていて、事故など頭部を強打した可能性がある場合などは、大きく頸部を後屈させることで頸椎に損傷をきたすことも考えられます。」
教員「まあ、可能性としてはな…?」
生徒「その場合、張り切って後屈させてしまうと、最悪"トドメを刺す"、ことにもなりかねません。………ので、下顎骨の、丁度エラのところの出っ張りから持ち上げる"下顎挙上"という方法で気道を開きます!」
教員「何かお前専門的なこと知ってんな…?」
生徒「これをもっと広く知っておいてくれたなら………私もトドメを刺されずに済んだものを………」
急にうつむき加減になり陰にこもる生徒。
舞台照明トーン落とし青くなる。
ものものしさにぎょっとする教員。
教員「えっ何?!(# ゜Д゜)」
軽く動揺するが終業のチャイムが鳴り、途端に照明元に戻る。
生徒「……どうかしましたか?」
教員「(動揺を悟られまいと声を張る)なんだお前は訳のわからないことばっかり言いやがって、今日の授業は終わりだ、こんなもん片付けてこい!」
人型にしていた足元のロープ(又は延長コード)を丸めると、生徒の手元に投げ渡す。
生徒「はーい。お疲れ様でしたー。」
生徒下手にはける。
センターに残った、何やら疲れた様子の教員、上手の方が何やら騒がしい様子で顔を向ける。
教員「あ、お疲れ様です。えぇ、うちのクラス今授業終わりましたけど………何かあったんですか?」
しばし耳を傾けつつ徐々に顔色が変わっていく。
教員「………え?……その先の大通りで、事故………うちの教習車が……?徐行標識見落として、一旦停止もせず、急いでわきから飛び出してきた女性を跳ね上げて、ボンネットが大破………さっきそんなホットな話題を耳にしたような………?で、相手の30代女性は?!」
詰め寄るように問いただすが、やがて自身の知る情報が裏打ちされていくにつれ、うちひしがれるように後ずさる。
教員「うちの………生徒………俺の………クラスの………」
更に耳を疑い声が高くなる教員。
教員「救助に入った人が、慌てて気道確保したのが致命傷に………はぁ………トドメを………」
よろめく教員。まだ俄には信じられない様子で、ロープを片付けに行ったまま生徒が戻ってきていないのに気付く。
教員「いや!…いや、違うんですよ、今さっきうちの生徒がそんなことを話してたんで………おい!………どこいった!!………お前!……!」
舞台上をうろつき回り、生徒の姿を探す教員。
やがてその足元を、登場と同じように匍匐前進でゆっくりと入ってくる生徒。
しかし教員はそれに気づく気配はなく、舞台上を行ったり来たりオロオロと生徒の姿を探し続ける。
舞台上で二人の動線が交錯する中、いつのまにかフェードインで流れていた"世にも奇妙な物語"のテーマ曲が最大音量になり、うるさいほどのBGの中、二人の見開くような視線が最後方にまっすぐ向けられストップモーションとなり、音明かりともにフェードアウト。
―暗転―
場所は自動車教習所内の教室。
教壇に教員が立ち、授業を始め、席は無人の中(出演者二人だし)、粛々と授業が進む。
教員は黒板の方を向いたり、生徒に質問を投げ掛けるなど、授業らしい様子。
やがて、教室後方から生徒が一人、人目を忍び、匍匐前進でゆっくりと入室してくる。気づかない様子で授業を続けている教員。
うまく入室できた、もう一息、と生徒がゆっくり椅子によじ登り、ようやく腰を下ろす、というところで教員と目が合う。(教員の方が先に生徒を見ている。生徒は椅子に座ろうかと言う時点で教員の視線に気づく。若干二度見。)
固まる生徒。
腰を下ろす手前だったので非常に不自然な体勢で、苦しそうに見える。
教員「……おい。」
生徒「は、…はい?」
教員「遅刻だろ」
生徒「い、いえ、最初からいました。今、ちょっと座り直そうと」
腰を下ろそうとする。
教員「座ってんじゃねえよ」
生徒「は、はい」
立ち上がる生徒。詰め寄る教員。
教員「お前な、遅刻してきたのごまかそうとすんじゃねえよ」
生徒「いえ、ごまかそうとなんて」
教員「授業始まったとき居なかっただろ」
生徒「いましたよ?」
教員「嘘つくんじゃねえ、見てみろ、この教室お前以外に誰もいないだろ」
生徒「えっ?!え?え?あれ?」
辺りを見渡し仰天する生徒。言われて見てみると、二人以外には誰もいない。
教員「入ってくる前に気づくだろ普通!………今日お前以外に予約入ってねえんだよ」
生徒「え?でも、それじゃ誰もいないのに何で授業やってたんですか?」
教員「そらぁ、一人でボケッと待ってるよりもやってた方が……授業時間は限られてるし……」
