こんにちは、日本母親支援協会の柴田です。今日は、昨日の記事「子供の才能を見つける方法」の続きです。
昨日の記事の最後は「上の子可愛くない症候群」に囚われ気づかないうちに上の子を邪険にしてしまっているというお話をしました。まだ読んでいない方はこちらをクリックして下さい。
二人目が生まれて赤ちゃんのお世話をしなければいけない。赤ちゃんと比べると上の子は何でもできる子供に見える。
そこで赤ちゃんのお世話をしなければいけないという「ノルマ」と、そのために上の子は自分のことは自分でやらせるほうがいいという「効率」を天秤にかけているママが上の子をいじめている姿をご紹介しました。
下の子ばかりを可愛がり自分の甘えを受け入れてくれない親に育てられた上の子は、果たして自分の才能を伸ばすことは出来るでしょうか?
上の子の頭の中には「どうしたらママの愛情を取り戻せるのか」と考える毎日を過ごすでしょう。「あの赤ちゃんさえいなければ…」と憎しみを持ち、ママのいない時につねったり叩いたりという意地悪をしてしまうかもしれません。
本来ならば二歳くらいになれば、自我が出てきてイヤイヤ期の真っ只中です。成長に伴って今までの自分の殻を破るために通過しなければいけない過渡期である「イヤイヤ期」。でも、親がその自我を受け止めてくれなければ、その殻を破ることが出来ないのです。
親に自我を認めてくれることで初めて自分というものが見えてきます。それまでは自己中心的で主観的な見方しかできなかった赤ちゃんが客観的な味方ができるようになるのです。
でも、それが叶わなければ、いつまで経っても自己中心的な考え方の赤ちゃんから成長することは出来なくなるのです。
また、子供の成長の段階でママとの遊びから一人遊びへと移行してきます。子供が一人遊び出来るためにはママからの愛情がいつでも与えられているという安心感が必要です。
一人で遊んでいても、常にママの存在を感じています。「ママがいつでも見てくれている」と安心できるからこそ自分の遊びに集中することが出来るのです。
一人遊びをしている我が子の表情を、よく観察してみてください。真剣に何か考えていたり、楽しそうな表情で遊んでいたりするのではないでしょうか?
一人遊びしている時の子供の頭の中は、ぐんぐん活性化しているのです。絵を書いたりブロックで遊んだりしながら、「こうしたらどうだろう」「あれをしたらどうなるのだろう」などと様々なアイディアを試したりしながら、自由な自分の世界に集中しています。
つまり、子供が一人遊びに没頭している時というのは、子供の脳の中で爆発的な成長が起こっているのです。
子供の才能を伸ばすためには、そんな環境が必要なのです。これを先程の兄弟育児に当てはめてみますと、上の子は安心して一人遊びに没頭することはできなくなってしまいます。つまり、才能を伸ばすきっかけを失ってしまうのです。
これは兄弟育児だけに限りません。ママとしては育児だけでなく家事もしなければいけません。また、近所付き合いや旦那のお世話などやることが毎日山積みです。
ノルマをこなさなければいけないママが考えているのは時間的効率です。例えば、お買い物を取り上げてみましょう。
子育て中にはゆっくりとお買い物は出来ません。必要最低限の商品を急いでかごに詰め込んで、そそくさとお家に帰って夕食の支度をしなければいけません。
そこに幼い子供を連れていると「あれはだめ」「これをさわっちゃだめ」「走ったらダメ」と落ち着いてお買い物も出来ないので、ついつい子供をカートに乗せて子供に商品を触らせないようにしています。
しかし、それでは社会のルールを学ぶ機会が奪われてしまいます。スーパーとは、どういうところなのか?みんなが利用する公共の場ではどうすればいいのか?そういうことも説明し理解させ体験させるということが大切な子育てのひとつなのです。
親としては時間的な制約の中で、子供のペースに合わせることが出来ないと考えてしまい親のペースに子供を合わせようとしてしまいます。
親としては、日常のあらゆることはすべて経験積みですので、新幹線のように毎日を超高速で走ることは出来ます。でも、子供は各駅停車で一つ一つのことを学び、経験しながら進まなければいけないのです。
新幹線ならば車窓の外の景色はあっという間に消え去ってしまいます。それでは何がどうなっているのかを学ぶことは出来ません。ゆっくりと進み、ゆっくりと止まる各駅停車に乗ることで、しっかりと景色を脳裏に刻み込みながら学ぶことが出来るのです。
お買い物に行くときにも自転車や車で行けば時間短縮になります。でも、子育て中は出来れば歩いていくことをお勧めします。
あなたが、一人で歩けば、あっという間に到着するスーパーまでの道は、幼い子供の手を引いて歩くと何倍もの時間がかかります。でも、そのゆっくりと過ぎ去る時間があるからこそ子供は学ぶものをたくさん見つけることが出来るのです。
親のあなたにとっては、何でもない物や光景が子供にとっては次から次へと好奇心を刺激してくれる世界なのです。
近所のお家のフェンスにからませて咲いている真っ赤なバラの花や公園の花壇に植えている黄色いカーネーションや青と白のコントラストが綺麗なネモフィラなどを見たり匂いを嗅いだりしながらゆっくりと歩くことが子供にとっては楽しいことなのです。
秋の公園に立ち寄れば、あちこちに落ちているどんぐりや松ぼっくりを見つめて、時には拾ってポケットの中に入れたりすることも学びのひとつなのです。
道路を走るバスやトラックを見つけると指を指して「ブーブー」と言ったり、犬の散歩に出会うと「わんわん」と言ったりすることで言葉の練習もしているのです。
幼い我が子と一緒に歩いていると時間がゆっくりと過ぎることを体感できるはずです。そんな感覚は、いつの間にか忘れていたのではないでしょうか?
子育て中だからこそ甦る記憶もあるのです。でも、そんな記憶が見つからないというのなら、あなたが小さかった頃、親があなたを自転車に乗せてあちこち移動していたとするならば、そんな経験も積まないまま大きくなったのかもしれません。
育児中は、言葉も話せない、よちよち歩きしか出来ない我が子に付き合っていると中々家事も捗らないという焦りも出てくるでしょう。自分のことが何も出来ないというイライラも出てくるでしょう。
でも、今だからこそしか経験できないものもあるのではないでしょうか?子供のペースに合わせて歩くと「あれ、こんなところにこんなものがあったのね」などと今まで気が付かなった景色も見えてくるのではないでしょうか?
ゆっくりと、でも驚くべきスピードで成長している我が子の才能を見つけ出すためには子供のペースで歩くことが必要です。
生活のノルマと効率を優先していると子供の才能を置き去りにしてしまう可能性があるのです。
我が子のキラキラと輝く瞳を見られるのも今だからこそです。我が子をギューっと抱きしめることが出来るのも今だからこそです。子供に教えなければいけないと考えていたのに子供に教えられることがあると気づくのも今だからこそなのです。
子育て中の日常は我が子の才能を探す旅だと考えて「ノルマ」と「効率」を一度忘れてみませんか?
子育ての期間は、苦しい時もありますが、あっという間に終わってしまうのも事実です。掛け替えのない素晴らしい育児という時間を楽しんで頂きたいですね。
せっかく天使があなたの所に舞い降りてきてくれたのです。育児で悩むのは、もったいないことです。
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