暗記不要の簿記独学講座【簿記革命】 -61ページ目

裏書手形・割引手形がある場合の貸倒引当金の設定(対照勘定法)

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この記事には改訂版がございます。改訂版は裏書手形・割引手形がある場合の貸倒引当金の設定の仕訳をご覧下さい。


裏書手形割引手形がある場合の貸倒引当金の設定(対照勘定法)についてお伝えします。

裏書手形・割引手形がある場合の貸倒引当金の設定(対照勘定法)

対照勘定法

このような決算整理前残高試算表をもとに貸倒引当金の設定する場合について考えてみます。

ちなみに、問題文に対照勘定法なのか評価勘定法なのかが書かれていない場合も多いです。
その場合は、「手形裏書義務見返」や「手形割引義務」などがあれば対照勘定法、「割引手形」や「裏書手形」があれば評価勘定法だと判断します。

1.裏書手形を含んで貸倒引当金を設定する場合

「裏書手形を含む受取手形期末残高の2%の貸倒引当金を見積もる」場合の仕訳について考えてみます。

この場合は対照勘定法なので、受取手形勘定には裏書手形は含まれていません
手形を裏書した時点で

(借)買掛金など 200,000/(貸)受取手形 200,000

という仕訳を切って受取手形勘定を直接減額しているからです。
また、それと同時に

(借)手形裏書義務見返200,000/(貸)手形裏書義務200,000

という仕訳を切っているはずです。
この手形裏書義務の金額が裏書手形の金額になります。

よって、

  • 受取手形(手許有高)…300,000円
  • 裏書手形…200,000円

となります。

裏書手形を含んで貸倒引当金を設定するので、貸倒引当金繰入の金額は(300,000+200,000)×2%-2,000=8,000となります(差額補充法)。

仕訳は、

(借)貸倒引当金繰入 8,000/(貸)貸倒引当金 8,000

となります。

2.裏書手形を含まないで貸倒引当金を設定する場合

「裏書手形を含まない受取手形期末残高の2%の貸倒引当金を見積もる」場合の仕訳について考えてみます。

それぞれの手形の金額は1と同じで、

  • 受取手形(手許有高)…300,000円
  • 裏書手形…200,000円

となっています。

裏書手形を含まないで貸倒引当金を設定するので、貸倒引当金繰入の金額は300,000×2%-2.000=4,000となります(差額補充法)。

仕訳は、

(借)貸倒引当金繰入 4,000/(貸)貸倒引当金 4,000

となります。

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保証債務の取引と仕訳

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保証債務の仕訳についてお伝えします。

手形の裏書譲渡(対照勘定法)にともなう保証債務

「A商店に対する買掛金100,000円分の支払として、かねてB商店より売掛金の代金として受け取っていた当社宛の約束手形を裏書譲渡した。なお、保証債務の時価は手形額面の1%であると見積もられた」場合の仕訳を考えてみます。

手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)は、

(借)買掛金   100,000/(貸)受取手形 100,000
(借)手形裏書義務見返100,000/(貸)手形裏書義務100,000

となります。

次は保証債務の仕訳です。
まずは保証債務の時価を求めます。
保証債務の時価は100,000×1%=1,000円となります。

貸倒引当金を計上するときの仕訳は、

(借)貸倒引当金繰入 ×××/(貸)貸倒引当金 ×××

でした。
これと同様に考えます。

借方の貸倒引当金繰入は費用です。
これと同じ役割の勘定科目は保証債務では『保証債務費用』となります。
よって、『(借)保証債務費用1,000』となります。

また、貸方の貸倒引当金は負債です。
これと同じ役割の勘定科目は保証債務では『保証債務』となります。
よって、『(貸)保証債務1,000』となります。

まとめると、

(借)保証債務費用 1,000/(貸)保証債務 1,000

となります。
最初の仕訳とまとめると、

(借)買掛金   100,000/(貸)受取手形 100,000
(借)手形裏書義務見返100,000/(貸)手形裏書義務100,000
(借)保証債務費用  1,000/(貸)保証債務  1,000