生徒「しかも質問投げ掛けたりとかして」
教員「うるせぇ、お前が早く来ねえからだろ」
生徒「誰もいないんだったら職員室に戻っててもよかったんじゃ………」
教員「あんなとこいるくらいなら無人の教室でエア授業やるわ!」
生徒「…………居場所ないんすね……」
教員「うるせぇ、気の毒そうな顔で見るんじゃねえ!お前が遅れて来たせいじゃねえか………お前遅刻の理由を言ってみろよ!」
生徒「遅刻してません」
教員「まだ言うか」
生徒「そいじゃえーと、あっ、アレです!」
教員「アレってドレだよ!考えてる時点で嘘じゃねえか!」
生徒「…いや~急いで向かってたんですけど、その先の大通りで、ちょっと事故っちゃってて」
教員「事故?」
生徒「教習車が」
教員「はぁ?お前学科も終わってねえのに路上出てんじゃねえよ」
生徒「いや、轢かれた方」
教員「轢かれた方?」
生徒「面白いほど吹っ飛ばされたあげくに思いっきりボンネットに叩きつけられちゃって、フロント大破的な……( ̄∇ ̄*)ゞ」
教員「照れてんじゃねえよ!結構な事故じゃねえか!何キロ出てたんだその教習車!」
生徒「ああいう人でも免許取っちゃうんですかねぇ…」
教員「教習中に人跳ねてたら免許どころじゃねえだろ。つうか、お前まともな言い訳しろよな、めんどくせえ。」
生徒「いやほんとなんですって」
教員「あーもう、授業続きやるぞ、授業!席につけ」
生徒「あはいはい」
それぞれ教壇と席につく。
教員「じゃさっきの続きな、続きっつってもさっき聞いてたヤツ居なかったけど。じゃこの標識を見て、何の標識か答えなさい。……はいこれ」
手元の標識のイラストのフリップを見せる。
生徒「……完全マンツーですねこれ」
教員「お前しかいないんだから答えろ」
生徒「徐行」
教員「はい正解。………じゃこれは」
次のフリップを見せる。
生徒「一旦停止」
教員「はい正解。…じゃこれは」
次のフリップを見せる。
生徒「左右確認」
教員「はい正解。…じゃこれ」
次のフリップを見せる。
生徒「歩行者注意」
教員「お前やるな、簡単すぎたか?」
生徒「この一連の流れをね、やってさえいてくれれば、私も跳ねられずにすんだんですよぉぉぉ〰o(T□T)o!」
思いだし怒りに打ち震える生徒。
教員「お前ちょいちょいおかしなこというけどピンピンしてんじゃねえか」
生徒「これがねぇ、意外と何ともないんですよぉ~、不思議なことってあるもんですねぇ~」
教員「じゃあもう次いこう、次。次は、応急処置についてです」
生徒「応急処置。」
教員「道に人が倒れてました。事故に遭ったのかも知れません、はいどうしますか」
生徒「あぁ…………ついさっきそんなことが………」
教員「それはもう分かったから。お前が跳ねられたんだろ?じゃあ今度は助ける番だ。ほら、やってみろ。」
イスをよけさせ、教室の床にスペースを作ると、生徒にシミュレーションを促す。
何故か床に横になる生徒。
生徒「さっきはボンネットから落ちたときにちょうどこんな感じで……」
うつ伏せに倒れて見せる。
教員「お前、やれって言ってんだから見つけて処置する方だろうよ!やられる方って誰が処置するんだよ」
生徒「(教員の顔を見ながら)あの、見本見本。」
教員「いきなり答え教えるようなもんだろうが!やれよ!」
生徒「あ、そうすか。(立ち上がり、シミュレーションを始めようとするが手を止めて教員の顔を見る)………これ対象物がないとやりにくいですねぇ」
教員「まあ今日他に受講者がいないからな」
生徒「ちょっと、対象物ある体で」
教員「ん?」
生徒「ちょっと、待っててください」
教員「何だ?」
生徒「ちょっと、ちょっとね…」
生徒、手近なところから5m程度の白いロープ、または白い延長コードをいかにもその辺にあったように持ち出すと、床に人型に設置する。
人型を確認すると満足げに舞台奥に下がり、キャップを被るような仕草をした後、勢い込んで人型のそばに駆け寄ってくる。
生徒「現場はこちらですね?!ガイシャの身元は?」
スマホのカメラを構え、白い人型を姿勢を変え膝まづいたりしながらフラッシュを焚きつつ連写する。
さながら現場検証の様子。
教員「バカヤロウ、何やってんだよ!応急処置も何も、殺人現場になってんじゃねえか!」
生徒「いやさっきこんな感じだったんで……」
教員「お前刑事じゃねえだろ!」
急に教員に向けてビシッと敬礼をする生徒。
生徒「デカ長!!お疲れさまです!!こちらがガイシャが発見された現場です!!お足元悪いのでお気をつけください!」
教員を人型の方へ誘う生徒。