となります。
これが保証債務の仕訳も含んだ手形の裏書の仕訳になります。

裏書手形の決済

「上記の手形が無事決済された」ときの仕訳について考えてみます。

手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)は、

(借)手形裏書義務100,000/(貸)手形裏書義務見返100,000

でした。

あとは保証債務の仕訳です。
手形が無事決済されたことで保証債務も消滅します。
そこで、保証債務の仕訳もなくさなければなりません。
しかし、

(借)保証債務 1,000/(貸)保証債務費用 1,000

という仕訳を切るわけにはいきません。
借方は『(借)保証債務1,000』で構いません。
しかし、『(貸)保証債務費用1,000』はまずいのです。

この保証債務費用が当期に発生しているならばまだいいのですが、もし前期以前に発生していた場合、保証債務費用という費用の勘定は当期に繰り越されません。
この状況で貸方に費用を持ってくると費用が貸方に残ってしまうのでおかしなことになってしまいます。

そこで、『保証債務取崩益』という収益の勘定を使います。
保証債務取崩益という勘定は保証債務がなくなったことによる収益です。
この勘定科目を使って『(貸)保証債務取崩益1,000』とします。

まとめると、

(借)保証債務 1,000/(貸)保証債務取崩益 1,000

となります。
最初の仕訳とまとめると、

(借)手形裏書義務100,000/(貸)手形裏書義務見返100,000
(借)保証債務  1,000/(貸)保証債務取崩益 1,000

となります。
これが保証債務の仕訳も含んだ裏書手形の決済の仕訳になります。

ちなみに、手形の割引の場合も評価勘定法の場合も、保証債務の部分の仕訳の考え方は全く同じになります。

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保証債務

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保証債務についてお伝えします。

保証債務

手形を裏書したり割引したりした場合、万が一支払人が支払えなくなったときには当社が支払人に代わって手形代金を支払わなければなりません(手形法により決まっています)。
これは、手形代金と同じ金額の借入金の保証人になったのと同じことになります。
このように保証人になることを保証債務を負うといいます。

ここで、当社の保証債務を誰かに肩代わりしてもらうとするならば、対価をいくら支払わなければならないかと考えます。
保証人になってもらうには、通常対価が必要です。
無料では保証人にはなってもらえません。

ここで支払わなければならないと考えられる金額は、手形を裏書または割引したことによる債務の発生と言えます。
簿記2級ではこの金額を保証債務として計上します。

保証債務の時価

仮に、300,000円の手形を裏書または割引した場合、当社は300,000円の保証債務を負ったことになります。
この保証債務を誰かに肩代わりしてもらう場合、この対価はいくらになるでしょうか。

もしこの手形が100%の確率で貸し倒れるならば、この対価は300,000×100%=300,000円となります。
もしこの手形が1%の確率で貸し倒れるならば、この対価は300,000×1%=3,000円となります。

このように、対価の決定要因は貸倒率になります。
本当は他にも対価の決定要因はあるため、より合理的な方法で保証債務の時価を見積もる方がいいのですが、そこまで考えると計算が煩雑になります。
そこで、保証債務の時価は貸倒率をもとに時価評価することが認められています。

保証債務の性質

保証債務の性質は貸倒引当金に限りなく似ています。
仕訳を切るときは貸倒引当金をイメージして行えば問題なくできると思います。

しかし、貸倒引当金の設定と異なる部分もあります。
貸倒引当金の設定は決算のときに行いますが、保証債務の設定は手形の裏書または割引したときに行います。
この点だけ気をつけておけば問題ないと思います。

ちなみに、保証債務は必ず設定しなければならないものではありません。
ほとんど貸し倒れる可能性がないと思えるものに関しては保証債務を設定しないことも多いです。

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手形の割引にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)

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手形の割引にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)についてお伝えします。

手形の割引(評価勘定法)

「売掛金の代金として受け取っていた約束手形200,000円分を取引銀行で割り引いて売却し、割引料3,000円を差し引かれた残額を当座預金に預け入れた」場合の仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、

(借)当座預金 197,000/(貸)受取手形 200,000
(借)手形売却損 3,000/

という仕訳を切っていればそれで終了でした。
しかし、簿記2級では、偶発債務の仕訳が必要になります。

受取手形200,000円を割り引いたことで、将来この200,000円を支払人が支払えなかった場合、当社が支払わなければならなくなるかもしれません。
この偶発債務を仕訳で表します。

評価勘定法では「割引手形」という評価勘定を使います。
割引手形勘定は受取手形勘定の評価勘定です。
そのため、マイナスの資産の勘定となります。
手形を割り引いたときに直接受取手形を減額するのではなく、割引手形という勘定を使って受取手形の減少を表します。

そこで、『(貸)受取手形200,000』ではなく、『(貸)割引手形200,000』とするのです。
こうすることで、裏書手形の勘定の金額が偶発債務の金額を表します。

よって仕訳は、

(借)当座預金 197,000/(貸)割引手形 200,000
(借)手形売却損 3,000/

となります。

考え方は減価償却の間接法で出てきた減価償却累計額と似ています。

評価勘定法では、

  • 受取手形勘定…手形債権の合計額(割引いた分含む)
  • 割引手形勘定…割り引いた手形の合計額(偶発債務の合計額)
  • 受取手形勘定-割引手形勘定…実質的な手形債権の金額

となります。

考え方は手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)とほとんど同じになります。

手形の決済

「上記の手形が無事決済された」ときの仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、ここでは仕訳は必要ありませんでした。
手形の決済は支払人と受取人の取引なので、支払人でも受取人でもない当社は関係ありません。
よって仕訳は必要ないのです。

しかし、簿記2級では、

(借)当座預金 197,000/(貸)割引手形 200,000
(借)手形売却損 3,000/

という仕訳を切っています。
まだ、受取手形を直接減額していませんし、偶発債務を表す裏書手形の勘定も残っています。
手形が無事に決済されたことで、裏書手形の勘定はなくなりますし、受取手形を直接減額してもよくなります。
よって、『(借)割引手形200,000』とすることで割引手形勘定を減額し、『(貸)受取手形200,000』とすることで受取手形も減額します。

まとめると、

(借)割引手形 200,000/(貸)受取手形 200,000

となります。
この仕訳を切って、偶発債務を消去するのです。
ここでも考え方は「手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)」とほとんど同じになります。

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手形の割引にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)

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この記事には改訂版がございます。改訂版は手形の割引にともなう偶発債務の取引と仕訳をご覧下さい。


手形の割引にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)についてお伝えします。

手形の割引(対照勘定法)


「「売掛金の代金として受け取っていた約束手形200,000円分を取引銀行で割り引いて売却し、割引料3,000円を差し引かれた残額を当座預金に預け入れた」場合の仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、

(借)当座預金 197,000/(貸)受取手形 200,000
(借)手形売却損 3,000

という仕訳を切っていればそれで終了でした。

簿記2級では、偶発債務の仕訳が必要になります。

受取手形200,000円を割り引いたことで、将来この200,000円を支払人が支払えなかった場合、当社が支払わなければならなくなるかもしれません。
この偶発債務の仕訳を切ります。

この偶発債務を負債の勘定である「手形割引義務」という勘定を使って『(貸)手形割引義務200,000』と処理します。

この手形割引義務という勘定は負債の勘定ですが、仕訳を切った時点では必ず支払わなければならないものではありません。
そのため、厳密には負債の勘定とは言えないのですが、最も近いのは負債なので、ここでは負債としておきます。

問題は借方です。
借方は「手形割引義務見返」という勘定で処理します。
この手形割引義務見返という勘定は支払請求権を意味します。

この手形代金を支払わなければならなくなった時点で、手形割引義務が現実の負債になるのですが、それと同時に支払人に手形代金を請求する権利も発生します。
支払人は支払うことができなくなっているので、取り立てることができるかどうかは分かりませんが、請求する権利は発生します。

この権利を手形割引義務見返という勘定で表すのです。
というわけで、『(借)手形割引義務見返100,000』となります。

この手形割引義務見返という勘定も手形割引義務同様、仕訳を切った時点では必ず受け取ることができるものではありません。
そのため、厳密には資産の勘定とは言えないのですが、最も近いのは資産なので、ここでは資産としておきます。

まとめると、

(借)当座預金   197,000/(貸)受取手形 200,000
(借)手形売却損    3,000/
(借)手形割引義務見返200,000/(貸)手形割引義務200,000