教員、急に風格のある警部のたたずまいでゆっくりとした動作になる。
教員「………ご苦労。("KEEP OUT"のテープをくぐる素振りでセンターに進み、人型のすぐ脇にゆっくりしゃがみこむと、人型に向け軽く合掌、一瞬おいて顔を上げる)……それで、ガイシャは?」
この辺りから、"太陽に吠えろ"の追想シーンなどに流れるテーマ曲のスローバージョン(曲名不詳)がBGに流れる。
照明はオレンジ強めに。
教員、襟を立てる感じで、客席に背中を向けぎみにして哀愁を漂わせる。
生徒「………はい!ガイシャは30代女性…(若干の個人情報を盛り込む)……」
教員「お前じゃねえか!!」
生徒「デカ長!!」
教員「デカ長じゃねえよ!いい加減にしろ、人命救助の授業でいきなり殺しやがって………真面目にやれ!」
生徒「………え?ホントに?」
教員「ホントに?ってなんだよ!ずっとやれっつってたろ!お前ハンコやらねえぞ」
生徒「あーすいませんすいません、出来ればハンコはもらいたいです。」
教員「はいじゃあやれ。」
二人、センターから少し離れ、生徒が人型に向かって発見からの流れを説明を加えつつシミュレーション行う。
生徒「あっ、こんなところに人が倒れてる!」
そばに駆け寄り膝まづく。
生徒「(倒れている人の肩を叩く素振りで)どうしましたー!大丈夫ですかー!」
立ったまま見守り、頷く教員。
教員「やりゃできんじゃねえか」
続ける生徒。
生徒「肩を叩いても反応がない場合、まず気道を確保して呼吸の確認をします」
教員「そうだな。」
生徒「通常、頸部を後屈させて(自分の首の後ろに手を当てながら大きくそらせて見せる)気道を開きますが、路上等で倒れていて、事故など頭部を強打した可能性がある場合などは、大きく頸部を後屈させることで頸椎に損傷をきたすことも考えられます。」
教員「まあ、可能性としてはな…?」
生徒「その場合、張り切って後屈させてしまうと、最悪"トドメを刺す"、ことにもなりかねません。………ので、下顎骨の、丁度エラのところの出っ張りから持ち上げる"下顎挙上"という方法で気道を開きます!」
教員「何かお前専門的なこと知ってんな…?」
生徒「これをもっと広く知っておいてくれたなら………私もトドメを刺されずに済んだものを………」
急にうつむき加減になり陰にこもる生徒。
舞台照明トーン落とし青くなる。
ものものしさにぎょっとする教員。
教員「えっ何?!(# ゜Д゜)」
軽く動揺するが終業のチャイムが鳴り、途端に照明元に戻る。
生徒「……どうかしましたか?」
教員「(動揺を悟られまいと声を張る)なんだお前は訳のわからないことばっかり言いやがって、今日の授業は終わりだ、こんなもん片付けてこい!」
人型にしていた足元のロープ(又は延長コード)を丸めると、生徒の手元に投げ渡す。
生徒「はーい。お疲れ様でしたー。」
生徒下手にはける。
センターに残った、何やら疲れた様子の教員、上手の方が何やら騒がしい様子で顔を向ける。
教員「あ、お疲れ様です。えぇ、うちのクラス今授業終わりましたけど………何かあったんですか?」
しばし耳を傾けつつ徐々に顔色が変わっていく。
教員「………え?……その先の大通りで、事故………うちの教習車が……?徐行標識見落として、一旦停止もせず、急いでわきから飛び出してきた女性を跳ね上げて、ボンネットが大破………さっきそんなホットな話題を耳にしたような………?で、相手の30代女性は?!」
詰め寄るように問いただすが、やがて自身の知る情報が裏打ちされていくにつれ、うちひしがれるように後ずさる。
教員「うちの………生徒………俺の………クラスの………」
更に耳を疑い声が高くなる教員。
教員「救助に入った人が、慌てて気道確保したのが致命傷に………はぁ………トドメを………」
よろめく教員。まだ俄には信じられない様子で、ロープを片付けに行ったまま生徒が戻ってきていないのに気付く。
教員「いや!…いや、違うんですよ、今さっきうちの生徒がそんなことを話してたんで………おい!………どこいった!!………お前!……!」
舞台上をうろつき回り、生徒の姿を探す教員。
やがてその足元を、登場と同じように匍匐前進でゆっくりと入ってくる生徒。
しかし教員はそれに気づく気配はなく、舞台上を行ったり来たりオロオロと生徒の姿を探し続ける。
舞台上で二人の動線が交錯する中、いつのまにかフェードインで流れていた"世にも奇妙な物語"のテーマ曲が最大音量になり、うるさいほどのBGの中、二人の見開くような視線が最後方にまっすぐ向けられストップモーションとなり、音明かりともにフェードアウト。
―暗転―