となります。

ちなみに、

(借)手形割引義務見返200,000/(貸)手形割引義務200,000

のような仕訳を備忘仕訳と言います。

(借)当座預金   197,000/(貸)受取手形 200,000
(借)手形売却損     3,000/

という仕訳だけだと、どれだけ偶発債務が残っているか仕訳帳からは分からなくなります。
そこで、偶発債務をれてしまうことにえるためにこの仕訳を切るのです。

考え方は手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)とほとんど同じになります。

手形の決済

「上記の手形が無事決済された」ときの仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、ここでは仕訳は必要ありませんでした。
手形の決済は支払人と受取人の取引なので、支払人でも受取人でもない当社は関係ありません。
よって仕訳は必要ないのです。

しかし、簿記2級では、


(借)手形割引義務見返200,000/(貸)手形割引義務200,000

という仕訳を切っています。
この仕訳は手形代金を将来支払うことになるかもしれないからということで切った仕訳です。
手形が無事に決済されたことで、この仕訳も不要になります。
よって、

(借)手形割引義務200,000/(貸)手形割引義務見返200,000

という仕訳を切って、偶発債務の仕訳を消去します。
ここも考え方は「手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)」とほとんど同じになります。

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手形の割引にともなう偶発債務

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手形の割引にともなう偶発債務についてお伝えします。

手形の割引にともなう偶発債務

簿記3級で学習したように、受け取った手形を銀行に持ち込んで割り引いてもらうことを手形の割引といいます。

手形の割引

図で表すとこのような形になります。
通常は割引した手形の支払人がこの手形を決済するのですが、万が一支払人が支払えなくなった場合、手形を割り引いた当社が支払人に代わって手形代金を支払わなければなりません(手形法により決まっています)。

手形の割引に伴う偶発債務

図で表すとこのような形になります。

このように、ひょっとすると支払わなければならなくなる債務を偶発債務といいます。

簿記3級では偶発債務については範囲外でしたが、簿記2級では範囲に入っています。
偶発債務の考え方は手形の裏書譲渡にともなう偶発債務とほとんど同じです。

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(評価勘定法)についてお伝えします。

手形の裏書譲渡(評価勘定法)

「A商店に対する買掛金100,000円分の支払として、かねてB商店より売掛金の代金として受け取っていた当社宛の約束手形を裏書譲渡した」場合の仕訳を考えてみます。

簿記3級の範囲では、

(借)買掛金 100,000/(貸)受取手形 100,000

という仕訳を切っていればそれで終了でした。

簿記2級では、偶発債務の仕訳が必要になります。

受取手形100,000円を裏書譲渡したことで、将来この100,000円を支払人が支払えなかった場合、当社が支払わなければならなくなるかもしれません。
この偶発債務を仕訳で表します。

評価勘定法では「裏書手形」という評価勘定を使います。
裏書手形勘定は受取手形勘定の評価勘定です。
そのため、マイナスの資産の勘定となります。

手形を裏書譲渡したときに直接受取手形を減額するのではなく、裏書手形という勘定を使って受取手形の減少を表します

そこで、『(貸)受取手形100,000』ではなく、『(貸)裏書手形100,000』とするのです。
こうすることで、裏書手形の勘定の金額が偶発債務の金額を表します。

よって仕訳は、

(借)買掛金 100,000/(貸)裏書手形   100,000

となります。

考え方は減価償却の間接法で出てきた減価償却累計額と似ています。

評価勘定法では、

  • 受取手形勘定…手形債権の合計額(裏書譲渡分含む)
  • 裏書手形勘定…裏書譲渡した手形の合計額(偶発債務の合計額)
  • 受取手形勘定-裏書手形勘定…実質的な手形債権の金額

となります。

手形の決済

「上記の手形が無事決済された」ときの仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、ここでは仕訳は必要ありませんでした。
手形の決済は支払人と受取人の取引なので、支払人でも受取人でもない当社は関係ありません。
よって仕訳は必要ないのです。

しかし、簿記2級では、

(借)買掛金 100,000/(貸)裏書手形   100,000

という仕訳を切っています。
まだ、受取手形を直接減額していませんし、偶発債務を表す裏書手形の勘定も残っています。

手形が無事に決済されたことで、裏書手形の勘定はなくなりますし、受取手形を直接減額してもよくなります
よって、『(借)裏書手形100,000』とすることで裏書手形勘定を減額し、『(貸)受取手形100,000』とすることで受取手形も減額します。

まとめると、

(借)裏書手形 100,000/(貸)受取手形 100,000

となります。
この仕訳を切って、偶発債務を消去するのです。

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務の仕訳(対照勘定法)についてお伝えします。

手形の裏書譲渡(対照勘定法)

「A商店に対する買掛金100,000円分の支払として、かねてB商店より売掛金の代金として受け取っていた当社宛の約束手形を裏書譲渡した」場合の仕訳を考えてみます。

簿記3級の範囲では、

(借)買掛金 100,000/(貸)受取手形 100,000

という仕訳を切っていればそれで終了でした。

しかし、簿記2級では、偶発債務の仕訳が必要になります。

受取手形100,000円を裏書譲渡したことで、将来この100,000円を支払人が支払えなかった場合、当社が支払わなければならなくなるかもしれません。
この偶発債務の仕訳を切ります。

この偶発債務を負債の勘定である「手形裏書義務」という勘定を使って『(貸)手形裏書義務100,000』と処理します。

この手形裏書義務という勘定は負債の勘定ですが、仕訳を切った時点では必ず支払わなければならないものではありません。
そのため、厳密には負債の勘定ではないのですが、最も近いのは負債なので、ここでは負債としておきます。

問題は借方です。
借方は「手形裏書義務見返」という勘定で処理します。

この手形裏書義務見返という勘定は支払請求権を意味します。
この手形代金を支払わなければならなくなった時点で、手形裏書義務が現実の負債になるのですが、それと同時に支払人に手形代金を請求する権利も発生します。

支払人は支払うことができなくなっているので、取り立てることができるかどうかは分かりませんが、請求する権利は発生します。
この権利を手形裏書義務見返という勘定で表すのです。
というわけで、『(借)手形裏書義務見返100,000』となります。

この手形裏書義務見返という勘定も手形裏書義務同様、仕訳を切った時点では必ず受け取ることができるものではありません。
そのため、厳密には資産の勘定とは言えないのですが、最も近いのは資産なので、ここでは資産としておきます。

まとめると、

(借)買掛金      100,000/(貸)受取手形  100,000
(借)手形裏書義務見返100,000/(貸)手形裏書義務100,000

となります。

ちなみに、

(借)手形裏書義務見返100,000/(貸)手形裏書義務100,000

のような仕訳を備忘仕訳と言います。


(借)買掛金      100,000/(貸)受取手形  100,000

という仕訳だけだと、どれだけ偶発債務が残っているか仕訳帳からは分からなくなります。
そこで、偶発債務をれてしまうことにえるためにこの仕訳を切るのです。

手形の決済

「上記の手形が無事決済された」場合の仕訳について考えてみます。

簿記3級の範囲では、ここでは仕訳は必要ありませんでした。
手形の決済は支払人と受取人の取引なので、支払人でも受取人でもない当社は関係ありません。
よって仕訳は必要ないのです。

しかし、簿記2級では、

(借)手形裏書義務見返100,000/(貸)手形裏書義務100,000

という仕訳を切っています。
この仕訳は手形代金を将来支払うことになるかもしれないからということで切った仕訳です。
手形が無事に決済されたことで、この仕訳も不要になります。
よって、

(借)手形裏書義務100,000/(貸)手形裏書義務見返100,000

という仕訳を切って、偶発債務の仕訳を消去します。

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務

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手形の裏書譲渡にともなう偶発債務についてお伝えします。

手形の裏書譲渡にともなう偶発債務

簿記3級で学習したように、受け取った手形を取引先に譲渡することを裏書譲渡といいます。

手形の裏書

図で表すとこのような形になります。
通常は裏書した手形の支払人がこの手形を決済するのですが、万が一支払人が支払えなくなった場合、手形を裏書譲渡した当社が支払人に代わって手形代金を支払わなければなりません(手形法により決まっています)。

手形の裏書譲渡に伴う偶発債務

図で表すとこのような形になります。

このように、ひょっとすると支払わなければならなくなる債務を偶発債務といいます。

簿記3級では偶発債務については範囲外でしたが、簿記2級では範囲に入っています。

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